ヤマハは、すでに今季限りでチームを離れることが決まっていたマーベリック・ビニャーレスとの関係を即時解消すると発表した。
ビニャーレスとヤマハの契約は2022年までとなっていたが、開幕戦カタールGPで優勝して以降は結果を残すことができないレースが続いた。これによりチームとの関係が悪化。その結果、1年前倒しで契約を解除することになった。
■ビニャーレス、イギリスGPもヤマハから出走許可得られない見込み。クラッチローが代役か
しかしチームとの関係は修復不可能なまでにさらに悪化してしまったようだ。ビニャーレスは様々なフラストレーションが溜まった結果、MotoGP第10戦スティリアGP終盤に故意にエンジンを壊そうとした。
これに対して、チームは第11戦オーストリアGPにビニャーレスを出走させないという、制裁に近い判断を下した。さらにmotorsport.comの調べによると、第12戦イギリスGPへのビニャーレス出走も認めない方向で動いていたようだ。
しかしヤマハは今回、両者の関係を即刻解消することになったと発表した。
ヤマハのマネージングディレクターであるリン・ジャービスは、次のように述べている。
「アッセンで、ヤマハとビニャーレスは2022年までのプログラムを短縮し、2021年末に終了するという相互の決定を発表した」
「チームは全面的なサポートを約束し、ライダーは最大限の努力をすることで、このプロジェクトを "格好良く"終えることができるはずだった」
「しかし残念ながらスティリアGPでは、レースがうまくいかず、良い結果を得ることができなかった。そのため、双方が深く検討した結果、パートナーシップを早期に終了することが双方にとってより良いことであるとの結論に達した」
「早期の離脱により、ライダーは将来に向けて自分の選択した方向性に自由に従うことができ、またチームは2021年シーズンの残りのレースに集中することができる」
「ヤマハはマーベリックに心から感謝の意を表したいと思う」
「ヤマハは今後も、彼との良い思い出を大切にする。8勝、24度の表彰台を記録し、2017年と2019年にランキング3位をもたらした、彼の4年半の仕事に感謝している。マーベリックの今後の活躍を心から願っている」
ビニャーレスの後任ライダーは未定とのことだが、ヤマハのテストライダーであるカル・クラッチローがヤマハのファクトリー仕様バイクに乗り、Moto2ライダーのジェイク・ディクソンがフランコ・モルビデリの負傷代役として、ペトロナス・ヤマハSRTからMotoGPデビューを果たすことになると見られている。
自身通算9勝のうち、8勝をヤマハで記録しているビニャーレスは、プレスリリースの中で「これからも常にヤマハに敬意をはらい、彼らの活躍を祈ってる」とコメントしている。
ライダーとチームが、シーズン途中に関係解消に至るのは、すでにKTM離脱が決まっていたヨハン・ザルコが、2019年サンマリノGP後に、チームから追放されて以来のことだ。
ビニャーレスは、アプリリアと1年契約(2023年のオプション付き)を結び、2022年にアプリリアに加入することが決まっている。ヤマハとの関係が解消されたことで、機会があれば2021年シーズン中にアプリリアからレースに出ることも可能となった。
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