V10を味わうなら最後のチャンス。ウラカン最終形誕生
ウラカン・テクニカは、21世紀になってからのランボルギーニを支えたV10ミッドシップカー、ウラカンの最後を飾るモデルだ。2024年以降にデビュー予定の次期型は、PHVシステムを備えたスーパーカーになる方針が決まっている。エンジンの気筒数は不明だが、V10NAでないことは確実。つまり、大排気量自然吸気エンジンのミッドシップカーを新車で楽しむなら、このウラカン・テクニカを狙うほかない。実はウラカンには2022年末にもう1台の隠し球(ハイライダー4WD)が用意されているが、これはごく少量生産になるらしい。
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テクニカは純サーキット志向のウラカンSTOからパワートレーンを拝借する。5.2リッターのV10エンジンの最高出力は、いまや640hpにまで引き上げられており、ランボルギーニ自慢のフィードフォワード制御を熟成させて組み合わせた成果で、4駆ではなく2駆でも安心して高いパフォーマンスを楽しめるようになった。20年前にウラカンの前身、ガヤルドが登場したとき「500hpを安全に楽しむために4WDを採用した」とエンジニアはいっていたのだから隔世の感がある。
ドライバーとの一体感は史上最高! サウンドも絶品
はたしてそのドライブフィールは、サンタアガータ製V10ミッドシップスポーツの最後を飾るにふさわしいものだった。
一般道ではベースグレードのEVO・RWDよりもやや硬質でソリッドな印象を受けた。とはいえ、スポーツカーに乗り慣れたドライバーには、好ましいと思うレベルだ。
テクニカは2駆ながら後輪操舵が備わっていて、峠道では面白いようにノーズを曲げることができる。高速道路での直進安定性は絶品。何よりも自分の意のままに動いているという実感が濃厚で、これだけのハイパフォーマンスカーであるにもかかわらず、フレンドリーな印象を覚えた。ドライバーとの一体感はウラカン史上最高レベルだ。
好印象はワインディングロードではもちろん、サーキットでも変わらない。STOよりも断然大人しいエアロルックスだが、ベースグレードより空力性能が引き上げられており、高度なシャシー制御と相まって、640hpの後輪駆動ミッドシップカーを思う存分楽しむことができた。スポルトモードでのドリフティングは痛快の極み。
切れ味鋭い電光石火の変速とV10エンジンのサウンドもまた、ドライバーを夢中にさせる。とくにエグゾーストノートの響き方が印象に残る。
テクニカは、最後のNAミッドシップということですでに多くのオーダーが集まっている。走るとその素晴らしさに感動を覚える。まさに完成形である。
ランボルギーニ・ウラカン・テクニカ 主要諸元
グレード=ウラカン・テクニカ
価格=7DCT 2999万2916円
全長×全幅×全高=4567×1933×1165mm
ホイールベース=2620mm
トレッド=フロント:1668/リア:1624mm
乾燥車重=1379kg
エンジン=5204cc・V10DOHC40V
最高出力=470kW(640hp)/8000rpm
最大トルク=565Nm(57.7kgm)/6500rpm
燃料タンク容量=80リッター
サスペンション=前後ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=フロント:245/30R20/リア:305/30R20
駆動方式=RWD
乗車定員=2名
0→100km/h加速_=3.2秒
0→200km/h加速_=9.1秒
最高速度=325km/h
※価格は消費税込み、性能スペックは欧州仕様
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