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【ロータス・エミーラ同乗試乗】前編 ロータスらしさの番人と同乗 年販目標4500台への秘策を訊く

走らせたのは「電気のクルマ」

「『電気のクルマ』で数ラップしてみましょう」と、ロータス・エミーラ・プロトタイプのそばに立つギャバン・カーショウは言った。ここはロータスのすばらしい、新たなへセル本社敷地のはずれ。目の前には一台の奇妙なマシンがある。

【画像】写真で見るロータス・エミーラ 全17枚

シェイプは見慣れたもので、基本的には白いボディなのだが、ランダムに色を散らした擬装が施されている。まるで、走っているところにペイント弾の一斉射を浴びたようだ。

電気の、という言葉には意表を突かれた。エミーラのパブリシティはいずれを取っても、ロータスが2020年代半ばにまったく新しい純電動スポーツカーを投入するべく準備中であることを伝えているが、このエミーラは内燃機関の栄光を祝福する、まさにへセル最後のモデルだ。ハイブリッドですらない。

にもかかわらず、突如耳にしたのが、電気の、という言葉である。しかしながらその説明は、聞いてみれば驚くようなものではなかった。取材時、ロータスはエミーラのプロトタイプを35台ほど用意し、世界中で最終テストを行っている最中だった。これを経て、春には量産車が登場することになる。今回試乗するのは、その中でも電装系チェックのために用いられているクルマだ。電気というのは、という意味だったのだ。

へセルでも抜群のドライバーで、ロータスらしさの番人ともいうべきカーショウ。正式な肩書きをヴィークル・アトリビューツおよびプロダクト・インテグリティ担当ディレクターという彼は、このテストカーを1時間ばかり持ち出して、へセルのテストコースでその走りっぷりを見せてくれた。試乗するだけなら疑問も湧かずただそれで終わりだが、カーショウといっしょだといろいろと勉強になるはずだ。

同乗走行でも飛ばすのは、コリン・チャップマン以来、ロータスの伝統となっている。チャップマンの後を受けて社長となったマイク・キンバリーしかり、ロジャー・ベイカーしかり、アリスター・マックイーンしかり、ジョン・マイルズしかり。そのほかにも多くのエンジニア兼ドライバーが、ロータスがノーフォークに拠点を移した1966年以来、同じようにしてきた。

カーショウは、まさしくそうした顔ぶれへ加わるにふさわしい人物だ。モータースポーツで成功した父親に育てられ、その後はマックイーンやマイルズ、ベッカーらに師事したのである。

年販4500台を目指すエミーラ

サーキットへと走り出すための準備をしながら、彼が語ったエミーラの定義は、これ以上ないほど適切なものだった。これまで年間の総生産台数が2000台にも満たなかったロータスが、この新型車1車種を毎年4500台売ろうとしているうえで、なにが重要かという話だ。

「より多くの顧客をよそから奪うには、いまどきのオーナーたちが望むものを提供しなければなりません。使い勝手、耐久性、積載性、コネクテッド機能を持つディスプレイや最新のインフォテインメントといったもろもろをです。しかし同時に、ロータスの運動性能は維持するのが絶対条件です。そこは譲れません。間違いなく、クルマとの一体感を感じられるでしょうし、クルマはドライバーに応えてくれます。アグレッシブさや尖ったところは、決して感じないはずです」。

では、エミーラの購買層とは、どのようなひとびとなのだろうか。まずはもちろん、昔ながらのロータス好きが考えられるが、このニューモデルの販売目標を考えれば、守備範囲をもっと広げることが必要だ。カーショウが狙いをつけるのは、どちらも純粋なドライビングの楽しみを探し求めているが、まったく共通点のないふたつのタイプだ。

いっぽうは、これまでにスーパーカーやアグレッシブなスポーツカーを所有した経験を持ち、しかしもはやドラマティックさや所有する上での困難はもういらない、というタイプだ。そしてもういっぽうは、この手のクルマを買うのが初めてで、走りを楽しむためでもつらい思いをするのはまっぴらごめん、というタイプである。

カーショウに言わせれば、エミーラはすべてのロータスに共通するサーキットでの速さや繊細さを損なうことなく、日常使いできる素質も見せてくれるクルマだ、ということになる。

へセルのテストコースは、長年の間に変化を重ねてきた。もとは使わなくなった空軍基地だったが、1966年の開設以来、少なくとも6回は姿を変えている。現在は、いくつかのサーキットに分かれている。

われわれが走ったコースは、サザンループと名付けられている。数々のコーナーには、チャップマンをはじめセナ、ヒル、アンドレッティといった錚々たる面々の名が与えられているが、なぜかクラークの名はなかった。恐ろしく速度域の高い右コーナーのウインドソックを抜けると、見えてくるのはマンセルと呼ばれるメインストレート。本気で走れば、250km/hを超えるスピードに達する。

ユーザーフレンドリーな乗降性

わたしのように、エミーラの左側のシートへ乗り込んでみれば、すぐに気づくだろう。足を持ち上げて、広いフットウェルに滑り込ませるのが容易なことに。サイドシルは今や驚くほど低く、ドアピラーに邪魔されることもなくなっている。このクルマのオールアルミシャシーは、押し出し材をリベットと接着剤で組み上げたタブを用いる点こそエリーゼやエキシージ、そして多少の関連があるエヴォーラと同様ながら、乗降性はまったくの別物となっている。

カーショウによれば、これまでには望めなかった乗り込みやすさは、このクルマが全体的に見せるユーザーフレンドリーな性格の最たるものだという。また彼は、エヴォーラとの関係性について、新型車の足枷になるほど近くはないと念を押す。トレッドはより広く、ステアリングはコラムもラックも新設計。サスペンションのアップライトも、サブフレームやハードポイントも、すべて刷新された。もちろん、サスペンションのレートや、ほとんどのハードウェアも新しくなっている。

トレッドを広げたのはなぜか。それには、総合的な車体バランスが関係している。「エヴォーラの重量配分はいい線いってましたが、重心高を下げたかったので、そのために広く作ろうと決めました」とカーショウ。

「これによって、コーナーリングでのロールは少なくなります。そのため、スプリングレートを落として、よりしなやかにすることも可能になりました。さらに、スタビライザーも必死に新設計しています。フリクションを減らしたことで素早く動くようになったので、バーの径を細くでき、それがまた乗り心地をよくする一因となりました。当然ながら、設計には広範囲にCAE、つまりコンピューター支援エンジニアリングを使っていますが、現物でのテストに代わるものはありません」。

エミーラは全長が4.4mあり、ホイールベースはエヴォーラと同等なので、キャビンは身体にしっくりくるものの、比較的広めだ。シートの背後には、バッグを置けるほどのスペースまである。ディスプレイを傾けて設置できる余地もあるので、ダッシュボードを低くすることができる。さらに、サイドシルに合わせて低く設置されたドアは、前端が削られているので、視認性が改善されている。

室内から見ると、そうしたもろもろがいかにみごとな成果を上げたかがわかる。路上でのエミーラはじつにコンパクトに感じられて、走り出すと、助手席に座っていても、位置決めしやすいことがうかがえる。本格スーパーカーがサイズ的には大きく上回っているわけでもないのに、視界はお粗末で運転するのが恐ろしくなるのとは対照的だ。

われわれは、インテリアのデザイン要素についても意見を交わした。プロトタイプの段階でも、エミーラのそれは今までのロータスよりハイクオリティだ。ラッセル・カー麾下のチームがここに込めた洗練性は、トリム専用のサプライヤーに発注していた以前よりうまく形にできているし、マテリアルのグレードも高い。

ふれこみによれば、大型の中央ディスプレイはコネクティビティと先進的なインフォテインメントに注力した新機種だというが、カーショウに言わせれば、それにも増して重要なのはドライバー重視の設計。たとえばベンチレーションの操作は、ノブ式を堅持した。また、ジェット戦闘機風の赤い跳ね上げ式カバーを備えたスターターボタンもいい感じだ。

シフトレバーの位置が、ステアリングリムから手のひらひとつの範囲内に収まることも、カーショウは実際に実演して見せてくれた。これも、チャップマンの御世から続くロータスの伝統だ。「コリンはこれを、60年代のグランプリマシン、ロータス25でやったんです。ステアリングホイールからすぐに手が届く場所にあれば、ドライバーがレバーを探すのに気を取られなくて済みますから」。

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