三菱自動車は2023年3月21日、タイ王国ノンタブリー県にあるインパクト・エキシビションセンターで開催された第44回バンコク国際モーターショー2023において、ピックアップトラック「トライトン」の新型コンセプトモデルとなる「MITSUBISHI XRT Concept」を参考出品した。
文/諸星陽一、写真/三菱自動車、ベストカーWeb編集部
三菱自動車が次期トライトン(コンセプト)をタイで電撃発表!! か、か、カッコいい!! 世界戦略に日本も入れてくれー!!
■45年の歴史がある三菱自動車製ピックアップ
毎年、3月下旬に開催される「バンコク国際モーターショー」は、1年のうちで比較的早い時期に開催されるモーターショーであると同時に、タイが世界各国の自動車メーカーの工場があることなどで、注目度が高いショーとなっている。さらにタイは日本と同じ右ハンドルの国でもあり、右ハンドル仕様発表されるタイミングが早いことでも知られている。
「トライトン」はグローバルでの三菱自動車の最量販モデルであり、最終組立工場はタイ国内にあるレムチャバン工場となり、世界約150ヵ国へ輸出されている、まさに世界戦略車。約9年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型「トライトン」は、2023年度内にタイで発売した後、アセアンやオセアニアなどに順次展開を拡大していく計画だと発表された。
アジア随一のピックアップトラック激戦区であるタイに投入される「MITSUBISHI XRT Concept」。新型トライトンのコンセプトモデルであることが明言されている。三菱自動車のデザインアイデンティティである「ダイナミックシールド」ではないように見えるが…マジで??
さて、ここで少し「トライトン」の歴史を振り返ってみたい。現在の「トライトン」はピックアップトラックと呼ばれるレジャーユースも含まれるジャンルに属する。「トライトン」のルーツは1978年に市場投入されたピックアップトラックの「フォルテ」(三菱自動車のピックアップトラックは仕向地によって車名が異なるが、この記事では代表的な車名を記した)が始祖であるといえる。三菱自動車にとってフォルテの存在は大きく、1982年にはフォルテの4WDをベースとしてパジェロを、フォルテ4WDのシャシにデリカのボディを組み合わせてデリカスターワゴンを生み出している。
三菱自動車のピックアップトラックといえば「ストラーダ」を思い出すファンも多いはず。1990年代前半、日本でも盛り上がったピックアップブームで、独特の存在感とパジェロブームを背景に人気を獲得。トヨタハイラックス、日産ダットサンなどと並んで活躍した
その後、三菱自動車のピックアップトラックは1986年(ストラーダ/1991年から日本発売)、1995年、2005年(トライトンに車名変更/2006~2011年に日本販売)、2014年(日本未導入)にそれぞれフルモデルチェンジを行い、現行モデルが5代目となる。
そして今回のバンコク国際モーターショーで、次期(6代目ピックアップ)である「トライトン」となるコンセプトモデルの「MITSUBISHI XRT Concept」が発表された。
現行型トライトンは三菱自動車の世界戦略車。ダイナミックシールドを強調しており、高い走行性能とプレミアム感のあるスタイリングが相まって、アジアで大人気。今回はこの人気モデルの次期型が世界初披露ということで多くの注目を集める
■凛とした表情の次期トライトン
「MITSUBISHI XRT Concept」については、三菱自動車が同日発行したプレスリリースにも、「新型トライトンのコンセプトカーである」と明確に記載されているので、もはや疑う余地はない。コンセプトモデルなので細かな部分は市販モデルとは異なるが、今回バンコク国際モーターショーに展示されたモデルが次期「トライトン」である。
バンコクショーで公開された「MITSUBISHI XRT Concept」。コンセプトモデルということで、迷彩カラーで登場した。ボディ側面に大きく入っているスラッシュマークは「ラリーアート」のモチーフと見た。現行型に続きモータースポーツで活躍してほしい
現行「トライトン」にも負けない凛とした表情が与えられたフェイス、ピックアップトラックらしい力強さを感じる分厚いフードは水平配置される。展示車のボディはダブルキャブで荷台部分が短くスポーティなシルエットである。前後フェンダーはパンプアップしたアスリートの筋肉のごとくグッと膨らみ、「トライトン」の走りを大きく予感させる。右Aピラー部にはウォーターハザード時の吸入空気を確保するためのシュノーケルも装備している。装着されたタイヤは、横浜ゴムのマッドテレインタイヤ、ジオランダーG003であった。
展示車のカモフラージュパターンは、“ボディ全体を噴き出す溶岩のエネルギーを内包する岩石をモチーフにした”としており、このまま市販をして欲しいかのような雰囲気である。そして注目すべきはサイドに配された、ダーク色の10本ラインで構成されるグラフィックスだ。このグラフィックスは言わずとしれたラリーアートのブランドアイコンである。
「MITSUBISHI XRT Concept」。タイではピックアップトラックは、実用性とステイタスを兼ね備えた存在。次期トライトンもその両要素を高い次元で備えている
カモフラージュパターンとブランドアイコンには特殊な反射素材が使われている。カモフラージュパターンは光の当たり方によって色が変化。ブランドアイコンは普段はほとんどわからないが、光が当たる方向からのみ浮き上がるように現れるという具合だ。
■三菱自動車で最も販売台数が多い世界戦略車
バンコク国際モーターショー2023のプレスカンファレンスにおいて、三菱自動車の加藤隆雄社長は次のようにスピーチした。
(三菱自動車・加藤社長のコメント引用ここから)
今年、2023年は、ピックアップトラック「トライトン」の全面改良や新型コンパクトSUVの投入など、三菱自動車のコアマーケットであるアセアンでの成長を加速させていく、とても重要な年になります。
そして、「トライトン」は当社のラインアップの中で最も販売台数が多い世界戦略車です。タイは「トライトン」の販売台数が世界一であり、「トライトン」を生産してグローバルに輸出する重要拠点でもあります。タイ政府、メディア、タイ国民の皆様の支援のおかげで、「トライトン」 はタイと国際社会に貢献していると確信しております。私たち三菱自動車にとって、新型「トライトン」を成功させることは最重要ミッションなのです。
本日は、その新型「トライトン」のコンセプトカーを、皆様に披露させていただけること、たいへん、うれしく思っています。
〈中略〉
ピックアップトラックは、「働くクルマ」として、荷物を目的地まで確実に運ぶ、毎日の仕事を確実にこなすための、高い信頼性と走破性が求められます。
一方で、プライベートを楽しむクルマとして、運転のしやすさや乗り心地の良さ、アウトドアレジャーを満喫できる使い勝手、どんな天候や路面でも自信をもって運転できる頼もしさや安心感が求められます。
これらの公私にわたるハイレベルな要求を満たすため、厳しい基準の社内試験はもとより、世界中のあらゆる環境での走行試験を実施しています。
また、長年にわたるダカールラリーなどを通じて得たノウハウを市販車の開発に活かし、操縦安定性や悪路走破性といった三菱自動車の強みを磨き上げ、どんな天候や路面でも安心して楽しめる走りを実現してきました。
実際に私も、日本の十勝にあるオフロードコースで試乗し、新型「トライトン」の力強さ、頼もしさ、安心感を実感することができました。発売に向けて順調に仕上がっており、楽しみにお待ちいただきたいと思っています。
(引用ここまで)
コンセプトモデルが履いていたのは、横浜ゴムのマッドテレインタイヤ「ジオランダーG003」。荷台にもスペアタイヤを2本搭載する。ラリーフィールドではスペアタイヤも重要になる
■2023年も「アジクロ」参戦発表!!
加藤社長のスピーチからもわかるように「トライトン」は三菱自動車にとって、非常に重要なモデル。しかし、どんなにいいクルマであっても、その性能をしっかりとアピールできなければ、ユーザーに理解と支持を求めるのは難しい。三菱自動車はさまざまな手法でそのアピールを行っているが、モータースポーツへの参戦もそのひとつ。
さる2022年11月。三菱自動車が技術支援するチーム三菱ラリーアートは、タイ-カンボジアを舞台に約1500kmの距離を走行してその順位を競うアジアクロスカントリー2022の改造クロスカントリー車両(T1仕様)に現行「トライトン」で参戦。見事に優勝を遂げた。このラリーは三菱自動車として7年ぶりのモータースポーツへの復帰であったとともに、ラリーアートの復活を告げるイベントであった。総監督を務めたのは2002~2003年のダカールラリーで2連覇した三菱自動車の増岡浩氏であった。
三菱自動車は今回の「MITSUBISHI XRT Concept」の発表に合わせて、2023年のアジアクロスカントリーにも増岡浩氏を総監督に擁し、新型「トライトン」でT1クラスへの参戦する計画を表明。2連覇をねらう。
写真は現行トライトンのラリー仕様。三菱自動車は、2022年11月21日~26日、3年ぶりにタイおよびカンボジアで開催された「アジアクロスカントリーラリー2022」にて総合優勝を飾っている。二連覇を狙って2023年も参戦を表明。これは楽しみ!!
三菱自動車は、ラリーに対してエンジニアが事前テストやラリー本番に帯同してサポート。ラリー車には勝つための装備だけでなく、各種のデータ取りを行うためのセンサー類や計測機器を搭載。競技を通じて得られる貴重なデータとノウハウを市販車にフィードバックすることで、あらゆる天候、あらゆる路面で安心して楽しめるクルマづくりを目指している。
きっと勝ってくれるはず。がんばれ三菱自動車!!
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みんなのコメント
他にもアコードの新型も出てそうだし。楽しみ