2017年11月9日、人気のドライビングシミュレーションゲーム『グランツーリスモ』の最新作、『グランツーリスモSPORT』(プレイステーション4用)に、見覚えのあるホンダのスポーツカーが登場した。
「ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモ」と名付けられた「それ」はミドシップの2シータークーペで、S2000の後継車として本誌で継続的に情報を提供しているクルマそのものだった。
「それがなぜ『グランツーリスモ』に?」
という疑問を抱くとともに、逆に「そういうことだったのか!」と謎が解ける思いもした。
以下、その疑問にいたる筋道と事情、そして今後の展望を語っていきたい。
文:ベストカー編集部
ベストカー2017年12月26日号「ホンダはS2000にどこまで本気なのか?」より
※メイン画像 Sony Interactive Entertainment Inc.
■デザイン流出! 「これぞ次期S2000!」と色めきたった
2015年8月、ホンダの新しいミドシップスポーツのデザインが海外メディアに流出。それがベストカー本誌スクープ班が追っていたS2000後継車のデザインなのは明白だった。なぜなら、それ以前に本誌がS2000後継車として誌面で紹介していた予想CGと酷似していたからだ。
ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモ Sony Interactive Entertainment Inc.
その4カ月前の2015年4月中旬、本誌スクープ班は口頭ではあるが、ホンダが当時開発中のNSXを小さくしたミドシップを計画中で、そのデザインについての情報を得ていた。そのタイミングで出たのが流出したデザイン画だった。
左上の白ボディが、2年前にデザイン画が流出する直前に本誌が作製した予想CG。下が今回新たに作製した、ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモがもし市販可に向けて開発を進めた場合のデザイン予想CG
4気筒ターボエンジンを横置きに搭載する2シーターミドシップというパッケージ、それに近年のホンダデザインの傾向や世界的なデザイントレンドなどを総合し、「これこそS2000後継車のデザインだ!」と我々が色めき立ったのもわかっていただけると思う。
しかも、ホンダは欧州でこのデザインの特許を申請していることも判明。当時の取材でホンダ関係者は「独特な形状や技術的要素があれば、デザイン画の特許を申請することもある」と証言しており、いよいよS2000後継車の開発が本格化したと報じた。
その第一報を本誌ベストカー2015年10月10日号で掲載。
そこから2年後になる今年の東京モーターショーや、あるいは来年春あたりの海外のモーターショーでプロトタイプが公開される開発スケジュールを予測したが、残念ながら今回の東京モーターショーには出てこなかったのはご存じのとおり。
そんななかで、渦中のクルマが『グランツーリスモ』に登場したのだ。それだけであれば、「流出したデザインモデルは実はゲーム用のものだった……」ということになるが、そう簡単に話は終わらない。
ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモのリアデザイン。ちなみに同ゲーム内では大変多くのクレジットを稼がないと手に入れられない、超レア車です Sony Interactive Entertainment Inc.
■ここから市販車を開発することは……
『グランツーリスモ』の公式サイトを見ていただければわかるが、ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモは、単に理想のかたちをCGで作ったものではない。
このクルマのデザインは米国ロサンゼルスのデザインスタジオのアイデアを採用しており、中身に関しては日本の和光研究所が徹底的に研究、開発、実用化できるパッケージに仕上げている。
実寸のクレイモデルも製作して風洞テストも実施しているというから、これはもうゲームの域を越えている。
エンジンは直4、1998ccの2L、DOHC VTECターボとしており、その最高出力は410ps/7500rpmで、8速DCTを搭載していると公表しているのだ。
驚くべきはボディにカーボンを多用した車重で、わずか899kgと公表。ボディサイズは発表していないが、ミドルサイズのスポーツカーでこの重量が驚異的なのはいうまでもない。もちろん、実車があるわけではないので「机上の空論」という見方もできるが、これは今ホンダが持っている軽量化技術を駆使すれば可能ということなのだ。
本誌ベストカーが期待するのは「ウソから出たマコト」ならぬ「バーチャルから出たリアル」。公表されている情報を見るかぎり、ホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモは、今はまだバーチャルな世界にいるが、リアルな開発も可能なプロジェクトとして進んでいることがわかる。
まずは『グランツーリスモ』で話題と注目を集め、同時進行で実車の開発を進めるという手法だが、それは今の時代、決して特殊なことではないだろう。
最終的には走り込みが重要だとしても、そこに至るまではコンピュータによるシミュレーションでかなりの開発が進められるし、『グランツーリスモ』で世界中のユーザーにドライブしてもらうことで、その反響を探ることもできる。考えれば考えるほど「バーチャルから出たリアル」は現実的なストーリーに思えるのだ。
■モーターショーのコンセプトカーと同じ
スクープ班としては『グランツーリスモ』にホンダスポーツ・ビジョングランツーリスモが登場したことで、本物のS2000後継車の実現可能性が高まったと判断している。
デザインが決まり、エンジン、サスペンション、トランスミッションも決まり、それを飲み込めるパッケージも仕上がっているとなれば開発はすでに後半にさしかかっているといってもいいだろう。
気になるのは法規対応と899kgという軽量化を実現するにはコストがかかりすぎることだが、それはモーターショーで見られるプロトタイプなどでも同じこと。実用化に向けて軌道修正していくのは当然のことなのだ。
S2000後継車は、東京モーターショーではなく、『グランツーリスモ』という世界的なステージでプロトタイプが披露されたと考えればいい。
リアルワールドでの衝撃デビューに向けて、プロジェクトは順調に進んでいるとも考えられる。本誌では継続してこの情報を追い続けます。
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