F1も開催されるサーキットもあるのになぜ筑波?
クルマやチューニングパーツの性能を評価する基準。パワーなどの数字やフィーリングと並び、説得力があるのはサーキット走行でのタイムだ。なかでも地域の差を超えて大きな指針とされているのが、茨城県にある筑波サーキット・コース2000におけるタイムで、カー雑誌では「筑波で何秒」という文字を頻繁に見かける。
「ハンコン」と「ゲーミングチェア」で筑波サーキットのタイムはどこまで縮まる?「グランツーリスモSPORT」で試してみた
ラップタイムを正確に計測できることは当然として、設備の整ったサーキットがテストに適しているのは事実。しかし、日本には富士スピードウェイや鈴鹿サーキットをはじめ、全日本選手権が開催されるような規模の大きいコースが多数ある。それにも関わらず全長わずか2km強で勾配も少ない、筑波サーキット・コース2000が選ばれるのだろうか?
今ではチューニングカーまでタイムを競うように
新車からチューニングカーまでカテゴリーを問わず、タイムアタックの聖地化した理由を考えてみたい。まずは出版社が新車をテストする際、自動車メーカーの『広報車』が貸し出される都内から、もっとも近い本格的なサーキットであること。東京から日帰りできる距離なら時間の節約になることはモチロン、スタッフの交通費や宿泊費といった経費も大幅に減らすことができる。
また筑波サーキットを運営するのはいわゆる営利団体じゃなく、一般財団法人である日本オートスポーツセンターだ。そのためコースを占有する料金も民営のサーキットより、比較的リーズナブルであることも使いやすい理由のひとつ。
コースの規模にしても今でこそ決して大きいとはいえず、全日本選手権クラスのイベントは開催されていない。しかし、以前はグループAやF3をはじめとするレースが盛んに行われ、それらとタイムを比較しやすかったことも挙げられる。
さらに近年では新車に加えチューニングカーにおいても、タイムアタックの聖地として日本ばかりか海外でも知名度が高い。とくに気温と湿度が低くタイムが出やすい冬は絶好のチャンスであり、有名チューニングパーツメーカーから凄腕のプライベーターまでが集結。わずか0.001秒のタイムを巡って、熱いバトルが繰り広げられている。
近隣での最高速テストも可能で性能評価の聖地として定着
もうひとつ、以前は近隣に日本自動車研究所の高速周回路が存在し、最高速や加速性能のテストと組み合わせやすかったことも、出版社が筑波サーキット・コース2000が重宝され続けた一因といって間違いないだろう。数え切れないほどのドライバーや企業が歴史を積み重ねてきたおかげで、筑波サーキット・コース2000のタイムは自動車の性能を示す指標として完全に定着。これからも「筑波で何秒」はクルマ好きにとって共通のワードであり、そしてアタッカーたちにとっては追い続ける目標であるに違いない。
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みんなのコメント
なのでクルマで走ると狭く感じる事もある。
現在の市販車だとタイヤだけ換えて1分切りが目標。
1990年代に500ps の32R が1分05秒ぐらいだったので、やはり時代と共に速くなってるよね
プロのレーシングドライバーが、ノーマルの市販車で筑波サーキットバトルをすることが画期的でした。そして、本音で車を評価する黒澤元治氏やドリフトで絶大な人気を誇った土屋圭一氏など豪華キャスター陣。
そして、キャスター陣に批評を聞いた自動車メーカーが、本気でノーマル車で筑波サーキット走行を楽しめる耐久性を追求し開発された90年代後半の国産スポーツカーは素晴らしかった。
2000年以降は、エコの時代となりハイブリッド車の時代へ。2000年以降は年々、騒音規制・排ガス規制・衝突安全規制強化とともに、規制をクリアできない1990年代のスポーツカーは、モデルチェンジが難しく消えていきました。