6月2日、2024年MotoGP第7戦イタリアGPの決勝がムジェロ・サーキットで行われた。母国GPとなったドゥカティ・レノボ・チームは、フランセスコ・バニャイアが優勝、エネア・バスティアニーニが2位とワン・ツーフィニッシュを飾った。
前戦カタルーニャGPでの決勝で優勝を飾ったバニャイアは、連戦の第7戦イタリアGPも初日から好走を披露。タイムが拮抗した予選では、ポールポジションこそ逃すも2番手を獲得した。そして、スプリントでは2番グリッドから終始トップを維持し、2023年の第10戦オーストリアGP以来となる勝利を挙げた。
連続表彰台ストップのM.マルケス、デスモセディチGP23と2024年型の違いは/第7戦イタリアGP
ところが、決勝においては、プラクティスでアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)の走行を妨害したとし、決勝では3グリッド降格ペナルティが科されることに。よって、5番グリッドから臨むことになったが、見事なスタートを決めてオープニングラップで早々に首位へ浮上する。
1分46秒台前半から半ばの安定したペースでトップを維持していたが、終盤で後方のホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)に詰め寄られる形となった。しかし、最終盤に余力を残していたのか、再びペースアップでマルティンを振り切ると、そしてトップチェッカーを受けた。
バスティアニーニは予選5番手を獲得したが、スプリントでは序盤にマルティンと接触があり、転倒リタイアとなった。前日の雪辱を果たすべく挑んだ決勝レースは、好スタートを決めて3番手に浮上すると、終盤までバニャイア同様に安定したペースで順位を維持。しかし、終盤に来て後方からマルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)がすぐ背後にまで迫っていた。
残り6周でマルケスに一時先行を許してしまったが、離されることなく食らいつく。そして残り3周になると、9コーナーでマルケスに仕掛けて3位を取り戻すと、1分46秒前半までペースを上げて一気にマルティンをも射程圏内に捉える。そして、ファイナルラップの最終コーナーでマルティンを仕留めると、そのまま2位でチェッカー。バスティアニーニとって、今季3度目の表彰台獲得となった。
バニャイア、バスティアニーニともに最後まで余力を残し、他を圧倒するような見事な戦略とタイヤマネジメント力を発揮。青色のスペシャルカラーで臨んだ母国でのレースは、ドゥカティ・レノボ・チームにとって嬉しいワン・ツーフィニッシュとなった。
■フランセスコ・バニャイア(決勝:優勝)
「信じられないようなレースだったよ。5番グリッドからのスタートだったから簡単ではなかったが、マーベリック(・ビニャーレス)が少しはらんでいたこともあって、アウト側のラインを狙う作戦が完璧に機能したんだ。スタート直後からペースをコントロールしていたけれど、マシンのフロントの動きが激しかった。リヤエンドをコントロールするのが難しく、数周しか効果を発揮できなかった」
「けれど最終的には、僕が大好きな観衆が集まった素晴らしい雰囲気のなかで、勝利を収めることができたし、良い週末にできた。表彰台の下で大勢の観客がいるのを目の当たりにしたときは、本当に興奮したよ。エネア(・バスティアニーニ)の素晴らしいレースにも満足している。ムジェロのみんな、ありがとう」
■エネア・バスティアニーニ(決勝:2位)
「ホームに集まった観衆の前で、このような形でのフィニッシュと表彰台は信じられないほど素晴らしかった。直近のレースでは、何かがうまく機能していなかったのだけれど、その問題を修正して今日は本当に限界まで挑戦したんだ。とてもうれしいよ」
「レース中盤はペースを少し崩してしまったけれど、マルク(・マルケス)に抜かれたあと、プッシュする時期が来たことに気づいたんだ。最終ラップにはホルヘ(・マルティン)がどんどん近づいてくるのが見えて、そこで2位を獲得できると確信したよ。最終コーナーで2位に上がれてゴールできたから、とても満足している。この勝利を先週亡くなった愛犬に捧げたいと思っている」
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