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ウルス・ペルフォルマンテ日本導入 ランボルギーニの近未来は? ヴィンケルマンCEOに聞く

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ウルス・ペルフォルマンテ日本導入 ランボルギーニの近未来は? ヴィンケルマンCEOに聞く

「ランボルギーニの世界」を実感

ランボルギーニが2022年11月11日、都内で「ウルス・ペルフォルマンテ」を日本国内で初公開した。

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車体を47kg軽量化し、最高出力を666HPに拡張して、最高速度は時速306km、加速性能は0-100kmが3.3秒を実現。また、ドライブモードではダート走行用として新たにRALLYモードを設定した。

実車公開にあたって、記者会見にはランボルギーニ本社のステファン・ヴィンケルマンCEOが参加してプレゼンテーションを行った。

また会見後、ヴィンケルマンCEOは個別メディア向けインタビューにも応じたため、筆者も参加してヴィンケルマンCEOと直接話した。

こうした数時間に、改めてランボルギーニが近未来に向けて目指すモデルラインナップや企業としての姿が明らかになったと思う。

では、順に紹介していこう。

ウラカン最終モデル 年内に登場

最初に、現状でのモデルラインナップから整理してみたい。

今回、ランボルギーニが示したブランドモデル・ラインナップ図表と、ヴィンケルマンCEOの説明によると、カタログモデルとしては、「ウルス」シリーズ、「ウラカン」シリーズのふたつのみ。「アヴェンタドール」は最終モデル「LP780-4ウルティマエ」の生産をすでに終了している。

また「デリバティブ(派生車)」としては、「アヴェンタドールSVJ」、「ウラカンSTO」、「ウラカン・テクニカ」が存在する。

さらなるデリバティブとして、今回の「ウルス・ペルフォルマンテ」が加わるほかに、「ウラカン」最終モデルが登場する予定だ。

また、カウンタック誕生50周年記念モデルとして限定112台の「カウンタックLPI800-4」が公開されたほかに、新たにワンオフ(1台)のモデルが登場する予定だ。

このようにランボルギーニのモデルラインナップは近年中に大きく変わる。

背景にあるのはグローバルで急速に進む電動化の影響だ。

電動化の大波 欧州・北米・アジアへ

欧州連合(EU)と欧州議会は、欧州委員会(EC)が推進する欧州グリーンディール政策の一環として、欧州域内で使用する自動車のCO2排出量について厳しい規定を設けている。

具体的には、2030年までに2021年比で55%削減、また2035年までに同100%削減を目指すとしている。これにより、欧州域内では乗用車と小型商用車の新車100%がEV(または燃料電池車)となる見込みだ。

また、アメリカではバイデン大統領が「2030年までに新車50%以上で(プラグインハイブリッド車を含み)電動化」を大統領令として発令しているほか、中国でもNEV(新エネルギー車)政策により電動化が加速しているところだ。

ランボルギーニの2022年の世界販売台数は8400台程度を見込むが、台数が多いのは国別ではアメリカ、中国、英国、日本、中東、イタリア、韓国、そしてカナダと続くため、早期の電動化が必須なのだ。

EV開発の進め方 2028年に4ドアEV

こうした中、ランボルギーニとしては中期事業計画「コル・タウリ」を公表している。

それによると、2023年にはランボルギーニの量産シリーズとして初めてハイブリッド技術を搭載するPHEVを市場導入する。2024年には全ての新型モデルをPHEVとする。

さらに、2028年にはランボルギーニとして初となるEVモデルを登場させるとしている。

このEVモデルについて、ヴィンケルマンCEOは「4ドア・スポーツカー」という表現を使った。モデルとしての立ち位置は、ウラカン後継の2ドア・スーパースポーツカーと、ウルス後継のスーパーSUVの中間を想定しているという。

会見後の個別取材で、筆者からはEVモデルではフォルクスワーゲン・グループ内での車体(プラットフォーム)やモーターなどの電動パーツの共用について、例えばポルシェ「タイカン」とアウディ「eトロンGT」のような関係性が、ランボルギーニEVでも適用するのかについて聞いた。

これに対して、ヴィンケルマンCEOは「ランボルギーニの企業規模ではグループ内でのEV関連パーツを共用するのは必然であり、そうした体制にあることは我々とって大きなアドバンテージだ」とした上で、「ソフトウェアの領域で、ランボルギーニらしさを創出していくことが(成功に向けた)カギとなる」という姿勢を示した。

ICEはなくならない? 注目の発言

別の視点で「ウルスが良き成功例だ」として、フォルクスワーゲン・グループ内での部品共用の優位性を指摘し、2028年に市場導入予定の4ドア・スーパーEVに対する期待を高めた。

また、ウルスが累計販売数2万2000台という成功を収めたことについてもヴィンケルマンCEOに改めて振り返ってもらった。

すると「他のスーパースポーツカーメーカーがこぞって、スーパーSUV市場に参入し市場規模が大きくなった」ことが、ウルスがこの規模の台数を実現できた背景だとした。

その上で「パフォーマンスはもとより、(エクステリアとインテリアの)デザインで他に類のない、ランボルギーニらしさを実現したことがウルス成功の大きな理由だ」という認識を示した。

それからもう1点、記者会見でのヴィンケルマンCEOの発言で筆者が気になったのは、合成燃料について触れた点だ。

つまり、V12やV8を使ったモデルが2035年以降も、国や地域によっては継続的に新車販売される可能性を探っていきたいということだ。

スーパースポーツカーメーカーにとっては、富裕層ユーザーからの幅広いニーズに応えるためには、電動化のみならずICE(内燃機関)による“伝統的なランボルギーニらしさ”を継承していきたいという強い想いがある。

今後もランボルギーニの次世代戦略の動向を注視していきたい。

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