独BMWは7月14日、新型電動クロスオーバーSUV「iX3」をデジタルワールドプレミアした。
SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のX3をベースにエンジンをモーターに置き換えたiX3は、サブブランド「BMW i」からリリースされた「i3」に次ぐ2番目のフルEV。第5世代の電動技術「eDrive」を採用し、パワーと航続距離を向上させたほか、低い位置に搭載したバッテリーが低重心化に寄与し、スポーティなハンドリングも実現している。
既存モデルより30%出力効率を向上させたというモーターは最高出力286hp、最大トルク400Nmを発揮。およそ2.2トンという決して軽くないボディは停止状態から6.8秒で100km/hに到達する。このダッシュ力は内燃機関搭載の上級グレード「X3 xDrive30i」と同等で、低速から最大トルクを得られるEVならではの加速性能となっている。最高速度はリミッターにより180km/hに制限される。
80kWhの容量を持つリチウムイオンバッテリーは中国企業「CATL」の製品で、188個のセルを持つこの新型バッテリーは、従来よりも20%エネルギー密度が引き上げられており、結果としてiX3の航続距離は460km(WLTP基準)まで拡大。DC150kWの急速充電にも対応しており、最短34分で80%まで充電が可能だ。さらに、100kmの走行に必要な電力なら10分で充電できるというから、バッテリーチャージの時間は給油に徐々に近づいてきた感はある。
iX3の生産はBMWと中国メーカー「ブリリアンス(華晨汽車)」の合弁企業が担当。全台が中国の瀋陽工場で組み立てられ、iX3はブランドとして初めて輸出向けも含め100%が中国産モデルとなる。参考まで英国への投入は来年夏が予定されており、今秋には価格や装備の詳細が公表される見込みだ。
メルセデスEQC、アウディe-tron、そしてiX3と、ドイツプレミアム御三家からミドルサイズ電動SUVが出そろうこととなった。テスラなど先発組の動きも合わせ、このカテゴリーに引き続き注目したい。
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みんなのコメント
昨今の中共の動向や香港情勢見れば、取り分けITや先端技術分野でのチャイナ受け入れはハイリスクで警戒・忌避するのが当然。
100%チャイナ製のEVなんて、英国や米国が輸入禁止措置を取っても驚かないシロモノ。