積算1万4651km 都市部での取り扱いの良さ
text:Rachel Burgess(レイチェル・バージェス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)
寒い冬が到来。今の季節、小さなジムニーで実用的だと思える1つが、凍ったフロントガラスを一拭きで綺麗にできるところ。他のクルマでは、だいたいフロントガラスの途中までしか届かない。直立した小柄なボディならではだ。
英国のトップグレードにはシートヒーターが標準装備。氷点下の気温が続く中で、頻繁に使用する欠かせない機能となっている。
積算1万7599km 荷物を積んでの帰省
混雑したロンドンでも、ジムニー・シエラなら簡単に移動できる。特にコンパクトなボディサイズと、視認性の良さが大きい。
そんなジムニー・シエラで、先日のクリスマス休暇に帰省することとなった。自然いっぱいの田舎をジムニーで走る絶好の機会だ。
ベッドフォードシャーはロンドンの中心部から100kmほど北にある。わたしが幼い頃過ごした田舎道に入ると、ジムニーも故郷に戻ったかのようだった。車線の狭い地方道。水たまりができる起伏の大きい道。高速での走行は求められない。
実家があるのは、雪の多い小さい村。冬が来ると、翌朝、ちゃんと目的地にたどり着けるかか少し心配になったものだ。住んでいたのは谷間だったから、どちらに向かっても上り坂。しかもひと気は少ない。除雪も充分ではない環境だった。
英国の積雪地域でも心配は不要
今まで何台も路肩に落ちたクルマを目にしてきた。路面に潜むブラックアイスバーン状態の場所を探りながら走った。今年のクリスマスはジムニーでの帰省だから、それほど心配する必要はなくなった。
例年、何台ものクルマが立ち往生する坂道でも、軽量なボディに、活発な四輪駆動を備えるジムニーなら何の不安もない。実家は舗装路からそう離れた場所に建っているわけではないものの、敷地にはぬかるんだ場所がたくさんある。
実家の周辺のオフロードをジムニー・シエラで走ってみたが、予想通り苦労知らず。編集部では本格的なオフロードテストも計画している。期待できそうだ。
ベッドフォードシャーの小さな町をウロウロするにも、ジムニーは最適。頑丈で飾らないクルマは、どこへでも走っていける。むしろ泥が付いているくらいの方が良い。
現代の新車の平均点より劣る、高速道路での乗り心地や安定性などは、この生活環境の中ではほとんど関係がなくなる。移動時間は20分くらいで、平均の移動速度も55km/hから65km/hくらいだろう。これこそ、本来スズキ・ジムニー・シエラが意図している利用方法だと思う。
「英国では、主に郊外に住む人が購入するケースが多いです。冬の間のレジャー目的で利用する人もいます」 と以前スズキの関係者は話していた。年間の走行距離が短い、セカンドカーとして用いられる率も高い。先代のジムニーも同様だったと思う。
便利なアップル・カープレイ
常に多くのジムニーは実践体制で、リアシートは倒されたまま。古いブランケットや、道具でいっぱいのカバンが積まれっぱなし。別にのぞき見してきたわけではないけれど。
インテリアは、耐久性に関してなら文句なしだ。暖冬だといっても、シートヒーターはありがたい機能だし、シート自体は長距離でも快適に座っていられる。インフォテインメント・システムは少し時代遅れに思えるが、一部の日本車よりは使い勝手が良い。
しかもアップル・カープレイを起動すれば、一気に便利なシステムに変わる。ジムニーに期待する以上といって良い。
そして見かけ以上に沢山の荷物も運べる。確かにリアの空間は大きくなくても、真四角のボディのおかげで、無駄なく荷物を積むことができるから、実用性は高い。リアドアは大きく、積み下ろしも簡単。おかげで沢山のクリスマスプレゼントを持って帰れた。
テストデータ
テスト車について
モデル名:スズキ・ジムニー(シエラ)1.5 SZ5 オールグリップ(英国仕様)
新車価格:1万8499ポンド(259万円)
テスト車の価格:1万9149ポンド(268万円)
テストの記録
燃費:13.9km/L
故障:なし
出費:なし
気に入っているトコロ
のんびりドライブ:気を使わずのんびりとクルマを走らせる。未舗装の田舎道でも、小忙しい街なかでもピッタリ。
気に入らないトコロ
高速走行:100km/h以上のスピードで大型トラックを追い越すと風にあおられる。
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