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7シーターの中型SUV フォルクスワーゲン・ティグアン・オールスペースへ試乗 満ちるVWらしさ

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7シーターの中型SUV フォルクスワーゲン・ティグアン・オールスペースへ試乗 満ちるVWらしさ

ホイールベースが110mm長い7シーター

フォルクスワーゲンのミドルサイズSUV、ティグアンに、7シーター仕様のオールスペースが存在する。あいにく日本へは未導入ながら、モデル中期のフェイスリフトを受けている。英国の公道で、その仕上がりを確かめてみよう。

【画像】VWティグアン・オールスペース あると便利な+2 7シーターも選べる他銘柄SUVと比較 全136枚

通常のティグアンとティグアン・オールスペースとの違いは、110mm長いホイールベース。今回のフェイスリフトでは、エンジンのラインナップが見直された。

3段階のガソリンターボのほかに、2段階の2.0L 4気筒ディーゼルターボが残されている。このクラスでは、ディーゼルエンジンの人気は下降気味だが、その能力を考えると捨てがたいのだろう。

また5シーター版とは異なり、7シーター版ではプラグイン・ハイブリッドを選択できない。燃費重視のユーザーには、ディーゼルが魅力的に映るかもしれない。

英国仕様では、トリムグレードが3種類へ簡素化された。ライフ、エレガンス、Rラインから選択でき、1番手頃なティグアンがライフとなるが、残る2つは価格が近似する。

トランスミッションは、7速デュアルクラッチ・オートマティックが事実上の標準装備。一部のグレードでは、6速MTも選択はできる。1.5Lガソリンターボを除くすべてに、四輪駆動の4モーションが組まれる点も特徴だ。

運転支援システムは最新 使い勝手の良い車内

フェイスリフトで得たアップデートは、最新版の運転支援システムと、インフォテインメント・システムが主軸。渋滞時の運転アシスト機能や、ブラインドスポット・モニターなどがその目玉といえる。

アダプティブ・マトリックスLEDヘッドライトには、高速道路と都市部、悪天候にそれぞれ最適化された照射モードが追加された。ラジエターグリル部分にはライトバーが追加され、クールな顔立ちが強調されてもいる。

ただし、エントリーグレードのライフの場合、これらはオプション。ディーゼルエンジンを載せた試乗車にも、備わっていなかった。

ダッシュボードの中央には、8.0インチのタッチモニターが据えられる。稼働システムは、8代目ゴルフとは別のものだという。固定のショートカット・ボタンのほか、オーディオのボリュームなどには実際に回せるノブが残り、使い勝手は良い。

一方でエアコンのコンソールからは温度調整用のノブが消え、タッチセンサー式のスライダーへ置き換わった。こちらは、運転中に視線をそらす必要があり、操作性が良くなったとはいえないだろう。

車内空間には、あちこちに小物入れなどが用意されている。ダッシュボードの上部にも、蓋の付いたボックスがある。フロントシートの下には内張り付きの引き出しがあり、ハンドバッグや貴重品などを外から見えないように保管できるのもうれしい。

コシのある乗り心地と堅実な姿勢制御

2列目シートは前後にスライド可能で、空間にもゆとりがある。パノラミック・サンルーフを装備すると天井が下がるため、身長の高い大人の場合は頭上が窮屈かもしれない。

3列目シートは少々乗り降りしにくく、広さも子供向け。それでも、あれば便利だと感じるユーザーも多いはず。簡単に折りたたむことができ、広大な荷室を作ることも可能だ。

全体として、インテリアには知的な雰囲気があり、このブランドらしい。最新のゴルフなどと比べると保守的に感じられるものの、むしろフォルクスワーゲン的といえるだろう。

ティグアン・オールスペースを発進させてみる。最もお手頃な2.0L 4気筒ディーゼルターボでも、動力性能は充分以上。運転しやすく洗練されている。

ステアリングホイールやペダル類は適度に軽く、反応は正確。とても扱いやすく、操縦性にも優れる。乗り心地は若干硬め。重い荷物やトレーラーの牽引にも対応する足腰だと感じるものの、過度にスポーティということはなく、不快なものでもない。

走り味のキャラクターは、いわゆる中道的なドイツ車。初期のティグアンはやや硬さが目立ったが、現行型では穏やかさを感じる。コシのある乗り心地と堅実な姿勢制御との、バランスが良い。

ブランドの良さが上手く表現されている

2.0L 4気筒ディーゼルエンジンは、回転上昇が若干重く、質感もザラツイている。実務的なユニットといえそうだが、反応は良好で、ゆったりと流すことも難しくない。

右足へ力を込めれば、活発にティグアン・オールスペースの伸ばされたボディを走らせる。郊外に出れば、18km/L近い燃費を得ることも現実的だ。

新しくなった運転支援システムだが、レーンキープアシストはライバルより働きが良い。ステアリングへ介入する前に、車線から外れそうな時はモニター式のメーターパネルへ警告が表示される。機能が不要なら、簡単にオフにもできる。

少し過剰気味に、継続的に反応されると、運転をアシストしてくれるように感じられないこともある。ティグアン・オールスペースの一歩引いた制御は、遥かに効果的だと思う。

実用性が拡張され、現実環境でのエネルギー効率にも優れる、ディーゼルエンジンのティグアン・オールスペース。エントリーグレードのライフは価格も手頃で、ファミリーユーザーにとっては訴求力の高い選択肢だといえる。

フォルクスワーゲンらしく、スマートでソリッドで、シンプル。機能的で運転しやすい。ブランドの良さが、上手く表現されたモデルといえそうだ。

フォルクスワーゲン・ティグアン・オールスペース 2.0TDI 150ライフ(英国仕様)のスペック

英国価格:3万5690ポンド(約571万円)
全長:4728mm
全幅:1839mm
全高:1674mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:9.8秒
燃費:18.9km/L
CO2排出量:140g/km
車両重量:1724kg
パワートレイン:直列4気筒1968ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:150ps/4000rpm
最大トルク:34.6kg-m/1600-3900rpm
ギアボックス:6速マニュアル

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