現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 100万円台の「軽EV」出る? 政府は補助金強化も検討! 課題多いEV普及の必要性とは

ここから本文です

100万円台の「軽EV」出る? 政府は補助金強化も検討! 課題多いEV普及の必要性とは

掲載 更新 27
100万円台の「軽EV」出る? 政府は補助金強化も検討! 課題多いEV普及の必要性とは

■中国では100万円以下の小型EVが大ヒット、しかし日本では?

 各社でラインナップの拡充が進む電気自動車(EV)ですが、本格的に普及するためには低価格のEVの登場が必要不可欠です。
 
 そこで期待されるのが、軽規格のEVですが、果たしてガソリンエンジンの軽自動車と同等の100万円台の価格とすることは可能なのでしょうか。

【画像】トヨタが165万円の軽規格EVを発売! 新型「シーポッド」を全部見る(35枚)

 世界的に環境意識が高まりつつある昨今、カーボン・ニュートラルへの取り組みやエネルギー政策は国民に関心事項となっています。

 そのひとつの取り組みとして、「脱ガソリンエンジン化」、いい換えれば「電動化」を世界中の自動車メーカーが進めた結果、この10年で電気自動車(EV)の普及が進み、国産ブランドや輸入ブランド、あるいはセダンやSUVなど、その選択肢も増えてきました。

 しかし、テスラ「モデルS」やポルシェ「タイカン」は車両本体価格が1000万円を超え、比較的安価な日産「リーフ」やホンダ「ホンダe」などでもグレードにはよるものの、300万円から500万円前後の価格となっています。

 EVには、環境省や経済産業省などによる補助金が用意されており、それらを活用することで、実際の乗り出し価格はさらに低くなりますが、それでも軽自動車やコンパクトカーと同等の価格帯にはいたっていないというのが実情です。

 正確にいえば、トヨタ「シーポッド」といった軽自動車規格で乗り出し価格200万円以内におさまるEVも存在してはいます。

 ただし、用途が限定されており、現在多くのユーザーの移動を支えている、ガソリンエンジンを搭載した軽自動車と代替できるものではありません。

 やはり、本格的にEVが普及するためには、低価格のEV、具体的にいえば、乗り出し価格が100万円台であり、なおかつ一般的な軽自動車と同等の航続距離や装備を持っているクルマの登場が必要不可欠です。

 そんななか、2021年8月には、日産と三菱から「2020年度初頭に軽規格のEVを発売する」という発表がありました。

 現時点ではこの新型軽EVに関する情報は限られていますが、およそ150km程度の航続距離をもち、補助金を考慮すれば200万円程度の乗り出し価格になると見られ、一般的な軽自動車ユーザーのニーズを満たせるものになると期待されています。

 この新型軽EVの登場によって、日本のEV普及率はさらに上昇すると予測されますが、一方で「EV先進国」といわれる中国では、100万円台の小型EVが続々と登場しています。

 なかでも通用五菱の「宏光ミニ」は日本円で50万円から60万円程度の小型EVであり、月間3万台を超えるという圧倒的なペースでシェアを伸ばしています。

 この宏光ミニは、まさに日本の軽自動車と同等のサイズ感であり、最高時速は105km/h、航続距離は100km程度とされています。

 ベースグレードにはエアコンが装備されていないなど、さすがにそのままでは日本市場でヒット車となる見込みは薄いですが、仮に必要十分な装備を持たせたとしても、100万円台には十分収まると考えられます。

■補助金を使えば、100万円台も可能?

 安価なEVが続々と登場するためには、なんといってもバッテリーの調達がカギとなります。

 しかし、一方で、補助金や税制優遇を強化することで、実質的に100万円台でEVを購入することは可能になるかもしれません。

 2021年9月12日には、環境省が「軽EV普及に向けて、実質200万円以下の価格になるように補助金を強化する」ことを検討しているという報道がなされるなど、普及に向けた取り組みが進んでいるようです。

 補助金頼みのEV推進が、ほんとうの意味での普及に貢献するかは議論が必要ですが、多くのユーザーにとって、EV購入の強力な後押しになることは間違いないでしょう。

 ただ、現実的にはガソリンエンジン車が大多数を占めるなかで、既存の自動車産業を国の経済の基幹としてきた日本が急速にEV普及に向けて舵を切ることに、懸念を覚える人もいます。

 日本自動車工業会の豊田章男会長は、拙速なEV推進は雇用面などに大きな影響を与えるという内容のコメントをしています。

 また、EV普及の大目的ともいえる、環境対策という面でも議論の余地はあります。

 たしかに、ガソリンを一切使わないEVは、排気ガスを出さないという点ではエコロジーなように思います。

 現状、EVを動かすための電力は、石油を燃焼させてタービンを回す火力発電に依存しているという指摘もあります。

 さらに、バッテリーの製造や処分にも多大な環境コストが発生しているとして、日々議論が進められています。

 また、充電インフラにおいて、充電施設の確保や維持コスト、充電時間など購入後の課題も多く残っています。

※ ※ ※

 EVの推進は、各国にとって政治上の大きなテーマとなっているなど、すでに一般のユーザーからは縁遠い話となりつつある昨今ですが、少なくとも当面はEVをはじめとする電動化の波が止まることはないでしょう。

 そのなかでユーザーに求められることは、単に価格面が高いか安いかだけで決定せず、EVやガソリンエンジン車、あるいはハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、さらには燃料電池車といったさまざまなパワートレインを持つクルマに対して、しっかりメリットとデメリットを判断し、自身のニーズに沿ったものを選ぶことなのかもしれません。

こんな記事も読まれています

全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
全長4mに「FR」採用! トヨタの「“6速MT”スポーツカー」が凄い! “4人乗り”で実用的な「小型クーペ」にクルマ好きから反響殺到! 市販化待望の「S-FR」とは
くるまのニュース
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
いよいよ始動 首都高の「老朽海底トンネル」造り替え 使われていない“裏ルート”が本線に生まれかわる!? 都市計画素案が公表
乗りものニュース
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
新規参戦キャデラックF1、ドライバーに米国人コルトン・ハータを起用? 有力候補と取締役のマリオ・アンドレッティ認める
motorsport.com 日本版
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
“SUV”なんて言葉は似合わない! どんな悪路も走破可能 なのに室内には高級感が漂う「ラグジュアリーなクロカン車」3選
VAGUE
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
成長する私の軌跡! 2度目の参加で見えてきたライディングスクールの必要性と重要性
バイクのニュース
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
V12エンジン復活!! 最高速345km/hの大排気量5.2L! 年間生産台数たったの1000台のみ[ヴァンキッシュ]登場
ベストカーWeb
刺激的な純内燃エンジンの4L V8ツインターボはいまや希少!「メルセデスAMG GT」【野口 優のスーパースポーツ一刀両断!】
刺激的な純内燃エンジンの4L V8ツインターボはいまや希少!「メルセデスAMG GT」【野口 優のスーパースポーツ一刀両断!】
LE VOLANT CARSMEET WEB
【ROYAL ENFIELD】の新型「BEAR 650」を案内!“ヤンチャな走り”対応の60年代風スクランブラーなのだ  
【ROYAL ENFIELD】の新型「BEAR 650」を案内!“ヤンチャな走り”対応の60年代風スクランブラーなのだ  
モーサイ
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
「車線減少の手前で抜かされそうになり、負けじと加速したら鳴らされました。私が悪いんですか?」投稿に回答殺到!?「どっちもどっち」「いちいち喧嘩売るなよ」の声も…実際法律では誰が悪いのか
くるまのニュース
スズキ、移動販売の支援アプリ「シュッパ」の提供開始 出店計画やレジ操作などを容易に
スズキ、移動販売の支援アプリ「シュッパ」の提供開始 出店計画やレジ操作などを容易に
日刊自動車新聞
角田裕毅、コンストラクターズランキング6位奪取に向け超重要なカタールへ「今回もまた、力強いレースができるはず」
角田裕毅、コンストラクターズランキング6位奪取に向け超重要なカタールへ「今回もまた、力強いレースができるはず」
motorsport.com 日本版
BYDが創立30周年記念式典を開催、1000万台目の新エネルギー車のラインオフを発表
BYDが創立30周年記念式典を開催、1000万台目の新エネルギー車のラインオフを発表
Webモーターマガジン
マジカルレーシングから BMW R1300GS(24)用ストリートボディワークが発売!
マジカルレーシングから BMW R1300GS(24)用ストリートボディワークが発売!
バイクブロス
“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
“夜行寝台バス”は本当に成功するのか? 国交省「座席フルフラット化」が直面する3つの深刻課題とは
Merkmal
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
【感動の動画】泥だらけのヴィンテージメルセデス、大洪水をほぼ無傷で生き延びた「メルセデスW123」の感動のストーリー
AutoBild Japan
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
最上のおもてなしに、さらなるラグジュアリーをもたらす! ザ・ペニンシュラ香港に「ベントレー・ベンテイガEWB アズール」が登場
LE VOLANT CARSMEET WEB
トヨタ新型「クラウン“ワゴン”」いつ登場? 初公開から2年経過もなぜ未発売? 「なかなか発売されないクルマ」が増えたワケとは
トヨタ新型「クラウン“ワゴン”」いつ登場? 初公開から2年経過もなぜ未発売? 「なかなか発売されないクルマ」が増えたワケとは
くるまのニュース
KTM『890 アドベンチャー R』2025年モデル発表、新デザイン&新サスペンションで走破性向上
KTM『890 アドベンチャー R』2025年モデル発表、新デザイン&新サスペンションで走破性向上
レスポンス

みんなのコメント

27件
  • 限りなく200万円に近く乗り出し200万円オーバーなヤツでしょ。
  • 100万代➡1998000円
    200万代➡2998000円
    300万代➡3998000円
    400万代➡4998000円
    900万代➡9980000円
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.0171.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.8143.0万円

中古車を検索
シーポッドの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.0171.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

99.8143.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村