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SGT第7戦オートポリスでクラッシュした井口卓人が岡山に元気な姿をみせる。気になるクラッシュ状況は

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SGT第7戦オートポリスでクラッシュした井口卓人が岡山に元気な姿をみせる。気になるクラッシュ状況は

 10月20日、大分県のオートポリスで行われたスーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 3Hours RACE』の決勝レースで、GT300クラスの5番手につけていたSUBARU BRZ R&D SPORTが81周目にクラッシュを喫してしまったが、この時ドライブしていた井口卓人は、大きな怪我もなく10月26~27日に岡山県の岡山国際サーキットで開催されるENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE第6戦『スーパー耐久レースin岡山』に向け、サーキットに姿をみせた。このクラッシュの際の状況を井口に聞いた。

 GT500クラスを中心にアクシデントが相次いだスーパーGT第7戦。荒れた展開のなか、山内英輝と井口がドライブしていたSUBARU BRZ R&D SPORTは着実にポジションを上げ、レース終盤には5番手につけ前を走るStudie BMW M4を追っていた。

SGT第7戦オートポリスでクラッシュしたBRZの井口卓人に大きな怪我はなし。急がれる原因の特定

 ただ81周目、第2ヘアピンに差しかかっていた井口のSUBARU BRZ R&D SPORTが変調をきたした。「それまでまったくブレーキの違和感はなかったのですが、第2ヘアピンに入るときにブレーキペダルが奥まで入っていってしまいました。完全に効いていない感覚で、踏み直したのですがやはりダメでした」と岡山国際サーキットに元気な姿をみせた井口はアクシデントの状況を振り返った。

■「レース人生でいちばん怖かった」アクシデント
「正面に重機が見えたので『そこにだけはいきたくない』ととっさに右にステアリングを切っていました」という井口の対応にも関わらず、スピン状態に陥ったSUBARU BRZ R&D SPORTは、第2ヘアピンの車両処理のために置かれていた重機をかすめるかたちでガードレールにぶつかり停止してしまった。

「どう当たったのかの記憶はないのですが、ステアリングから手を離していたのが良かったです。持っていたら骨折していたかもしれません」と井口。この時の様子は、SUBARU OnTubeに残されているアーカイブでも観ることができる。

 このクラッシュの影響で、スーパーGT車両に備えられているGセンサーが動いたことから、井口はコクピットにそのまま座り、まずは手足が動くことを確認した。「一度肋骨を折ったことがあるのですが、その時よりも痛みはなかったので、大丈夫だと思っていました」という井口を、スーパーGTの安全のために設けられているFRO(ファースト・レスキュー・オペレーション)のスタッフ、さらにオートポリスのスタッフが迅速な対応で救出した。

「よくサーキットでは救出訓練をやっていますが、初めて自分が救出される立場になって、すごく手際良くやってくださったと思いましたし、自分の身体を考えて対応してもらっているのを感じました」

 メディカルセンターに搬送された井口は、その日は事故の影響を考え飛行機に乗ることはできなかったため、九州の実家に宿泊。翌日無事に帰宅することができた。10月25日にはスーパー耐久のために岡山入りしているが、その前に井口の体調を案じた古巣ROOKIE Racing代表のモリゾウの紹介で、愛知県で身体のケアを行ってから岡山に向かった。「少し張りはありますが、痛みはないです」とすでに25日午前のセッションから、エンジンの出力アップやミッション、シャシーなどのアップデートを受けたSUBARU HighPerformanceX Future Conceptをドライブしている。

 今回のアクシデントは井口のコメント、またR&D SPORTの小澤正弘総監督が語るとおり、現時点ではブレーキに起因するものとされている。「レース人生でいちばん怖かったです(井口)」というアクシデントだっただけに、再発防止が急務と言えるだろう。

■クラッシュしたコース脇の重機は早急な対応がとられる
 そして、今回のアクシデントでもうひとつ再発を絶対に防がなければいけないのが、SUBARU BRZ R&D SPORTがコースサイドの重機をかすめクラッシュしたということだ。2014年のF1日本グランプリでジュール・ビアンキが命を落としたアクシデントをはじめ、重機と接触する可能性はなくさなければならない。

 岡山には埼玉 GB GR Supra GT4のドライバーとして来場しているGTアソシエイションの服部尚貴レースディレクターに聞くと、この件についてはレース後、早急にGTAとオートポリス側で対応が協議されたという。

「ショートカット側なので、あそこに車両が来ることはない前提で置いてあったのですが、ブレーキトラブルでどうにかしようとコントロールすると、車両が“来て”しまうことが分かりました。オートポリスとしてもこのケースは初めてのことで、レースが終わってからオートポリスとも位置について話し合いました」と服部レースディレクター。

 接触した重機(キャタピラと呼称される)は、第2ヘアピンでグラベルにコースアウトした車両の回収を目的としているものだったが、コースアウト車両との接触の可能性があることが今回のアクシデントで判明してしまった。

「現実としてアクシデントがあったので、もちろんスーパーGTだけでなく、すべてのレースであの(キャタピラの)位置は変わることになります。今まで問題がないと思っていた場所だったのが、やはりダメだとなった。今後に向けて運営側にも問題点を出したアクシデントだったと思います」

 SUBARU BRZ R&D SPORTに大きなダメージがあったことは残念だが、井口に大きな怪我がなかったのが不幸中の幸いと言うべきか、GTA、そしてサーキット側の対応は迅速にとられることになったが、あとはSUBARU BRZ R&D SPORTのトラブルの原因が早急に対応され、もてぎで復活することを願うばかりだ。

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