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【ランエボ譲りの走り】三菱エクリプス・クロスPHEV 2020年型 アウトランダー譲りの安心感 既に気になる次期型

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【ランエボ譲りの走り】三菱エクリプス・クロスPHEV 2020年型 アウトランダー譲りの安心感 既に気になる次期型

2020年型エクリプス・クロスPHEV発表

text:Kenji Momota(桃田健史)

【画像】エクリプス・クロス、どう変わった?【新旧比較】 全208枚

三菱自動車工業(以下、三菱)は2020年12月4日、オンラインで新型「エクリプス・クロスPHEV」を発表した。

10月15日から予約販売を開始しており、これまでに月販販売予定数1000台の2倍となる約2000台(11月末時点)を受注している。

エクリプス・クロスは、三菱にとって東南アジア、中近東、欧州、そして日本など世界60か国以上で販売されている、まさに世界戦略車だ。

近年の三菱車として、デリカ「D:5」に代表される、押し出し感が強いフロントマスクが特長的なクロスオーバーSUVである。

エクリプス・クロスPHEVは、三菱にとって2モデル目のPHEVだ。2013年1月発売「アウトランダーPHEV」登場から、約8年経ての登場となるが、日本での発表としてはベストタイミングだといえる。

オンライン会見の前日、一部新聞やテレビニュースでは「日本政府が2030年前半までにガソリン車(新車)販売を禁止することで最終調整に入ったことがわかった」という報道があったからだ。

また、同じくクロスオーバーSUVのプラグインハイブリッド車(トヨタの場合、表記はPHV)の「RAV4 PHV」がオーダーストップという状況でもある。

トヨタのホームページでは、「新規搭載のバッテリーの生産能力を大幅に上回る注文があり、年道内の生産分は終了」として新規注文を一時停止している。

そもそもPHEVは理想的な電動車?

RAV4 PHVは、トヨタが予想していた以上ににユーザーの受けが良いプラグインハイブリッド車だ。

一方で、現在(2020年末)は日本市場でのプラグインハイブリッド車はBMW、メルセデス・ベンツ、ボルボなど価格が500万円以上の欧州高級車でのラインナップが多い。

500万円以下では日本車が主流となり、RAV4 PHVと「プリウスPHV」、さらに「アウトランダーPHEV」がある。また、500万円を超えるとホンダ「クラリティPHEV」がある。

こうした各メーカーモデルの価格と、政府による電動化シフトという社会情勢を踏まえると、エントリーモデルが400万円を切るエクリプス・クロスPHEVに勝算がありそうだ。

さて、このプラグインハイブリッド車という分野について、自動車関連の多くのエンジニアが「当面は、理想的な電動車」という表現をする。

航続距離が少ない領域ではEVとして使用し、また外部からの充電も含めてハイブリッド車として長い航続距離をこなすことも可能だからだ。

今回のオンライン発表会でも、三菱の加藤隆雄社長は「PHEVには電動車の構成要素がすべてつまっていて、EV(電気自動車)、ハイブリッド車のどちらにも応用可能だ」といと表現した。

さらに「製造から使用/廃棄/再利用までの環境影響評価の面からも、現在の環境問題のおける最適解だ」と言い切った。

アウトランダー/ランエボいいとこ取り

そうした、現実社会における理想的な電動車であるプラグインハイブリッド車だが、課題はコストだ。

モーター/インバーター/リチウムイオン電池など、電動パワートレインの主力部品がEVとの共有性が高いが、EV自体の普及台数が少ないため、コスト高になることが多い。

三菱の場合、アウトランダーPHEVをこれまで、世界各国で販売しており、PHEVの累計販売台数としてはトップモデル。

そうした量産効果によるコストダウンを、エクリプス・クロスPHEVが享受できる。

今回のオンライン発表の中で、製品開発本部セグメントチーフビークルエンジニアの粟野正弘は、エクリプス・クロスPHEV搭載の電動パワーユニットは、基本的にアウトランダーPHEVからの移植であると説明している。

その上で、「ゆったり優雅」な走り味のアウトランダーPHEVに比べて、「より楽しく走るチューニング」を施したという。

ランサー・エボリューションで基礎技術を磨いた、ツインモーターを活用した四輪制御システムS-AWCを熟成させた。

ターマック(舗装路)モードでは、競技車で培った制御ロジックを用いて、ハンドル切り込んでコーナー入る時、またコーナー出口でアクセル操作にリニア感があるライントレースを目指した開発を進めたともいう。

どうなるアウトランダーPHEV次期型

オンライン発表の後半、加藤CEOは「アウトランダーPHEVの後継モデル投入」についても触れた。

これは、2020年7月に公表した、2020~2022年度中期経営計画「スモール・バット・ビューティフル」の中で明らかにした、環境対応車の商品戦略フェイズ1を踏まえての発言だ。

2020年度内にエクリプス・クロスPHEV、また2021年度内には次期アウトランダーと中国市場向け新型EV、続く2022年度内に次期アウトランダーPHEVを市場導入する計画だ。

次期アウトランダーについては、日産の北米「ローグ」と日本での次期「エクストレイル」との兄弟車になるとの見方がメディアの中で主流だ。

そうなると、PHEVについて、日産の電動化技術と電動部品との共通性が気になるところだ。

さらに、そうした三菱/日産の技術が融合したPHEVパッケージが、2023年度以降の登場が予想される次期エクリプス・クロスに採用されることになるだろう。

今回のエクリプス・クロスPHEVで三菱は、コロナ禍での「ニューノーマル(新しい生活様式)」の中で外部給電を活用したリモートワーク、また停電時などで住宅への給電(V2H)など、「止まっている時の利便性」についても強調している。

日本全体でこれから、電動化シフトへと大きな舵が切られそうないま、エクリプス・クロスPHEVは「次の時代の三菱」を支える重要モデルになりそうだ。

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