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ABB FIAフォーミュラEシーズン9 第13戦 イタリア・ローマ 前代未聞の大クラッシュで大混乱

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ABB FIAフォーミュラEシーズン9 第13戦 イタリア・ローマ 前代未聞の大クラッシュで大混乱

ABB FIAフォーミュラEシーズン9のチャンピオンシップが白熱してきた。この第13戦を含め残り4戦となったが、シリーズトップのジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・ポルシェ)とニック・キャシディ(エンビジョン・ジャガー)はわずか1点差。3位パスカル・ヴェアライン(ポルシェ)、4位ミッチ・エバンス(ジャガー)までが接近している。

ローマの市街地コースは1周3.385km。第13戦は25周で競うローマの市街地コースはコーナー数が多く、テクニカル。ドライバーからの評価もいいコースで、追い抜きが難しいことから予選順が重要とされるコースだ。

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グループ予選のA組はシリーズランキングの奇数順位のドライバーが300kWの出力で12分間走る。上位4番手までが次のデュエルスに進出するが、2位通過のサム・バード(ジャガー)がイエローフラッグ違反でタイム抹消とされた。この判定に抗議し、なんと判定が覆るドタバタがあったが、Aグループトップはサッシャ・フェネストラズ(日産)で、以下、バード、デニス、マキシミリアン・ギュンター(マセラティ・ZF)がデュエルスに進出した。

サッシャ・フェネストラズ(日産)は予選の速さはあるものの決勝のエネルギーマネージメントに苦しむ続くグループ予選Bでは残り18秒のところで、ジェイク・ヒューズがマシントラブルと思われるクラッシュを喫し、赤旗終了となった。そのため、タイムアタックできなかったランキング2位のキャシディはデュエルスへの進出ができないという不運に見舞われてしまった。

グループBからはエバンスがトップ通過し、続いてセバスチャン・ブエミ(エンビジョン・ジャガー)、レネ・ラスト(マクラーレン・日産)、エドアルド・モルタラ(マセラティ・ZF)がデュエルスに進出した。

続いて行なわれたデュエルスQF(準々決勝)では350kWに出力があがる。パワートレインも日産、ポルシェ、ジャガー、ZFと多彩だが、中でもジャガーパワートレインが好調だった。

SF(準決勝)に勝ち上がったのがバード、サッシャ、ブエミ、エバンスで、3台がジャガーPTで、サッシャのみ日産という顔ぶれになった。

一時予選タイム抹消されたサム・バード(ジャガー)だが、一転してデュエルスに進出したデュエルス決勝はタイム抹消から一転して抗議が認められ、バードが勝ち上がり、チームメイトのエバンスとの戦いになった。結果はバードがミスを犯し、1秒以上の差をつけられてエバンスがポールポジションを獲得した。

決勝は大アクシデント発生

決勝レースは、フロントローを独占したジャガーチームによる戦略が予想できた。スタートは2番手のバードがトップに立ち、エネルギーを温存しつつ順位をキープをする戦略かと思われる展開で始まった。

しかしながら早い段階でエバンスがトップに立ち、バード、サッシャ、ラスト、デニスという順で周回をしていく。だが9周目に、かつてないほどの大クラッシュが発生した。

ジャガー勢が1位、2位を独占してスタートしたマンホールで滑ったというバードが単独スピンをし、ウオールにヒットしてしまうが、不運なことにブラインドコーナーだったため、後続のマシンが避けきれず、次々にクラッシュをしていく。およそ10台が絡む大アクシデントでレースは赤旗中断。

回収作業を進める中、修復できるマシンは赤旗中でも作業解禁になり、各チームが修復するが、その後再開したレースのグリッドに並んだのはわずか14台だった。

リスタートの順位はサッシャ、エバンス、ラスト、デニス、キャシディという順で再開された。スタート後サッシャがトップを守るもバッテリー残量が少ないため、スローペースの展開で各マシンは超接近戦での順位の入れ替わりという展開になった。

しかしながら、ペースの遅いサッシャに痺れを切らし、サッシャは徐々に順位を落とす。チーム無線で、何をすればいいか?と尋ねるほどサッシャはエネルギーマネージメントに苦しんでいる様子だった。

エバンスを追うデニスエバンスがトップをキープし、デニスが徐々に順位を上げる。一方、後方9番手スタートから追い上げてきたキャシディも4位付近でバトルをし、高ポイント圏内に入ってくる。

15周目にデニスがトップにたち、逃げる展開になるかと予想されたが、デニスもバッテリー残量が厳しく、22周目にエバンスがトップに返り咲くことになった。

レースはアディショナルラップ2周が加算され27周で行なわれ、最後はエバンス、キャシディ、ギュンターの順でチェッカーを受けた。これでシリーズトップにキャシディが立ち、エバンスは3位でポイントも接近する結果になった。

表彰台に向かうミッチ・エバンス日産のサッシャは結局10位フィニッシュで、ノーマン・ナトーは8位という結果だ。このローマではジャガーのパフォーマンスとエネルギーマネージメントがよく、ポルシェは苦戦していた。また日産は一発の速さはあるものの、エネルギーマネージメントに苦戦するのか、レースの結果には結びついていない。

ローマでは翌日に第14戦が開催される。この第13戦はクラッシュしたマシンが非常に多く、どの程度の台数がスターティンググリッドに並ぶのか、心配されるレースになってしまった。

また、決勝レースでのエネルギーマネージメントは見どころの一つではあるものの、ドライバーが目一杯走れない展開になるのは、レースイベントとしての醍醐味に欠けてしまうと感じる。この辺りは、Gen2マシン時代のように、レース周回数を公表しない時間レースのほうが、面白みはあったように感じる。

チャンピオンシップの混戦は見どころであり、翌日の第14戦には期待したい。

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みんなのコメント

5件
  • このレースに限らないけど、最初から最後までマネージメントしないといけないレースはつまらない。
    予選でマネージメントとか最悪だし、全力走行を観客は見たいと思う。
  • 決勝のエネルギーマネジメントに苦戦する日産
    今のところ予選番長と言えなくもないが来季から採用される超高速充電ピットストップで少し決勝レース運びは変わってくるかもしれない
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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