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世界販売は1億台超え! 赤い“カブ”は日本だけ? 世界各国で生産される名車 ホンダ「スーパーカブ」にある それぞれの“違い”とは

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世界販売は1億台超え! 赤い“カブ”は日本だけ? 世界各国で生産される名車 ホンダ「スーパーカブ」にある それぞれの“違い”とは

海外ではスクーター型のカブもある

 国内に4つのメーカーを抱える日本は、ある意味バイク大国と言えるでしょう。

【画像】世界の人々に愛され続けて1億台以上! ホンダ「スーパーカブ」の歴史を写真で見る(38枚)

 過去から現在に至るまで、各メーカーが様々なモデルを開発しては市場に投入してきました。

 その中でも「これは日本が世界に誇るバイクだ!」と言えるのは数が限られるでしょう。

 そんな日本代表をひとつ挙げるなら、ホンダ「スーパーカブ」は誰もが認めるところです。

 初代からデザインと各機構を大きく変えずに現在まで生産が続いています。

 とりわけ「スーパーカブ C125」は、初代「C100」をオマージュしたモデルとして高い人気を誇っています。

 本田技研工業(ホンダ)の創始者である本田宗一郎氏肝入りのモデルとして、1958年に登場した「スーパーカブC100」は、日本国内のみならず世界戦略車として開発されました。

 日本のみならず“世界のアシ”として普及することが宗一郎氏の願いでした。

 例えばクラッチレスのトランスミッションは、「誰もが足として使いやすく」という考えから作られた機構です。

 世界生産の先駆けになったのは欧州ベルギーで、1963年に現地生産を開始します。

 初めはC100を生産しますがヒットには至りませんでした。そこで、現地の需要などに合わせた専用モデルの開発に戦略を変更。

 自転車のように足漕ぎペダルがついたモペッド「C310」が登場しました。

 スーパーカブの祖先はモペッドですが、日本ではなく海外で先祖返りしたことになります。

 また、1998年に登場した「C100Biz」もユニークなカブです。

 ブラジル現地生産のスーパーカブですが、「治安の悪い街中で荷物を守りたい」という要望に応えてメットインスペースを備えたスクーター型となっています。

 スクーター型のスーパーカブは日本での販売はありませんが、ベトナムをはじめとした東南アジアでは「ウェーブ」という車名が与えられ販売されています。

 一見はスクーターでも、エンジンやクラッチレスのギアといった機構は、スーパーカブのものが流用されています。

ハンターカブはオーストラリアの郵政バイクだった

 海外専売モデルでしたが、そのユニークなデザインから日本でもファンができ、現在は正式に日本販売となったモデルがあります。

 それが「CT125 ハンターカブ」です。

 1950年代後半、ホンダのアメリカ現地法人はスーパーカブの販売に伸び悩んでいました。広大な大地での生活の足として、小型バイクの需要はなかったのです。

 そこで思いついたのが、アウトドア用品店への売り込みでした。

 やがてレジャーバイクとしての有用性に愛好家たちが気がつき、旅先の移動用・冒険用として、ピックアップトラックの荷台にスーパーカブを積んで出かけるといった使い方が目立つようになってきます。

 そのために、スーパーカブのカウルなどを取払い“なんちゃって”オフローダーに改造する愛好家も出てきます。

 そこにヒントを得てホンダがアメリカ用にオフロード対応型スーパーカブとして開発したのが「CA100T トレール50」でした。

 トレールモデルはその後「CTシリーズ」としてモデルチェンジが繰り返され「ハンターカブ」というペットネームで親しまれるようになりました。

 CTシリーズは2012年まで生産され、オーストラリアでは郵便配達用として正式採用されるに至ります。

 レジャー用から生まれたハンターカブは海外の郵政カブとなったのです。

 日本の郵政カブと比べると、そのスタイルの違いは歴然としています。

 カウル、エンジンガードの有無、そしてマフラーの取り付け位置が異なり、知らない人からは別のバイクと映るでしょう。でも同じスーパーカブです。

 海外仕様と国内仕様の違いが最も現れた例のひとつです。

 2012年でCTシリーズは一旦生産を終えますが、そのスタイルを受け継いだ「クロスカブ」が日本で発表されました。

 2012年以降はアウトドアが日本でも注目されるようになり、バイク業界では空前のアドベンチャーブームが起こり市場が塗り替えられました。

 そして2020年、オフロード・アドベンチャーバイクとしてのスーパーカブ「CT125 ハンターカブ」が発表。

 海外から見ればハンターカブの復活であり、日本では初の正式発売となり現在も不動の人気を獲得しています。

※ ※ ※

 海外と国内で展開されているモデルにも違いがあります。

 例えば「スーパーカブ C125」はベトナムでも販売されていますが、細部の仕様は異なっています。

 国内モデルでは荷台に装着するタンデムシートはオプション扱いですが、ベトナム仕様では標準装備となっています。

 ベトナムではスーパーカブに二人乗りすることは当たり前の乗り方であり、その需要に対応しているといえます。

 ちなみにウェーブシリーズも全車二人乗りができるようロングシートが与えられています。

 そしてカラーバリエーション展開も異なります。国内では郵政カブのようなレッドの展開がありますが、これはベトナム仕様には設定がありません。

 “赤いカブ”に対する馴染みの違いが現れている例ではないでしょうか。

 現在は収益の効率化などによりグローバルモデルとして開発されることが前提となっています。

 しかし、各国の日常のアシとして育ってきたスーパーカブは、今後もそれぞれ仕向地に合った仕様が模索されていくでしょう。

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みんなのコメント

1件
  • dar********
    カブは初期型から現行型までモデルチェンジや一部変更や小改良が数えきれないくらいあり、基本的なエンジン部分や車体廻りも初期型と現行型では全く共通部分は無い。最近のカブでも細かく変更があって、ちょっと前のカブの部品が最新のカブでは使えないということがある。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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