もくじ
どんなクルマ?
ー これまでなかったほどの楽しさ
ー AMG独自にボディ剛性を一層強化
ー 進化したFFベースの四輪駆動
どんな感じ?
ー 正確でダイレクトなステアリングフィール
ー 脚の硬さははゴルフR並み
「買い」か?
ー 300ps前後の四輪駆動モデルではベスト
スペック
ー メルセデス-AMG A35 4マティックのスペック
VWトゥアレグ2018年型 3.0 V6 TDIディーゼルに試乗 慎み深さが魅力
どんなクルマ?
これまでなかったほどの楽しさ
メルセデス-AMG社のエンジニア・リーダー、ステファン・ジャストロウに、新しいメルセデス-AMG A35を、従来以上に楽しいクルマに仕上げたのか、あるいはより日常性を高めたのか尋ねたところ、明瞭な返事がかえってきた。
「A35は、これまでなかったほどの楽しいクルマです」
これはとても大切な考えだと思う。これまでのメルセデス-AMGのホットハッチは、素晴らしい直線でのパフォーマンスと、コーナリンググリップを備えていたのにも関わらず、不思議なことに納得しにくいものだった。少々趣味の悪い、市街地でのアピール力も兼ね備えていたのだけれど。価格は4万ポンド(580万円)以上で、高価だったことも理由かもしれない。
しかし、それ以上に、どんなコンパクトカーにとっても最も大切な部分が欠けていたと思う。AUTOCARの読者なら同意できると思うが、備えることは容易ではなくても、非常に大切な要素。ドライビング・ファンということ。
それでもA45とその派生モデル、背の高いGLA45や、サルーンとシューティングブレークのCLA45は、どれも見事な成功を収めている。メルセデス-AMGによれば、A45のリリースによって、「45」と数字が振られるクルマの販売台数は倍増したという。その多くは、これまでAMGモデルを購入することが難しかった、若い世代が占めているそうだ。
AMG独自にボディ剛性を一層強化
将来的には、最新のAクラスをベースにした、400ps以上を誇る新しいA45もリリースされるだろう。しかし、現段階でわれわれの手元にあるのは、A35。英国価格は3万5580ポンド(515万円)で、かつてのA45よりは数千ポンド(数十万円)は安いが、その目的は明確。若い世代をひとりでも多く獲得し、2~3年でより上級モデルへと乗り換えてもらう、糸口を作るためだ。そういうわけで、最も手頃なAMGでもある。
たとえ一番末っ子だとしても、先代のA45が登場した5年前よりAMGの技術力は遥かに高く、このAクラスにも惜しみなく投入されているから、甘く見てはいけない。新型Aクラスのボディは先代よりも剛性が高められているが、AMGはさらに、エンジンルーム内にアルミ製の補強パネルを追加することで、ボディ前半の剛性を向上。加えて何本かの補強ブレースも装備されている。
ボディのねじり剛性を高めることで、ステアリング操作時の精度を高め、サスペンションもより効果的に、本来の機能を発揮することができている。不安定な場所で重たい荷物を持ち上げて、所定の場所におくことと、固い地面に立って同じことをすることと、想像すればその違いは明らかだ。
搭載される2.0ℓ4気筒ガソリンエンジン自体は、ほかのAクラスにも用いられているもの。しかし、ツイン・スクロールターボを搭載し、スロットルレスポンスを高めている。最大出力は306psで、最大トルクは3000rpmで40.7kg-mを発生させる。トランスミッションは7速のデュアルクラッチATとなり、通常は前輪のみに駆動力を伝えるが、必要に応じて最大で50%の力を後輪にも伝達することが可能となる。
進化したFFベースの四輪駆動
最新のフォード・フォーカスRSが搭載する後輪駆動ベースの四輪駆動とは異なり、前輪駆動ベースだから、ハンドリングの痛快さやスロットルでの姿勢変化の楽しみは、やや制限されるシステムではある。しかし、先代のA45に搭載されていた同様のシステムと比較して、最新のバージョンは大きく進化しているとAMG説明する。
リアタイヤの駆動力をコントロールするマルチディスク・クラッチをリアアスクルに一体化し、電動油圧式から電動機械式のアクチュエーターに変更することで、反応速度を短縮させている。このおかげで、後輪に駆動力が欲しい瞬間に、予見的にしっかりトラクションを掛けることが可能となった。従来の、フロントタイヤがスリップしてから駆動力をリアタイヤへ伝えるシステムでは、反応としては鈍かったといえる。
この4マティック・システムには、「ESP SPORT Handling(ESPスポーツ・ハンドリング)」や「ESP OFF」と呼ばれるスポーツモードも搭載し、リアタイヤの操縦性の自由度を高め、より機敏なハンドリングを可能にしてくれる。
高剛性化されたボディに合わせて、リアアスクルはリジットマウント化され、フロントのダブルウイッシュボーン・アームはラバーブッシュを介さず、ピロボール化。ただし、アダプティブダンパーはオプションとなる。ドライビング・モードには「Slippery(スリッパリー:滑りやすい)」モードも加わり5種類に。フロントブレーキは直径350mmの大径ディスクに4ポッド・キャリパーが採用された。アクティブ・スポーツエグゾーストは標準装備で、かなり騒がしい設定ながら、音質は非常に良い。A35の最高速度は249km/hで、0-100km/h加速は4.7秒とされている。
年末を飾るホットハッチを、地中海のマヨルカ島で味わわせてもらった。
どんな感じ?
正確でダイレクトなステアリングフィール
確かに、従来のA45ほどスペック的には速くはないが、A35のドライビングはより魅力的で楽しめるものに進化している。より軽快で反応も鋭くなり、ドライバーの操作や路面に対して、クルマが逆らうような感覚は薄くなっている。
現代のハッチバック基準では、ステアリングフィールは素晴らしいとはいえないが、正確性は高くダイレクト。走りに熱中している時のステアリング操作は、半ば無意識に、直感的に行われるものだから、新しいA35が獲得したモノは大きいといえる。
アダプティブダンパーを装備している場合なら、ドライビングモードに関わらず、コンフォート、スポーツ、スポーツ+からダンパーの設定を選択できる。つまり、目前の路面状況に合わせて、常に最適な衝撃の吸収性とボディコントロール性を選択できるということ。今回のテストルートは、スペイン・マヨルカ島の極めてスムーズな路面だったが、この場合はより硬めの設定がベター。A35のボディコントロール性は秀逸だった。
装着するタイヤはピレリPゼロで、乾燥路でもそれほど高いグリップ力を示す銘柄ではないものの、A35と組み合わさると、強力なグリップ力を発揮する。ワインディングで競争をしたら、A45より遅いということは間違いなくない。しかも、A35の甘美なバランスや鋭さは見事で、一方的にも感じられたA45のそれとは異なり、インタラクティブなドライビングが味わえる。
脚の硬さははゴルフR並み
滑りやすい路面状況なら、タイトコーナーで穏やかなテールスライドも楽しめるかもしれないが、それはA35が狙ったものではなく、ドライバーの意図によるもの。前輪駆動のクルマとして、トラクションを保ったまま走らせるほうが良いだろう。フロントタイヤの限界が近づくにつれて、リアタイヤへの駆動力の分配もシームレスに行われるが、そのことに気づくことはほとんどない。
乗り心地に関しては、マヨルカ島の高速道路へのランプで、アダプティブダンパーを備えていても、不意に落ち着かずゴツゴツした仕草を見せた区間があった。サスペンションは突然破綻する場面があるようだが、ある程度予見はできる。英国の道でも、似た状況に手を焼くかもしれないが、恐らくフォルクスワーゲン・ゴルフRでも似た挙動を示すだろう。
基本的にA35は運転がしやすく、長距離ドライブでも快適。インテリアもコンパクトカーだと考えると極めて上質に作られている。さらに1395ポンド(20万円)のAMGエグゼクティブ・パッケージを選択すれば、レザー内装にパーキングアシスト、ダッシュボードの中心に10.25インチのモニターを追加できる。
ステアリングホイールには1対のコントローラーが備わり、様々なドライビングモードに加えて、ダンパーのセッテイングを選択できる。運転中に視線をそらすことなく、常に最適なモードに切り替えることも可能となっている。
「買い」か?
300ps前後の四輪駆動モデルではベスト
メルセデス-AMG A35のスタイリングは、控えめに感じられるだろう。贅沢に飾り立てたホットハッチがお望みなら、AMGエアロダイナミクス・パッケージが良いかもしれない。2595ポンド(37万円)が必要になるが、黒く塗られたリアウィングとディフューザー、フロントスプリッター、カナードなどがボディを包んでくれる。
2019年の幕開けに相応しい、ホットハッチの傑作ということができるのか、と聞かれると、そうともいえない。A35は間違いなく運転が楽しいクルマに仕上がっているとは思うが、ルノー・メガーヌRS280やホンダ・シビック・タイプRとは性格が異なる。
だとしても、300ps前後のモデルで四輪駆動のホットハッチとして、少しぎこちないアウディS3や無敵のゴルフRと比較すると、A35はこのクラスではベストの完成度を得ていることは、間違いないと思う。
メルセデス-AMG A35 4マティックのスペック
■価格 3万5580ポンド(515万円)
■全長×全幅×全高 4419×1796×1440mm(標準Aクラス)
■最高速度 249km/h
■0-100km/h加速 4.7秒
■燃費 13.7km/ℓ
■CO2排出量 167g/km
■乾燥重量 1555kg
■パワートレイン 直列4気筒1991ccターボ
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 306ps/5800rpm
■最大トルク 40.7kg-m/3000-4000rpm
■ギアボックス 7速デュアルクラッチ・オートマティック
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