同じパワーサーキットながら、前戦のベルギーGPとは打って変わって、連日雨模様が予想される今週末のF1第14戦イタリアGP。それでも田辺豊治テクニカルディレクターは、「4台すべてが最新スペック4でレースまで走る」ことを、言明した。
奇しくもちょうど51年前のモンツァは、第1期ホンダF1が唯一のポールポジションを獲得した舞台でもある。スパに続いてフェラーリの優位が予想されるが、はたしてホンダはどこまでのパフォーマンスを発揮できるだろうか。
F1イタリアGPインタビュー:スタート失敗とホンダPUの関連を語るフェルスタッペン。「スペック4で改善することを期待している」
――スパ(・フランコルシャン)に続いてパワーサーキットですが、今回は4台が実際にスペック4で走りますか?
田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):はい。走ります。4台ともスペック4でレースを走ります。
――前戦は、(ダニール・)クビアトだけでした。
田辺TD:1台だけでしたが、スペック4の性能確認は十分できました。
――前戦で(マックス・)フェルスタッペンがスタートを失敗したのは、どんな原因だったんでしょう。
田辺TD:スペック自体には関係なく、パワーユニット、クラッチコントロール、ドライバーの操作、外気温やタイヤ温度など、さまざまな外的要因、それらが関わり合ってうまく行かない部分があった。なのでそれぞれの部分で、改善していきます。ただなかなか、難しいところではあります。
――日曜日は、雨という予報も出ています。
田辺TD:初日の走り出しも、雨かもしれません。その辺りの様子を見ながら、セッティングして行くしかないですね。前回は4台ポイント獲得を逃しましたので、今週末はぜひそれを目標にして行きたいですね。
――今からちょうど51年前の9月7日土曜日に、ジョン・サーティースのホンダF1がポールポジションを獲得しています。
田辺TD:そうなったら最高ですが、フェラーリの本拠地ですし、スパでも速さを見せつけられています。どこまで行けるか、がんばるのみです。
――フェルスタッペンもスタートの問題はスペック起因ではないと言ってますが、一方でスペック4になったら改善すると期待を寄せていました。新スペックに対策を盛り込んだということですか。
田辺TD:スパを含めて、毎回対策を盛り込んできてます。今までいろいろやって来たのを、さらに解析を進めて、テストをやってきたという状況です。
――スパで(アルボンのスペック4を)スペック2に戻した理由は?
田辺TD:お話できません。というか、年間通してのやり繰りです。
■雨が降り続けた場合どのスペックを載せるかはチームとの話し合い
――やり繰りで言うとシンガポールをスペック2で行くのが最善かと思うんですが、まだマイレージは余っていますか?
田辺TD:もちろん対象に入ってます。
――もし明日以降、雨が降り続けたら、ここをスペック4で走る意味もあまりないですよね。
田辺TD:そこはチームとの話し合いですが、ただここは雨でもある程度全開で踏めてしまいますからね。そうするとやはりパワーがあった方がいいのか、いや、もういいやとなるのか。2台は後方スタートですし、どういう選択をするかはチームとの話し合いですね。
――スパのアルボンは、スペック2で5位入賞を果たしました。非常に効率が良かったし、スペック2とは思えない予選の速さをレッドブルの2台が見せています。
田辺TD:パッケージとして、悪くなかったですね。去年のトロロッソも、スパ、モンツァと悪くなかったですし。
――信頼性に関しても、ある程度距離を踏んだスペック2がしっかり完走しています。一方でメルセデスとフェラーリは、新スペックが次々にトラブルを起こしていました。そこは田辺さんからしても、驚きでしたか?
田辺TD:そうですね。去年、一昨年の彼らの状況を見ると、新スペックだからといって何か冒険するはずもない。ワークスチームがちゃんと使えるための下準備でしょうし、きちんと品質管理をし、耐久性も確認しているはずなのに、立て続けに壊れたのは驚きました。まったく理由は、思い当たりません。
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