フォルクスワーゲンのゴルフ7に待望のディーゼルエンジンが搭載された。車格が上のパサートには先行してディーゼルエンジン(TDI)を搭載しているが、中でもとくにヴァリアント(ステーションワゴン)を選択したユーザーの実に60%以上がTDIを選択しているという。それだけ、ディーゼルの高トルク、低燃費というメリットの理解が浸透している証であり、まさに待望のゴルフに搭載というわけだ。
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待望のディーゼル搭載
ゴルフ7そのものがクラスを超えたモデルと評価されており、プレミアムモデルレベルの静粛性、乗り心地の良さだという高評価を得ている。そこにディーゼルエンジン搭載をモデルをラインアップに追加したので、ディーゼルの魅力を知る人には待ち焦がれた市場投入ということだろう。
搭載モデルはハッチバックとヴァリアント共に搭載し、グレードではコンフォートとハイライングレードのそれぞれにディーゼルがある。さらに特別仕様車のマイスターシリーズがコンフォート、ハイラインにも設定されたので、合計4グレードからディーゼルモデルを選択することができることになった。
搭載するディーゼルエンジンは3DA-AUDFG型の2.0Lターボで、出力は110kW(150ps)/3500-4000rpm、340Nm/1750-3000rpmというスペックに、7速DSGが組み合わされている。
試乗車はハッチバックのハイライン・マイスターグレードなので、クラスを超えた豪華装備を持つモデル。なんといっても市街地、高速道路など、どこを走ってもトルクフルな力強い加速が、すぐに発揮されドライバビリティの点でも魅力がある。
燃費はWLTCモード平均で18.9km/Lで、市街地モードは14.0km/L、郊外モードで18.9km/L、そして高速道路モードでは22.2km/Lという数値になる。1.4Lガソリンエンジンを搭載するTSIの燃費は18.1km/Lなので、その時点でディーゼルのほうが燃費がいいことになる。さらに国内では燃料価格が軽油の方が安いこともあり、お得感満載だ。
市街地走行でもまた、高速走行においても多段化されたトランスミッションにより、エンジンの回転は低く抑えられている。発進時の要求加速にもよるが、周りの交通の流れと同じレベルの加速であれば、1500rpmでのシフトップで十分流れに乗れる。
また、高速走行で100km/h巡航時タコメーターは1450rpmを示す。かなり低い回転を維持するので、高速走行での燃費の良さには頷ける。その回転域からでも再加速や追い越しをしようとアクセルを踏むと、トルクバンド内であるため、力強い加速ができ、ダウンシフト不要の加速力は即得られる。また、そうした低回転であるためエンジン音も小さくディーゼルの音に対する心配も一切ない。
こうしてみると、ディーゼルのネガは何か?見当たらないというのが答えだろう。ガソリンと軽油で価格差のほとんどない欧州ですらディーゼル比率が高いことから(急激にその比率は変化しているが・・・)、経済性とドライバビリティの良さが古くから認められている証拠でもあるわけだ。
このディーゼルモデルの中でもマイスターシリーズは、予防安全、衝突安全などの装備も充実しており、ライバルとの差別化も明確にされているモデルだ。つまり装備比較をすればお買い得感が如実にあるモデルというわけだ。
ちなみにボディサイズは全長4265mm、全幅1800mm、全高1480mm、ホイールベース2635mmでCセグメントサイズのベンチマークとなっているのがゴルフだ。
また、同時に両側スライドドアの7人乗りミニバン「シャラン」にもディーゼル搭載モデルが加わり、より選択肢が増えている。搭載するディーゼルエンジンはゴルフと同じ2.0Lだがシャランのほうが車両重量が重いため177PS/380Nmという強力版が搭載されている。これで、パサート、ティグアン、トゥーランについで2モデルもラインアップにプラスされたことになる。<レポート:高橋明・Akira Takahashi>
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