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【正義とはいいにくい】ヒュンダイi10 プレミアム 1.0MPI ガソリンNA 67ps

掲載 更新 7
【正義とはいいにくい】ヒュンダイi10 プレミアム 1.0MPI ガソリンNA 67ps

3代目へと進化したヒュンダイ製コンパクト

text:James Attwood(ジェームス・アトウッド)

【画像】i10とEV化の進む欧州ライバル 全83枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ヒュンダイi10は存亡が危ぶまれていた。ガソリンエンジンのシティカーは、低い利益率に高い環境規制、消費者の思考変化に伴い、大きな変化が求められている。

そんな逆境に逆らうように、新しいヒュンダイi10が登場した。新鮮な見た目と、活発な走りを得ている。誰が想像しただろうか。

3代目へと進化したヒュンダイi10だが、真新しいボディデザインが象徴するのように、抜本的に再設計されている。全体的なスタイリングは先代からの流れを感じさせるが、近年のヒュンダイのデザイン言語に則り、フロントグリルは大型化。

以前のi10から感じられた、実用的でも退屈なクルマ、というイメージから大分遠のいた。むしろドラマチックなデザインに思える。

ボディサイズにはさほど大きな変化はない。全長は2代目から5mm増えて3670mm。全幅は20mm広がり、ホイールベースは40mm伸びている。わずかな成長だが車内空間にゆとりを与え、運動性能の安定性を高めている。

搭載されるエンジンは、先代からキャリーオーバーとなる2種類のガソリンエンジン。67psの1.0L直列3気筒と、84psの1.2L直列4気筒ユニットだ。更にスポーティな仕様として、1.0Lターボを搭載するNラインが続く。

どちらのエンジンでも、トランスミッションは5速MTかATかを選択できる。フォルクスワーゲンUp!やセアト・ミーなど優勢なライバルモデルと異なり、ヒュンダイは純EV版の計画はないという。

車内空間は充分 安全装備は充実

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット式で、リアがトーションビーム式と、コンベンショナルな構成。ホイールはエントリーグレードの14インチから、トップグレードの16インチまでが用意される。

i10のインテリアも一歩前進。インテリアのデザインやレイアウトはしっかり練られており、シートは快適で空間にも不足はない。後部座席でも足元空間は充分にある。流石に大人3名がリアシートに座ろうとすると、お互いに身をかがめ合う必要はあるけれど。

荷室容量は252L。このクラスの中では、広い方だといって良い。

下位グレード以外は標準装備となる、8インチのタッチモニターを含めたダッシュボードのデザインは現代的な印象。全体的なまとまりも良好だといえる。リアビューカメラも、中級グレード以上で標準装備となる。

今回試乗したトップグレードのプレミアムの場合、ステアリングとフロントシートにはヒーターも内蔵。1000ポンド(14万円)のオプションとなるテック・パックを選ぶと、ワイヤレス・スマートフォン充電機能や、ナビのリアルタイム渋滞情報が追加となる。

i10で注目といえるのが、このクラスとしては珍しく、すべてのグレードでユーロNCAPに準じた安全装備を標準で搭載していること。2021年以降に欧州で発売される新車には、装着が義務付けられるから、先を見越してのことだろう。

これには、衝突被害軽減ブレーキや車線維持支援システムが含まれる。

シティカーに期待する軽快なハンドリング

活気を感じられるi10のボディデザインだが、そのイメージは走りにも反映している。ハンドリングは、初代i10にも備えていた活発な雰囲気を取り戻した印象。しかも、新世代としての熟成された落ち着きも獲得している。

ステアリングの操舵感は適度に重く、レスポンシブなハンドリングを楽しむことができる。これは、小さく軽快なシティカーに期待するドライバーも多いはず。

しかも落ち着きがなかったり、神経質ということもない。ゆったりとした運転席に座って走らせていると、不安感がとても少ないことがわかる。このクラスの中では珍しい。

今回は1.0Lと1.2Lの両方のエンジンを試乗できた。ヒュンダイは1.0Lユニットの方が英国では売れ筋になると考えているから、1.0Lの印象を先に触れよう。

最高出力はわずか67psということもあり、スポーティさを感じることは難しい。むしろ走行性能では、対局にあるような言葉だといっていいだろう。

確かに高速道路や流れの速いバイパスではパワー不足を感じることはある。だが、都市部を中心に走り回る限りは、67psでも問題は感じないはず。レスポンスは妥当だし、必要な時にちゃんと必要なぶんだけ力を発揮してくれる。

1.2Lの方が、パワーもトルクも余力を感じることができる。とはいっても、比べれば力がある程度で、ヒュンダイi10を小さなロケットマシンに変えてくれるわけではない。そちらは、ターボを積んだNラインに期待したいところだ。

新しいシティカーとして正義ではない

アップグレードされたヒュンダイi10の価格は、エントリーグレードの1.0SEが1万2495ポンド(178万円)から。1.2LエンジンにATが組み合わされた、トップグレードのプレミアムでは1万5495ポンド(221万円)になる。お手頃だといって良い。

だが、英国の場合はほとんどが月払いのローンを組むはず。予想される金額は180ポンド(2万5000円)から200ポンド(3万円)の間になるだろう。

3世代目となったヒュンダイi10は、従来的なガソリンエンジン搭載モデルを、シティカーの上位階層へ返り咲かせたといえる。競合する内燃エンジンモデルが少なくなる中で、珍しい存在ではある。だが、決して褒めているわけではない。

高まる環境意識とともにシティカーの存在が見直されている中で、ヒュンダイは古いモデルを改め、優れた新しいモデルを投入したに過ぎない。悪くないクルマではあるけれど、正直、正義とはいえないと思う。

ヒュンダイi10 プレミアム 1.0MPIのスペック

価格:1万4495ポンド(207万円)
全長:3670mm
全幅:1680mm
全高:1480mm
最高速度:156km/h
0-100km/h加速:14.6秒
燃費:20.0km/L
CO2排出量:101g/km
乾燥重量:921kg
パワートレイン:直列3気筒998cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:67ps/5500rpm
最大トルク:9.7kg-m/3650rpm
ギアボックス:5速マニュアル

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みんなのコメント

7件
  • 日本で誰も買わないヒュンダイの記事を何故日本のネットニュースで記事にするの?必要無いだろ
  • N-BOXのNAの方が
    数倍マシですやん
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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