■小さなホイールに空気がパンパンなタイヤを組み合わせる理由とは?
パンクやバーストなどによってタイヤが使えなくなったとき、応急的に使用する予備のタイヤとして「スペアタイヤ」が装備されています。
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スペアタイヤとして一般的に用意されるのは、標準装着と同じタイヤ・ホイールに加え、完全に応急用に割り切った「テンパータイヤ(Tタイプタイヤ)」と「スペースセイバータイヤ(折りたたみ式タイヤ)」が存在します。
「テンパー」とは「テンポラリー(temporary)」の略で、「一時的」や「暫定の」という意味です。応急用に特化したTタイプタイヤとスペースセイバータイヤの両方をテンパータイヤと呼ぶケースもあるようです。
Tタイプタイヤ(Tタイプ)はあくまでも緊急で使うことだけを想定しているため、タイヤもホイールも非常に簡素で、標準装着されたタイヤよりも幅が細く、径が小さくなっています。
クルマを走らせるのに少々不安を感じてしまうコンパクトさですが、ゴムを硬くし空気圧を高めることで車重を支えます。
普通のタイヤの空気圧がだいたい250kPa以下なのに対し、テンパータイヤは420kPa。スチール製の小さなホイールに空気がパンパンに入ったタイヤの組み合わせは風変わりで、「スペアタイヤは変なタイヤ」といわれるのも無理もないでしょう。
もうひとつの応急用であるスペースセイバータイヤ(スペースセイバー)は、収納時はタイヤに空気が入っておらず、サイドウォール部がたたまれています。
名前の通り、設置スペースを節約できるのが特徴で、使用するときはコンプレッサーなどで空気を入れる必要があります。
スペースセイバーのホイールは、Tタイプより大径で標準タイヤに近いものが多いです。そのため、Tタイプほど空気圧を高める必要がなく、指定の空気圧は標準タイヤとあまり変わらないのが一般的です。それでも幅がだいぶ細いため、ちょっと変なタイヤに見えてしまいます。
どちらの応急用タイヤも見た目が変わっているだけでなく、性能の面でも標準タイヤには及びません。状況にもよりますが、走行可能な距離は100km程度、速度は80km/h程度が限界とされ、グリップ力や制動力も標準タイヤより劣ります。
それにもかかわらず、こうした応急用タイヤを採用するのは一体なぜなのでしょうか。
それは、標準タイヤをスペアタイヤとして採用するより重量を軽くできるということがあげられます。ハンドリングや加減速などの運動性能や燃費性能は、重量の影響が大きく関わってくるため、なるべく軽量化したいという意図があります。
また、スペースの面においても、少しでも居住空間を広く確保するために、見えない部分をミリ単位で切り詰めています。これらのことを考慮すると、大きくて重い標準タイヤをスペアタイヤとして採用するのは、なかなか難しいことだといえるでしょう。
性能面や車重の問題で、応急用タイヤの性能では不安があるクルマには、スペアタイヤとして標準タイヤが装備されることが多いようです。
バックドアにスペアタイヤを配するのが一種のスタイルとして確立され、室内空間に影響を及ぼさないSUVがありますが、近年、背面タイヤ採用車は減少傾向にあります。
■スペアタイヤ搭載車が減少したのはなぜ?
近年はスペアタイヤを搭載しないクルマが増えてきています。その一番の理由は、乗用車においては、かつてあったスペアタイヤの搭載義務が現在はなくなったからです(トラックなどは必須)。
スペアタイヤがなくても車検に通るのであれば、スペースや重さの面でマイナスでしかないスペアタイヤを、わざわざクルマに積む理由がありません。
また、一度も使用されることなく廃棄されるスペアタイヤも多く、省資源の観点からも非搭載の流れは必然であったといえるでしょう。
スペアタイヤを搭載しない車種が増えたきっかけは、2009年に実施されたエコカー政策です。エコカー補助金の燃費基準を満たすため、各メーカーは徹底的に車両の軽量化に取り組み、スペアタイヤを省くという選択をしました。
その一方で、道路交通法には「故障その他の理由により運転することができなくなったときは、速やかに当該自動車を本線車道等以外の場所に移動するため必要な措置を講じなければならない」とあるため、移動できるようにするための手段は何かしら用意しなければなりません。
そこで新たに搭載されるようになったのが、「応急パンク修理キット」です。タイヤ補修剤とコンプレッサーのセットで、スペアタイヤより圧倒的に軽量かつコンパクトなうえ、タイヤ交換の手間もありません。
使用方法や手順はメーカーや車種によって異なりますが、刺さった釘などパンクの原因には触れずに、タイヤのバルブからタイヤ補修剤と空気を注入するだけと非常に簡単です。
ただし、タイヤの側面を傷つけてしまったり、損傷個所が大きい(4mm以上)場合は応急パンク修理キットでは対応できません。
また、特殊な液剤をタイヤ内部に注入することになるので、場合によってはタイヤやホイールが再利用できなくなってしまうことがあります。
あくまでも応急で走れるようにするだけなので、ディーラーや修理工場まで走れるということを目的としており、その後は新しいタイヤに履き替えることになります。
スペアタイヤや応急的なパンク修理が不要という意味では、「ランフラットタイヤ」の存在も忘れてはなりません。
ランフラットタイヤはサイド部が補強されているため、パンクなどで空気圧が失われても「速度80km/hで80kmの距離(ISO規格)」の走行が可能となっています。
いまではさまざまな車種にランフラットタイヤは採用されていますが、なかでも熱心なのがBMWです。BMWは2003年より標準化を始め、現在は「Mシリーズ」を除くほぼすべてのモデルでランフラットタイヤが装着されています。
ランフラットタイヤはパンクしても走れるというメリットがある一方、価格が高い、乗り心地が硬くなるといったデメリットがあり、なかには普通のタイヤに交換してしまうオーナーもいるそうです。
そうした状況について、BMWの元ディーラーマンは次のようにいいます。
「BMWがランフラットタイヤを導入してからずいぶん経ち、いまのモデルはランフラットを前提に足回りのセッティングがなされています。そのため、普通のラジアルタイヤに交換すると柔らかすぎて、バランスの悪い乗り味になってしまうことがあります。
もしラジアルタイヤへ交換する場合は、スペアタイヤやパンク修理キットなど、いざというときに対応できる装備を車載してください」
※ ※ ※ ※
有事の際に焦らないで済むよう、自分のクルマがランフラットタイヤを装着しているのか、それともスペアタイヤや応急パンク修理キットを搭載しているのかをあらかじめ確認しておく必要があります。
それと同時に、スペアタイヤの空気圧や劣化、応急パンク修理キットの使用期限なども忘れずにチェックしたいところです。
応急パンク修理キットの期限はだいたい4年が多く、スペアタイヤは10年程度でゴムが硬化して使い物にならなくなってしまうこと多いようです。
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