鍛造ホイールのトップブランドがその技術力で挑んだ究極の機能美
ともにモータースポーツシーンで手を取り合うなど、BMWと親和性の高いホイールブランドがBBSだ。そんなBBSにとって、己の理想像を追求するかのごとく極限まで攻めた造形のFI-Rを取り上げてみたい。
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ターゲットを絞り込んでまで造形とマッチングを徹底追求
いつの時代も、我々がその象徴と捉えてきたBBSのクロススポークは、決してメッシュパターンと同義ではない。彼らの定義するクロススポークは「クロス+スポーク」の名の通り、隣り合うスポークを交じらわせる、あるいは1本のスポークを分割することで得られるY字状の造形を示す。このY字とスポークとで形成される三角形が応力分散の観点から理にかなうという考え方である。そのY字の集合体で構成されるデザイン、それが我々にとってはメッシュとなって刻み込まれてきた。
BBS FI-R
そうした意味では、2011年に超超ジュラルミン鍛造という武器を持って登場したRI-Dにも立派なクロススポーク哲学がある。まるでF1マシンのように極限まで削ぎ落とした造形には、きっちり2×5本のクロススポークがある。派生モデルを含めて、今ではモダンBBSの顔となった。
その流れを汲んだのが、ここにあるFI-Rである。超超ジュラルミンという素材をストロングポイントとしたRI-Dに対して、FI-Rはその造形を熟成されたアルミ鍛造に置き換え、造形やマッチングをさらに絞り込むことで成立させたモデルだ。
その造形を見れば、BBSの狙いが伝わる。ただでさえ限界までシェイプアップされた各スポークには、さらに随所に穴あけ加工が施されている。欧州を中心とするモータースポーツのエンジニアリングを取り入れた、極限まで強度と剛性、それと二律背反する軽量性能を両立させるためのアプローチだ。実際、見た目の軽やかさを決して裏切らないほど抜群に軽いが、彼らはそれを単なる軽量ホイールだと訴えてはいない。高重量化と高出力化の著しい昨今のハイパフォーマンスカーを難なく受け止める信頼耐久性を第一とする。
その性能を突き詰めるため、BBSはあえて対象車種を絞っている。BMW用を挙げると、F80型M3、F82型M4に焦点を絞ったサイズがデリバリーされている。ただ履くだけなら別モデルにも応用できるのだろうが、車種固有の要求性能やブレーキとのマッチングなどを徹底的に解析し、ベストアンサーとして提示したものだ。
今回、一例として取り上げたのはここ日本でBMWチューナーとして活動するベイファールが仕上げたM3だ。色鮮やかなヤスマリーナブルーに彩られたボディの足もとに、FI-Rの20インチがフィットする。ミシュラン・パイロットスポーツ4Sのフロント265/30、リア285/30サイズを組み込んだ状態で、KWのバージョン3を使ってフィットさせたローダウンフォルムには惚れ惚れする。リムフランジいっぱいにまで伸ばされた各クロススポークが伸びやかに感じ、実サイズ以上の大径感を感じさせる。ボルトホールの開けかたにも一切の無駄を感じることなく、いかにも専用設計であることをうかがわせる。
もちろん、スタイルよりもむしろ走りの質を高めることに定評のあるベイファールである。全開で踏み抜ける頼もしさと、普段からアシに使える快適性を持つ。その走りを支えるにあたって、BBSの性能は欠かすことのできない存在である。
なお、FI-Rには20インチのほか、ビジュアルの好みや、組み合わせるタイヤ銘柄、あるいは走りの趣味嗜好に合わせて、19インチを選ぶこともできる。サーキット系ユーザーならハイグリップの19インチを入れても似合うはずだ。長きにわたってモータースポーツシーンで互いを高め合ってきた両雄たちの、その最新コラボを味わう体制はきっちり整っている。
SPECIAL THANKS
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Beifall
優れた技術力とセンスでBMWのチューニングやドレスアップに取り組むベイファール。彼ら自身が誰よりBBS製ホイールに魅力を感じ、デモカーやユーザーカーに率先して採り入れてきた。
http://www.beifall.jp
★問い合わせ先
BBSジャパン TEL:03-6402-4090
https://bbs-japan.co.jp/
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