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レッドブル&HRC密着:“願ってもない状況”で弱点が隠れる。タフな週末の勝利を「誇り」と称えたフェルスタッペン

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レッドブル&HRC密着:“願ってもない状況”で弱点が隠れる。タフな週末の勝利を「誇り」と称えたフェルスタッペン

 F1第9戦カナダGP土曜日の予選で2番手となったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、直後に行われた記者会見で、日曜日のレースが雨になる可能性が高いことを告げられると、笑顔でこう答えた。

「僕はオランダの出身で、ウエットコンディションでのドライブをたくさん経験してきたから、問題はない。もちろん、最近のクルマは雨がひどいと視界が悪くなるから、フルウエットのコンディションではレースをやることはなくなったけどね。もし明日、雨が降ったり止んだりするようなことがあれば、本当に面白いレースになるかもしれない。それにこのサーキットはシケインが多く、新しい舗装路は滑りやすいし、ちょっとしたミスをすれば壁も近い。だから、明日はエキサイティングなレースになるだろう」

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 果たして、日曜日はフェルスタッペンが言うように、雨が降ったり止んだりして、路面コンディションが大きく変化するなかでのレースとなった。そして、このコンディションこそ、レッドブル陣営とフェルスタッペンにとって、願ってもない状況だった。

 レッドブルにとって、ウエットになった最初の恩恵は、濡れた縁石は滑りやすいため、ライバルたちがアグレッシブに縁石を使用する走りができなくなったことだ。レッドブルのRB20が縁石に弱いことはモナコGPの失速でも明らかで、レース中もそのことをフェルスタッペンは訴えていた。

 縁石があるコースで縁石をアグレッシブに通過できないと、タイムを大きくロスする。しかし、雨が降ったことでライバルたちが縁石をアグレッシブに通過する走りができず、結果的にRB20の弱点が小さくなった。

 もうひとつは雨が降ったり止んだりしたことで、コース上で速いドライバーが変わったことだ。ウエットコンディションでスタートしたレース序盤、トップをキープしていたのは、ポールポジションからスタートしたジョージ・ラッセル(メルセデス)だった。

 しかし、路面が徐々に乾いていくと、マクラーレン勢が台頭してきた。

 さらに路面コンディションが変わったことでミスを犯すドライバーが現れて、コース上に止まったマシンを排除するためにセーフティカーが導入されたことも、フェルスタッペンには有利に働いた。

 24周目にローガン・サージェント(ウイリアムズ)がクラッシュしてセーフティカーが導入されたとき、トップに立っていたランド・ノリス(マクラーレン)はステイアウト。その直後にホームストレートに向かおうとしていたフェルスタッペン以下がピットインし、フェルスタッペンがトップに立つ。

 フェルスタッペンとレッドブル陣営はインターミディエイトタイヤからドライタイヤへの交換のタイミングも適切に行い、ノリス、ラッセルに逆転を許さず、トップの座をキープすることに成功した。予選2番手から見事逆転優勝を果たした。フェルスタッペンはこうレースを振り返る。

「こういうレースは何が起きるかわからないので、とても楽しい。レーシングラインを少しでも外れると、コースアウトしてウォールに突っ込んでしまうので、本当に集中しなければならなかった。チームは適切なタイミングで適切な判断を下し、本当に落ち着いていた。このようなコンディションでは、僕たちはいつも良い結果を残してきた。タフな週末だったが、優勝できて本当に誇りに思う」

 この勝利でフェルスタッペンは、通算60勝目を達成。現役チャンピオンの感覚を研ぎ澄ました素晴らしい勝利だった。

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