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本物の「道具」だからこそ持つ魅力! 機能美あふれる車3選

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本物の「道具」だからこそ持つ魅力! 機能美あふれる車3選

■機能美あふれるデザインのクルマを振り返る

 近年、SUVやセダンは流麗なフォルムのクーペスタイルがトレンドで、SUVならばリアハッチの傾斜角を寝かし、セダンではルーフラインがトランク後端に向かってなだらかなカーブを描くようなイメージです。

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 一方で、クーペフォルムとは対極にある無骨なフォルムのクロカン車も、かなり高い人気を誇っています。

 トヨタは2021年8月2日に、新型「ランドクルーザー(300)」を発売しましたが、すでに納期は1年以上先になるほどの人気です。さらに、現行モデルのスズキ4代目「ジムニー」は、2018年の発売から丸3年を経過した今も、納期は1年近くかかるなど、高い人気をキープしています。

 輸入車でも高級SUVの代表的存在であるメルセデス・ベンツ「Gクラス」や、アメリカ製クロカン車の象徴でもあるジープ「ラングラー」も、日本で好調なセールスを記録している状況です。

 こうしたオフロード車は、悪路走破性に特化していることで無骨でスクエアなフォルムですが、そうしたデザインが機能美として認められているといえるでしょう。

 そこで、本物の「道具」だからこそ持つ機能美あふれる往年のモデルを、3車種ピックアップして紹介します。

●三菱「ジープ」

 かつて、日本を代表するクロカン車に君臨していたのが三菱「ジープ」です。ジープの生産はアメリカ軍の軍用車を1953年に三菱が受注した(ノックダウン)ことから始まり、1956年以降は民生用としても販売されました。

 車体は堅牢なラダーフレームにボディを架装するクロカン車の基本というべき構造で、ボディバリエーションはソフトトップのオープンタイプを基本にメタルトップのバンタイプがあり、ホイールベースはショート、ミドル、ロングをラインナップ。

 外観は空力性能など一切考えず機能優先でデザインされており、なかでもフロントフェイスの縦格子の鋼板プレス製グリルに丸目2灯ヘッドライトは、シリーズ共通のアイコンとなっています。

 足まわりは耐久性を重視したリーフスプリングの前後リジッドアクスルを採用し、最低地上高を高くすると同時にロングストロークを確保して、高い悪路走破性を実現。

 エンジンは直列4気筒のガソリンが2リッターから2.6リッター、ディーゼルが2リッターから2.7リッターまで、時代によって幅広く設定され、さまざまなニーズに対応しました。なお、モデル末期には2.7リッター直列4気筒インタークーラー付きターボディーゼルに一本化されました。

 また、快適性については装備、乗り心地、騒音などは考慮されておらず、興味本位で買ったユーザーがすぐに手放してしまったという逸話もあるほどです。

 そして、1998年に「最終生産記念車」が発売したのを最後に、ジープは一度もフルモデルチェンジすることなく長い歴史に幕を閉じました。

●日産9代目「ダットサントラック」

 1990年代初頭に、日本ではクロカン車が爆発的に人気となった「RVブーム」が巻き起こりました。その時にヒットしていたのが、1986年に誕生した日産初代「テラノ」で、アメリカナイズされたスタイルが好評でした。

 この初代テラノのベースとなったのが、1995年に発売された9代目「ダットサントラック」です。

 外観は先代よりも一気にモダンなデザインかつ力強くなった印象で、内装もより乗用車に近い意匠となりました。

 ボディタイプはシングルキャブとダブルキャブがあり、どちらもボディをハイリフトした4WDを設定。とくに4ドアで5名乗車のダブルキャブは広い室内空間と、荷台には汚れた荷物もガンガン積めるとあって、単なる小型ピックアップトラックではなくレジャー用途に特化したRVとしてもユーザーを獲得。

 また、9代目ダットサントラックはエンジンラインナップも豊富で、1.6リッターから2リッターのガソリンエンジン、2.3リッターから2.7リッターのディーゼルエンジンを搭載してさまざまなニーズに対応しました。

 なかでも余裕あるトルクと経済的にも有利だった、2.7リッター直列4気筒ターボディーゼルエンジン車がベストチョイスでした。

 その後、1997年に10代目にバトンタッチしましたが、すでにレジャー用としても商用としてもピックアップトラックの需要は低迷しており、2002年に国内向けの生産を終了しました。

●トヨタ「ランドクルーザー 60系」

 前述の新型ランドクルーザー(300)の先祖となる1台が1980年発売の「ランドクルーザー 60系」で、1967年に誕生した55系の後継車としてデビュー。

 55系からすべてが一新され、無骨な印象ながらモダンなデザインとなり、ラグジュアリーさも加味されてまさに300系の原点といえるモデルです。

 60系は日本では商用バンとして誕生し、ボディサイズは全長4750mm×全幅1800mm×全高1815mmと、当時としてはかなりの巨体でした。

 内装は前席を55系のベンチシートからセパレートに変更して乗車定員は従来の6名から5名となり、エアコンやパワーステアリング、ファブリックシートなどを装備したことで普段使いにも適していたことから、レジャーユースとしても支持されました。

 発売当初に搭載されたエンジンは4.2リッター直列6気筒ガソリンと、3.4リッター直列4気筒ディーゼルを設定。1982年には4リッター直列6気筒ディーゼルが追加され、後期型ではディーゼルターボや、EFIのガソリンエンジンもラインナップ。

 駆動方式は全車トランスファーを手動で切り替えるパートタイム式を採用し、デフロックも設定されるなど、悪路走破性の高さは折り紙付きです。

 大きな変更があったのは1987年のマイナーチェンジでフロントフェイスが角目4灯となり、より迫力が増してラグジュアリーな面もさらに強調。その後、1989年に生産を終了して80系へとバトンタッチしました。

 60系はいまもクラシックSUVとして人気がありますが、後期型のフロントフェイスをあえて前期型の丸目にコンバートする例も多く、よりクラシックな印象が好まれているようです。

※ ※ ※

 2台目に紹介した9代目ダットサントラックと同時期には、トヨタ、三菱、マツダ、いすゞと、各メーカーからピックアップトラックが販売されていました。やはり商用車としての需要だけでなく、RVとしてもニーズがあったためです。

 現在、国内ではトヨタ「ハイラックス」が唯一のピックアップトラックですが、海外では今も数多くラインナップされています。

 しかも、北米の一部のフルサイズピックアップトラックを除くと、かなり洗練されたデザインのモデルが多く、もはやSUVと変わらない印象で、これもニーズの変化によるものでしょう。

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みんなのコメント

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  • ジープ3台乗り継いだ。ショートのガソリンジープはフロントを跳ね上げてとばして越えていく軽快さが好きだった。ハイリフトジャッキ左フェンダーに付けてたけど、近所の子供に「機関銃積んでるおじさん」って呼ばれてたことを後で知った。

    クロカンでボコボコお手製板金・シャーシーブラック塗装のランクル60に乗ってた友人は、8ナンバーのためにスピーカー付けてたら右翼団体に同類と勘違いされてた。

    あちこちにクロカンパークがあったのが懐かしい。あの頃、みんながみんな山の中荒らしまわってたわけじゃなくガチ勢はパークで遊んでたんだけど、個人の山・砂浜・堤防・河川敷・神社の階段荒らすヤカラが湧いてあっという間に「社会悪」になってブームがしぼんだ。
  • 親しくお付き合いさせて頂いている職場の先輩が、複数台のランクルを所有している。そのうちの日常使いが1台がハイルーフ、シカとの衝突に備えた頑丈なカンガルーバー、ウインチ付きの丸目ディーゼルターボ60vx。舗装路もダートも林道もモリモリ走るのは面白いのだけど、板バネですごい振動。でもそれもまた60の魅力!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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