現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【試乗】メルセデス AMG GLC 43クーペはハードな乗り味でスポーツ心を刺激するSUV

ここから本文です

【試乗】メルセデス AMG GLC 43クーペはハードな乗り味でスポーツ心を刺激するSUV

掲載 更新
【試乗】メルセデス AMG GLC 43クーペはハードな乗り味でスポーツ心を刺激するSUV

2015年、初めて市販車に「43」と呼ばれるエンジンが搭載されてからはや5年の熟成が重ねられた。数多くのモデルに設定されたその抜群のフレキシビリティには、時代を超えてなおドライバーを魅了する、官能性がある。(Motor Magazine 2020年5月号より)

AMGの主流となっている「43」エンジン
メルセデスAMGがチューニングを手掛けた6気筒ユニットで、現在最大勢力となっているのが「43」と呼ばれる3LのV6ツインターボエンジンである。セダンをはじめとするクラスの各ボディに搭載されるほか、GLCのようなSUVにも展開される。今回はこのエンジンを、クーペフォルムのSUVとして人気の高いGLCクーペで味わってみた。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

43のベースとなる3L V6ツインターボエンジンの型式名は「276」。最近のメルセデスはエンジンのダウンサイジングに熱心なこともあって、V6エンジンの活躍の場は徐々に少なくなってきているが、今でも標準モデルではE450 4マティックや、Sクラスクーペ450 4マティックなどで健在。ちなみにそのパワースペックは367ps/500Nmだ。

43はこの276に装着されるツインターボをさらに大型化するなどAMG流のチューンを施し、390ps/520Nmとなる。確かにパワフルだが、標準モデル450もそれなりのハイスペックなので、チューンの度合いはそれほど高くないというのが正直なところ。

GLCクーペは昨年10月にGLCとともにマイナーチェンジを受けており、この時43も現在の390psに引き上げられたのだが、それまでは367ps/520Nmという仕様だったのである。

迫力のサウンドをともない力強く加速
ただし走らせてみるとやはりAMG一族である。まずスタートボタンを押すと湧き上がる重低音がいかにもだ。53や63のようなエキゾースト系の可変制御は行っておらず、音質の切り替えはできないが、それだけに過剰な演出のない、迫力あるいいサウンドだ。 

最大トルクの520Nmは2500-5000rpmで発生するが、それより低回転域でも十分な力強さがあり、走り出しは極めて軽快。とても車重が1900kgもあるとは思えない。ただ、このV6ユニット、高回転域はあまり得意ではないと感じた。最高出力の発生回転数は6100rpmで、レブリミットも6500rpmに設定されるが、その手前で少々頭打ち感が出てくるのだ。

ATまかせで右足を踏んでいくと、5500rpmあたりで上のギアに繋ぐ。パドルでマニュアルシフトをしても伸びが軽快なのは6000rpmあたりまで。それより頑張って引っ張るよりも9速ATの利を生かして早めにシフトアップする方が速く走れる感じだ。

足まわりはエアボディコントロールサスペンションをベースに独自のチューニングを行ったAMGライドコントロール+エアサスペンション。コンフォート/スポーツ/スポーツ+とモードごとにハードな設定になっていくのだが、コンフォートモードでも結構硬めの乗り味と感じられた。

タイヤは前255/45、後285/45とかなり太めのサイズなので、減衰力を抑えたモードではややオーバータイヤ気味で突き上げが目立つ。むしろスポーツ以上に硬めにした方が、乗り心地はハードになるものの、スッキリとした味わいに感じた。

それにしてもGLCクーペはマイナーチェンジで抜群にカッコ良くなった。上辺の方が長かったグリルデザインは台形の安定感のあるものに変わり、中でもAMGモデルは縦の格子が力強いパナメリカーナグリルを採用。これが強烈な迫力を醸し出している。

インテリアに大きな変更はなかったが、液晶メーターを中心とするフルデジタルコクピットや、音声操作のMBUX、ジェスチャーコントロールなど、装備類は最新にアップデートされた。

ところで、3L V6ツインターボの43は登場してからすでに5年が経過しており、今後は53が搭載する直6+ISGにスイッチしていくものと予想される。実際メルセデスAMG GT 4ドアクーペでは、この機構で367ps/500Nmとしたユニットを「43」としてラインナップしている。AMGとて電動化の流れには逆らえないというわけだ。(文:石川芳雄)

■メルセデス AMG GLC 43 4マティック クーペ主要諸元
●全長×全幅×全高=4740×1930×1590mm
●ホイールベース=2875mm
●車両重量=1900kg
●エンジン= V6DOHCツインターボ
●総排気量=2996cc
●最高出力=390ps/6100rpm
●最大トルク=520Nm/2500-5000rpm
●駆動方式=4WD
●トランスミッション=9速AT
●車両価格(税込)=995万円

[ アルバム : メルセデス AMG GLC 43 4マティック クーペ はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
ラリージャパン2024が開幕。勝田貴元が新レイアウトのスタジアムステージで3番手発進/WRC日本
AUTOSPORT web
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
N-VANより安い200万円以下!? スズキ新型[エブリイ]は配達業を助ける!! 航続距離200kmのBEVに生まれ変わる
ベストカーWeb
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
実録・BYDの新型EV「シール」で1000キロ走破チャレンジ…RWDの走行距離はカタログ値の87.9%という好成績を達成しました!
Auto Messe Web
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
8年目の小さな「成功作」 アウディQ2へ試乗 ブランドらしい実力派 落ち着いた操縦性
AUTOCAR JAPAN
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
RSCフルタイム引退のウインターボトム、2025年は古巣に復帰しウォーターズの耐久ペアに就任
AUTOSPORT web
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
ハコスカ!? マッスルカー!?「ちがいます」 “55歳”ミツオカ渾身の1台「M55」ついに発売 「SUVではないものを」
乗りものニュース
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
スズキ、軽量アドベンチャー『Vストローム250SX』のカラーラインアップを変更。赤黄黒の3色展開に
AUTOSPORT web
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
元ハースのグロージャン、旧知の小松代表の仕事ぶりを支持「チームから最高の力を引き出した。誇りに思う」
AUTOSPORT web
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
本体35万円! ホンダの「“超”コンパクトスポーツカー」がスゴい! 全長3.4m×「600キロ切り」軽量ボディ! 画期的素材でめちゃ楽しそうな「現存1台」車とは
くるまのニュース
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
リアウィンドウがない! ジャガー、新型EVの予告画像を初公開 12月2日正式発表予定
AUTOCAR JAPAN
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
最近よく聞く「LFP」と「NMC」は全部同じ? EV用バッテリーの作り方、性能の違い
AUTOCAR JAPAN
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
アロンソのペナルティポイントはグリッド上で最多の8点。2025年序盤戦まで出場停止の回避が求められる
AUTOSPORT web
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
「俺のオプカン~仙台場所~」初開催!「オープンカントリー」を愛する男性ユーザーが集まって工場見学…川畑真人選手のトークショーで大盛りあがり
Auto Messe Web
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
「ラリーのコースなのでトンネル工事を休止します」 名古屋‐飯田の大動脈 旧道がレース仕様に!
乗りものニュース
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
紫ボディはオーロラがモチーフ、中国ユーザーが求めた特別なインフィニティ…広州モーターショー2024
レスポンス
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
『頭文字D』愛が爆発。パンダカラーで登場のグリアジン、ラリージャパンで公道最速伝説を狙う
AUTOSPORT web
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
トヨタ勝田貴元、WRCラリージャパンDAY2は不運な後退も総合3番手に0.1秒差まで肉薄「起こったことを考えれば悪くない順位」
motorsport.com 日本版
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
エコの時代に逆行!? 「やっぱ気持ちいいのは大排気量のトルクだよね」……800馬力超のエンジンが吠える「アメ車」マッスルカーの“クセになる世界”とは
VAGUE

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村