レッドブルはF1アメリカGPで、車高調整デバイスに関する疑惑の目を向けられているが、ドライバーのマックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスはこのデバイスが不当にパフォーマンス向上に貢献したことはないと主張した。
F1アメリカGPを前に、フロントビブ(Tトレイとも呼ばれるフロア前端部)の高さを調整することにより、予選と決勝の間に路面とのクリアランスを調整する巧妙な方法を見つけたのではないかという懸念が浮上。FIAが監視の強化に乗り出したことが明らかとなった。
■疑惑の車高調整システム、レッドブルが存在を認める。ただ、レギュレーション違反はしていないと主張
木曜日、レッドブルは前戦シンガポールGPでFIAがこのデバイスの存在を指摘したことを受け、FIAとこの取り締まりについて話し合っていたことを認めた。
オープンソースパーツに関するレギュレーションの一環として、レッドブルがFIAのサーバーにそのデバイスの設計詳細を公開しなければならなかったことから判明した。
このデバイスにはコックピットからアクセス可能で、車高を調整するための設定範囲があったことが示唆されている。おそらくメカニックが特定の時間にこのデバイスを調整することで、車高を変えることができるのだろう。
そのタイミングが”いつ”なのかが問題だ。フリー走行中にセットアップを迅速に変更するためにこのデバイスを調整するのは問題ないが、パルクフェルメ下(通常フォーマットでは予選出走時から決勝までの間)でこの行為が行なわれた場合は違反となる。
レッドブルのあるチーム幹部は次のように語り、デバイスの存在を認めた。
「クルマが完全に組み立てられて走る準備が整えば、アクセスすることはできないが、それは存在する」
「FIAと何度もやり取りをする中で、この問題が浮上してきた。我々は今後の計画について(FIAと)合意している」
その後、レッドブルのドライバーたちはサーキット・オブ・ジ・アメリカズのパドックでメディアに応対。この騒動に対するチームの反応について尋ねると、ペレスはmotorsport.comに次のように答えた。
「何もしていないよ。実際に話したことはない。(違法な車高調整は)ありえないことだ」
「どちらかというと、例えば昨年、スプリントイベントでは車高を月に近づけた(車高を上げた)ことを覚えている」
「メルセデス(とフェラーリ)に起こったような(プランクの摩耗により失格になる)ことが僕たちにも起こるかもしれないと懸念していたからだ」
彼とフェルスタッペンは、物議を醸したデバイスの存在を知っていたのかと質問され「存在は知っていたけど、僕たちには使えなかったよ」と答えた。
フェルスタッペンは、このデバイスがFIAと議論されているという最初の記事を見たとき、実際には別のチームが関与していると信じていたという。
「これ(デバイスのデザイン)はオープンソースなんだよね?」
「誰もがそれを見ることができる。僕らにとっては、パーツを外しているときに使う簡単なツールだった。アジャストするためのモノであって、クルマ全体が出来上がってしまえば、触ることはできない。だから僕らにとっては変わらないんだ」
「記事を読んだとき、他のチームもやっているのかなと思ったんだけど、それが僕らのチームに関係していることがわかった」
ペレスは、チームがやっていることが許されるかどうかは最終的にはFIAが決めることだと述べた。
「合法か違法かの線引きをするのはFIAだと思う」
「彼らがこのスポーツをコントロールしているのだから、最終的には彼らが決めることなんだ」
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