以前、レブル250の売れ行きが好調な理由をレポートした同シリーズに2021年からレブル1100が加わった。これで250(海外では300が主)、500、1100とシリーズが拡大し、世界での販売台数は年間4万台も視野に入る。
この数字はドゥカティの年間販売台数4万8000台(2020年)と比べても分かる通り、2輪の単一ブランドとしてはかなり大きな存在。「レブル」がひとつのジャンルになりそうな勢いが数字からも分かるだろう。そして、試乗した1100の乗り味は?
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文/市本行平(Webike)、写真/HONDA
【画像ギャラリー】これなら俺でも乗れる!? 2021年は完売ペースのレブル1100
レブル250の美点はそのままに、濃密さを4倍!? にしたのが1100
この3月に発売されたレブル1100デュアルクラッチトランスミッション(DCT)に試乗することができたので、まずそのレポートからお届けしたい。見た目は“レブル”そのもので遠目では250か1100か分からないほど。しかし、実際に触れると1000ccクラスならではの手応えやフランジレスタンクなど細部の仕上げから1100ならではの高級感が感じられる。
そして跨がると250と同じ印象で、身長172cmの筆者では両足がべったりと地面に接地する。それもそのはずでシート高は250の690mmに対して700mmとほぼ同じだ。250がヒットした最大の要因が足着き性の良さなので、何よりも優先して足着きを実現したと思われる。
右がレブル1100で左がレブル250。250とそっくりの外観でそのまま1100になっている。1100はDCTが3月11日、MTのスタンダードは5月13日に発売
本来タンク下部にあるフランジが見えないように処理されているフランジレスタンクの造形美は1100ならではのもの。スタイルを優先して容量は13Lと最低限だ
それでいて程よいスポーツ性が共存しているのがレブルの特徴で、1100ではより向上している。レブル1100はサスペンションやブレーキ、タイヤの性能が大幅に高められたことで、より強力なブレーキングや旋回時の安定性を獲得しており、走りは大型スポーツネイキッドと言えるものになっている。
そして1100ならではの美点は、アフリカツイン譲りの並列2気筒1082ccエンジン。まずサウンドが素晴らしく、2000rpm前後で気持ち良く流せるトルクフルなフィーリングがとても気持ちいい。回さなくてもトルクが得られるのは大排気量の強みであり、単気筒250ccのレブル250とは最も違いが出る部分。排気量通り4倍濃密な走りが味わえる印象だ。
CB1300と同じ径43mmのフロントフォークにラジアルマウントキャリパーのブレーキを備える。これだけで十分な制動力を発揮。18インチホイールはクイックすぎず程よい旋回性だ
1082ccの並列2気筒エンジンは87PS/7000rpmを発揮。アフリカツイン102PS/7500rpmよりもパワーを落としつつ1500rpm低い4750rpmで最大トルクを発生させている
レブル1100に乗って伝説の名車VMAXを思い出す
レブル1100をどう例えれば分かりやすいかと考えるとヤマハのVMAXに近いと感じた。Vブーストのない国内仕様VMAX1200とライディングモードをSPORTにした際のレブル1100はよく似ている。低回転域のドロドロとしたエンジンフィーリングと高回転パワーが楽しめる特性で、共にネイキッドモデルのようなハンドリングを持っていることからコーナーリングも楽しめてしまうのだ。
写真は最終の2007年型VMAX北米仕様で135PSを発揮。国内仕様は最高出力が吸排気が制限された97PS仕様でスペックもレブル1100に近い
そして、レブル1100ともう一台似ていると感じられるモデルがドゥカティにある。レブルのエンジンは外観こそ並列2気筒エンジンだが、中身はクランクシャフトを90度捻っており、90度Vツインエンジンと同じ爆発タイミングとなる。同様のエンジンを搭載するドゥカティのクルーザー、ディアベルシリーズとも近い存在で、レブル1100はスポーティなロー&ロングというジャンル分けができるだろう。
ドゥカティのディアベル1260Sは、同社唯一のクルーザー。レーサー譲りのハイパフォーマンスエンジンがベースなのでキャラクターは異なるが、レブル1100と同種と言えそう
一方で、レブル1100は他のクルーザーモデルにはないDCTがセールスポイントだ。これは6速ミッションをクラッチ操作なしで変速できるメカで、ギアチェンジも自動でやってくれる。DCTはライディングモードとも連動しており、SPORTだとシフトアップを高回転まで引っ張るようになり、RAINでは低回転からサクサクとシフトアップしてくれる。ホンダは、DCTを10年以上もアップデートし続けており、“マニュアル信者”の筆者も認めざるを得ないくらいフィーリングは自然なものになっている。
レブル1100のメーターは黒バックの液晶で回転計も装備。SPORT、STANDARD、RAINの3種類のライディングモードと各種セッティングが一目で分かるようになっている
レブルのコンセプトは気軽さにあり、1100も手頃なプライスで完売
中高年世代にとってレブルと言えば、1985年にデビューした空冷並列2気筒のエンジンを搭載した250ccクルーザーの印象が強い。実はこの空冷レブルはアメリカでは2016年まで存在しており、2017年からの現行レブルシリーズと地続きの関係にある。
開発者に1980年代当時から現代に共通するレブルのコンセプトを聞いたところ「レブルはその時代の若者にちょうどいい、身の丈にあった価格、車格を大事にしてきたモデルです。アメリカでは自宅の庭で練習して免許を取りに行くスタイルが一般的で、そういった用途にもレブルは使われています。安くてシート高が低くて安全なバイクというところが支持されてきました」という、まさに日本でレブル250が売れている理由と一致した回答。時代を超えて初心者に支持される存在がレブルという訳だ。
1985年に発売された初代レブル。当時の資料によるとティアドロップタンクの本格的なアメリカンスタイルを実現することを目指していた。233ccの並列2気筒エンジンを搭載している
そして今回試乗したレブル1100DCTは、大型初心者のニーズを捉えたモデルと言えるだろう。DCTによるイージーさは初心者だけでなく、そろそろ楽をしたいというベテラン層の引き合いも多い。価格もDCT付きで121万円、STDは110万円と比較的リーズナブルだ。
レブル1100シリーズは国内での年間販売計画3000台に対して、DCT仕様が1600台、MT仕様が1000台、計2600台の受注が3月上旬の時点で入っており、現在は計画台数をクリアしているという。また、海外を含めると年間で1万台が計画されており、この数字に既存のシリーズを足すと2021年は単純計算で3万8000台に上る。
レブル500(左)/300/250(右)世界販売台数は、2017年:約1万台、2018年:約2万台、2019年:約2万1000台、2020年:約2万8000台※全て1-12月で算出、ホンダ調べ
さらにレブル250の販売が日本ではまだ伸びていることから、シリーズ合計で年間4万台を達成する可能性が高い。初代モデルからのコンセプトで初心者に寄り添いながら現代のテイストを加味したレブルは、今や一大勢力といえるブランドに成長つつある。
取材に協力してくれたレブル1100の開発メンバー。リッターサイズのレブルを開発する構想は、レブル250が2017年にデビューした時からあったが、具体的な計画にはなっていなかった
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みんなのコメント
Vブースト150馬力は当時のバイク搭載エンジンでは最強で、
最強大好きなアメリカ人にウケて北米で売れに売れてハーレーをビビらせた。
ビビったハーレーは、ポルシェと共同開発した水冷レボリューションエンジンを搭載した新車種V-RODを作ったくらい。
レブルにそんな伝説は作れない。