カスタム完成度をさらに追求するGT-Mの代表車
製作されるごとにその時点時点での最新仕様が反映されていくGT-Mだが、その1号機にしてデモ車の、カワサキZ1-R(今回紹介する仕様では“GT-M1230R”)も同様だ。ブルドック・和久井さん自身が車両オーナーであり、GT-Mのこれからを反映する車両でもある。
ベースは見ての通りZ1-Rだが、今回はここに注目してみたい。丸タンクのZ1~Z1000も、角タンクのZ1000Mk.IIやZ750FXも、もちろん後期Z1000J/R系もと、Zシリーズを全網羅する中でのZ1-Rという選択。そこにも理由があった。和久井さんは言う。
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「私がZ1-Rが好きだから(笑)なんです。Zはどれも好きなんですけど、Z1-Rは、カスタムした時の難易度が高く、同時に、それをクリアした時の達成感が高いんです。
Z1-Rをカスタムするとしましょう。そこでさらっと手を入れても、ノーマルに見えてしまう。Z1-R自体に元々メーカー製カスタムという背景もあって、そのまとまり感を超えるのは案外難しいんです。それがZやMk.IIだと、ショート管にキャブレター、オイルクーラー。あとホイールも換えてあれば、相当なカスタムに見えます。
Z1-Rの場合はそれだけでは無理で、個別に何か換えるだけでなく、しっかり車両全体のまとまりまで考えて手を入れないと、カスタムらしさが出ないし、美しくないんです。乗り味にしてもそうで、しっかりと手を入れてやらないと、よくは走らない。そこをクリアしていく点にやりがいを感じるんです。それで、カスタム化で外装のポイントになるシングルシートも、格好良く見えるものをZ1-R用に作ったのが最初で、そこからZ各車用を作っていきました」
Z1-Rをカスタムとして美しく成立させる。GT-Mで意識される「このままメーカーの車両として売っていてもいいほど」という完成度=凄いカスタムとしての作り込みの中にある乗りやすさや使い勝手、自然なたたずまいは、ここからもにじみ出ていた。
今だからこそ生み出される、そして今だからこそ作れるZコンプリートのGT-M。これを支えるパーツ群も、新しいものが控えている。つまり、Zをこれから楽しむ時の問題は、さらに減らせるというわけだ。
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Detailed Description 詳細説明
低く、美しく身構えるスタイルのベースになるビキニカウル/スクリーンやシングルシート(シート本体はマッコイ・スプリームで、このサイズでもコンフォート感をキープし上質さも作り出す)、アルミタンクはマッコイ。ミラーはマジカルレーシングのカーボン製を装着。
メーターは3D造形されたオリジナルカーボンパネルに指針式エンジン回転計+多機能デジタルメーターと燃料計の組み合わせでSTACKメーターを配置。フロントマスターシリンダーおよび油圧駆動化したクラッチのマスターはともにゲイルスピード・エラボレート。ステムは17インチに必要なトレール量を確保するマッコイ。ステアリングヘッド部にコンパクトなハイパープロ・ステダンもマウントする。
キャブレターはTMR-MJNφ40mmのヨシムラ・デュアルスタックファンネル仕様。シリンダーヘッドへのオイルバイパスライン等もこの写真で分かるだろう。
エンジンはピスタルレーシング鍛造ピストン+超々ターカロイスリーブによる1230cc仕様(この時点で154ps/8000rpmのスペック。現在はφ78mmボアによる1260cc仕様になっている)で、シリンダーヘッドはZ1000J系を使った上でツインプラグ化。マッコイ6速クロスミッションを組み込み発電/点火系もオリジナル化し、これで乾燥184kgと大幅に軽量化された車体を軽快に引っ張る。外観もスマートに仕上がる。
ステップキットもZ系に最適化したデザインのマッコイ。アウトボード&オフセットスプロケットによりチェーンラインも適正化。
フルチタンのエキゾーストはZに最適化したWin Mccoy Neo。前後ホイールはこの時点ではBSTカーボンの3.50-17/6.00-17サイズ、フロントフォーク&リヤショックはマッコイ・ナイトロンでスイングアームはオリジナル5角目の字断面のMccoy等、フルメニューで組み上げられる。
取材協力:ブルドック
レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部
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みんなのコメント
挿し色はもう少し考えようよ。
Z1-Rのシルエットの良いとこ全部潰しちゃってんじゃん。