プロドリフターも2世の時代に
レジェンド選手を父に持つ20代若手D1GPチャレンジャーたちが今季デビュー!
今年で21年目を迎える国内最高峰のドリフト競技「D1グランプリ」が今年からJAF(一般社団法人日本自動車連盟)から日本選手権に認定された。
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これまで多くの名選手を輩出し、国内ばかりか海外のドリフト競技にも影響を与えてきたが、またあらたな歴史が刻まれようとしている。それが2世ドライバーの参戦だ。
D1グランプリの下部リーグともいえる「D1ライツ」で好成績を残して今年からD1グランプリに挑戦をはじめるふたりにはシーズン開幕まえから注目が集まっている。
■昨年のD1ライツではライバル同士
5月11日に滋賀県奥伊吹モーターパークで開幕する2024年シーズンには全40台がエントリー。事前に発表されたリストを見て古くからのドリフトファンは胸を躍らせたことだろう。
ひとりはその独特のキャラクターからチャンピオン経験こそないが「世界いち有名なドリフトドライバー」として知られる「のむけん」こと野村謙の息子である野村圭市。
もうひとりは、いまやアメリカで大人気のドリフト競技「フォーミュラD」の黎明期にアメリカのチームのドライバーとして5年間もの連続参戦を果たし、優勝こそないもののその歴史に名を刻んだ山中健司の息子、真生。
昨年のD1ライツでは山中真生がシリーズ2位、野村圭市はシリーズ8位でともにD1ライセンスを取得(年間16 ポイント以上で資格発生)。山中は名門D1グランプリ出場チームの「俺だっ!レーシング」のドライバーとして、野村は父親が経営するカーショップのドライバーとしてともに順調なステップアップを果たすこととなった。
■2JZ改のモンスターマシンもコントロール下に
山中が駆るGRスープラは現在のD1グランプリ出場マシンではもっとも多く使われている2JZターボエンジンに換装。HKS製のパーツで3.4リットル化されギャレット社のG35タービンを組み合わせて最高出力1000馬力以上を誇る。
開幕戦が初本番なのだが、彼は昨年のフォーミュラDジャパンに東名パワード製の3.6リットル仕様2JZターボを積んだGRスープラでフル参戦しており、車両特性やハイパワーには慣れている。
懸念されるエンジン特性のちがいについては「ショートストロークのぶん高回転までまわせるのが強みなのでは」とチームメカニック。3.6リットルが上限7800回転なのに対し俺だレーシング自慢の3.4リットルは8400回転まで使えるとのこと。使いこなせば大きな武器になることだろう。
いっぽう野村はD1ライツ時代から父親がそのイメージを作り上げたR34スカイラインを愛機に選び、D1GP仕様に改良(リヤラジエター化など)。
エンジンはD1ライツ時代から2JZターボの3.4リットル仕様でMANBAタービンを組み合わせておよそ800馬力を発生。基本的に2年間のD1ライツシリーズを戦ってきた仕様そのままなので慣れという意味ではアドバンテージがある。ここ数年の新規D1参戦マシンが海外製のサスアームキットを導入するなか、むかしながらの「純正改ナックル」を使い続けているのも特徴だ。
■ドリフト王国・日本を背負って立つ
本格競技化して20数年、平均年令が高くなってきたドリフト競技界において、彼らの出現がこれからのドリフト界を変えていくことは確実であり、モータースポーツとしての知名度をさらに高めていくと思われる。
そして、中国製を中心とした海外製タイヤがシェアを伸ばしているいま、山中がヨコハマタイヤ、野村がダンロップタイヤを使用して参戦していることも、ドリフトが日本発祥のモータースポーツだということのアピールになるのではないだろうか。
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