モントレー・カーウイークの最後を飾るイベント。それは日曜日の夜明けとともに始まる、伝統のコンクール・イベント、ペブルビーチ・コンクール・デレガンスだ。1950年から毎年開催されているこのイベントの会場となるのは、こちらも世界のゴルファーから憧れの存在として語られる、ペブルビーチ・ゴルフリンクスの18番ホール。ちなみにリンクスとは、海岸線に沿って、かつ自然の造形をそのまま残していることなど、さまざまな条件を満たしたコースのみに与えられる呼称だが、コンクール・デレガンスが行われる18番ホールは、比較的フラットなデザインだ。
このペブルビーチ・ゴルフリンクスが休日となるのは、コンクール・デレガンスの開催日、一日のみというから、それがいかに格式の高い、また重要なイベントであるのかは容易に想像できるところだろう。今年は28クラスにトータルで200台以上のエントリーがあったが、その中でもまず注目されたのは、フィーチャー・メイクスとされたカスタム・シトロエン、タッカー、そしてOSCAの各モデルだった。いずれもクラッシックカーのコンクール・デレガンスでも、フィーチャー=特集される機会が多くないメイクスだけに、それらが一堂に会した光景は感動的だった。
キャデラックやパッカード、ピアスアロー、リンカーン、そしてデューセンバーグといった、アメリカの高級車ブランドが、かつてそれぞれの技術とデザイン、そしてラグジュアリーを競って生産したモデルをじっくりとみることができるのも、地元アメリカで開催されるこのイベントの大きな魅力だ。個人的には毎年独立したクラスが用意される、デューセンバーグのエントリーには興味津々で、6台がエントリーされた今年も、かなりの時間をこのクラスの見学に費やしてしまった。
グランドツーリングとコンペティションに分かれるフェラーリも、やはりこのコンクール・デレガンスの華だ。今年最も注目されていたのは、フルレストアが完了し走行可能な状態にまでなった、1970年にピニンファリーナが制作したデザインコンセプトカーのモデューロ。フェラーリ512Sをベースとした直線的なボディは、現代でも十分に通用する機能美を持つ、実に美しいスタイルだった。
今年のペブルビーチ・コンクール・デレガンスで、ベスト・オブ・ショーに輝いたのは、1937年のアルファロメオ・8C 2900B・ツーリング・ベルリネッタ。カロッツェリア・ツーリングによるボディが組み合わされた2900Bは、わずかに5台が製作されたのみとされる。カロッツェリア・ツーリングといえば、ボディの超軽量構造、スーパー・レッジェーラ構造でも広くその名前を知られるイタリアン・カロッツェリア。エンジニアリングのみならず、彼らが美しさの追求においても特別な才能を持ち合わせていたことを、このモデルは証明している。
コンクール・デレガンスが終了し、ペブルビーチからクラッシックカーが去ってしまうと、モントレーは再びいつもの日常を取り戻す。はたして来年のモントレー・カーウイークにはどのような楽しみが、そしてトピックスが待っているのだろうか。早くも来年の夏休みが楽しみになってきた。
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