トヨタのタイ国法人は2月に新型車となるヴェロスを発表した。ヴェロスは東南アジアなどの新興国向けの3列シートを持つマルチパーパスカーとしてダイハツ主導で開発された、ダイハツセニアとトヨタアバンサの上級車となるモデルである。
ここではタイ向けヴェロスと、この数年日本で自動車メディアを中心に日本導入を熱望されている、この種のモデルたちを紹介していく。
時代はスポーティミニバンだ! トヨタがタイで新型ヴェロズを発表!! 日本に導入してもこいつはイケるアジアミニバン3選
文/永田恵一
写真/ホンダ、三菱自動車、スズキ、トヨタ、ベストカーweb編集部
■タイ向けヴェロス紹介
ヴェロスの前にヴェロスの基盤となるセニア&アバンサを紹介しよう。この2台は昨年11月に登場した現行型で3代目モデルとなる、インドネシアで生産される新興国向けのマルチパーパスカーだ。
その成り立ちは日本のダイハツロッキー&トヨタライズのものをストレッチしたと思われるDNGAプラットホームを使い、最低地上高は205mmとSUVなみに高く、クロスオーバーのキャラクターも持つ。
写真はヴェロズ。ロッキー&ライズの面影を感じるデザインだ
ボディサイズは全長4395×全幅1730×全高1665mm、ホイールベース2750mmで、ボディサイズのわりに広い3列目シートとラゲッジスペースを持つ点も大きな特徴だ。
ヴェロスは簡単に言えば、セニア&アバンサの内外装を押し出しある大きなグリルなどでグレードアップしたモデルとなる。
インドネシアなどで販売されるセニア&アバンサのパワートレーンはトヨタ製となる4気筒の1.3Lと1.5LのNAエンジンそれぞれにCVTと5速MTが組み合わされるが、ヴェロスは車格が若干高いためもあるのかエンジンは1.5Lのみ、タイ国仕様はCVTのみだ。
予防安全装備も自動ブレーキこそ装備されないようだが、斜め後方を監視するブラインドスポットモニタリングや車線逸脱警報に使うカメラといった、自動ブレーキにつながる基盤は揃っているようだ。
ヴェロスのタイ国での価格は標準グレードのスマート/79万5000バーツ(約277万6000円)、上級グレードのプレミアム/87万5000バーツ(約305万5000円)、インドネシアでは最上グレードで3億2350万ルピア(約262万円)となる。
■ダイハツ&トヨタ以外の新興国向けのマルチパーパスカー3選
1:ホンダBR-V
2016年に初代モデルが登場したBR-Vは、日本にこの種のクルマの存在をアピールするきっかけとなった先駆車的存在である。
全幅が1.8m以下で日本国内でも扱いやすそうなBR-V
BR-Vは昨年9月に現行型2代目モデルに移行しており、エクステリアでは押し出しある大きなグリルが目立つ。ボディサイズも全長4490×全幅1780×全高1685mmと、この種のクルマとしては大きく、ボディサイズを生かして3列目シートが広いこともあり、この種のクルマとしてミニバン寄りのキャラクターを持つ。
パワートレーンは1.5L4気筒ガソリンNA+CVTで、予防安全装備も歩行者にも対応する自動ブレーキ、先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール、レーンキープシステムなどから構成されるホンダセンシングも設定。日本市場への適応度は高そうだ。
インドネシアでの価格は2億7890万ルピア(約224万7000円)から3億4290万ルピア(約276万2000円)と、この種のクルマとしては高めだ。
2:三菱エキスパンダー
2017年登場のエキスパンダーも日本導入が熱望されているこの種のクルマだ。
クロスオーバーとして実際使い勝手が良さそうな最低地上高を確保したエキスパンダー
ボディサイズは標準モデルで全長4595×全幅1750×全高1750mm、最低地上高220mmとクロスオーバーのキャラクターが濃く、最低地上高は同じながら樹脂製のフェンダーアーチなどの定番メニューでクロスオーバー化したエキスパンダークロスも設定される。
パワートレーンは1.5L4気筒ガソリンNAにCVTと5速MTが組み合わされる。
エキスパンダーは昨年10月までに累計約37万2000台が販売された人気車だけに、三菱自動車社内での扱いもいいようで、昨年11月にマイナーチェンジされている。
マイナーチェンジではエクステリアでは前後オーバーハングの延長、インテリアもダッシュボードの変更などを含めた内外装のグレードアップ、4速ATからCVTへの変更、一部グレードへの電子パーキングブレーキの採用、ボディやサスペンションの改良と、内容の濃い改良が行われた。
インドネシアでの価格は標準モデルが2億3790万ルピア(約191万7000円)から2億7890万(224万7000円)、エキスパンダークロスが2億9467万ルピア(約237万4000円)から3億2027万ルピア(約258万円)だ。
なお、エキスパンダーはインドネシアなどで日産向けのOEMがリヴィナの車名で販売されており、この点も重要な役割を持つモデルである。
3:スズキエルティガ
エルティガは2018年登場の現行型で2代目モデルとなる。ボディサイズは全長4395×全幅1735×全高1690mm、ホイールベース2740mm、最低地上高180mmと、セニア&アバンサ、ヴェロスに近いポジションでミニバン寄りのキャラクターを持つ。
アジア戦略に強みを持つスズキのエルティガ。現地での価格競争力も高いようだ
パワートレーンは1.5L4気筒ガソリンNAに4速ATと5速MTが組み合わされ、インテリアは木目パネルによりちょっとゴージャスな雰囲気を持つ点も特徴だ。
エルティガにはエアロパーツの装着などにより、スポーティなエクステリアとなるエルティガスポーツも設定され、標準モデルの価格は2億190万ルピア(約162万7000円)から2億3540万ルピア(約189万6000円)と、この種のクルマでは一番安い。
なお、エルティガは昨年10月から南アフリカ共和国ではトヨタブランドでルミオンの車名で販売されている。
■まとめ
フルモデルチェンジされたばかりのトヨタノアの価格は267万円からと、クルマの値上がりが続く中、今後はトヨタシエンタやホンダフリードを含めたコンパクトミニバンの役割はより重要となるだろう。
おそらくシエンタとフリードの次期モデルがあれば、国内のコンパクトミニバン市場は充分賄えるにせよ、マツダがラージSUVのCX-8をミニバンの代替としたように、紹介してきたクルマたちは日本市場にも欲しい存在だ。
それだけに、このなかのいずれかのモデルの日本導入を大いに期待したく、導入されればトップバッターとなったモデルは新しいマーケットを独占できるのではないだろうか。
個人的にこの種のクルマの日本導入をもっともチャレンジすべきなのは、自社にバッティングするモデルがなく、アライアンスを結ぶ日産も含めれば相当な販売が期待できそうな三菱エキスパンダーなのではないかと思う。
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みんなのコメント
日本でも需要在ると思いますが。
スバルのエクシーガも似たようなジャンルだったけど、鳴かず飛ばずだったし。