8月17日、2024年MotoGP第11戦オーストリアGP MotoGPクラスのスプリントがレッドブル・リンクで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは12位、アレックス・リンスはマシントラブルによってリタイアで終えた。
初日のプラクティスでは、一時ふたり揃ってトップ10圏内に入る好走を披露していたが、終盤のアタック合戦によってダイレクトでの予選Q2進出を逃す結果となった。しかし、クアルタラロは今まで使用したことのない“新しいもの”を使用し、マシンのペース向上と安定性を確認。予選Q2進出にも意欲を示していた。
【順位結果】2024MotoGP第11戦オーストリアGP スプリントレース
そんなクアルタラロは、朝のフリー走行2回目を5番手で終えると、続く予選Q1で早々に2番手タイムをマークする。この時点では自己ベストを更新できていなかったが、連続アタックで1分29秒194まで短縮に成功。全体のタイムが上がるに連れて順位を落としてしまうも、終盤にはさらに1分29秒047まで削った。しかし、0.480秒差の5番手とわずかに及ばず15番グリッドが確定した。
一方のリンスは、予選Q1の序盤は1周のみの走行でスクラブをした状態でステイ。終盤にかけてアタックに挑み、少しずつタイムを削っていく。終了間際には、1分29秒552まで縮めたものの11番手と順位を上げることが出来ず、21番グリッドが確定した。
午後のスプリントではクアルタラロがミディアム/ソフト、リンスがフロントリヤともにミディアムとタイヤ選択が別れた。クアルタラロは抜群のスタートを決めて10番手に浮上するも、翌周にはペドロ・アコスタ(レッドブルGASGASテック3)に先行を許し、さらに3周目には13番手まで後退してしまう。
終盤まではその順位をキープしながら走り進め、前を走るミゲール・オリベイラ(トラックハウス・レーシング)に仕掛けるタイミングを伺いながら周回を重ねていく。迎えた最終ラップで、いよいよオリベイラを捉えて12番手に順位を上げると、最後はそのままチェッカーを受けた。
一方のリンスは20番手でスタートを切ると、クアルタラロ同様に少しずつ順位を下げてしまう。一時22番手まで後退し、前方のルカ・マリーニ(レプソル・ホンダ・チーム)を追う展開となった。すると、中盤頃には前方を走るライダーの転倒も助かり、残り6周で20番手まで回復。
ところが、チェッカーを前にマシンに技術的なトラブルが発生しリタイアで終える結果となってしまった。クアルタラロは最終的に追い上げができたものの、スプリントでのふたりの展開を見ると、レース中におけるペースにはやや苦しんでいることが伺える。まだ課題は多いが、少しずつ再生を図るヤマハの決勝におけるレース運びに注目したい。
■ファビオ・クアルタラロ(予選:15番手、スプリント:12位)
「午前中のフリープラクティスでペースを確認したときは、それほど悪くはなかった。単独で走っていると、ヤマハの強みはブレーキングだということがわかる。前に誰もいなければ、第1コーナーから第4コーナーまで、そして第9コーナーでも超ハードなブレーキングが可能だ。でも前にいる場合は、かなり複雑で難しくなるんだ」
「スプリントレースではいつものように、序盤でまるでタイムアタックのような激しいダッシュが展開され、そのなかでは十分に強みを発揮することができなかった。懸命にポジションを守ろうとしたけれど、何度かミスも出てしまった。1周目を終えたところで10番手まで上がれたのは良かったけれど、それをキープするのは難しく、そのあとは非常に厳しい展開になってしまった。でも僕たちは、今日もベストを尽くしたよ」
■アレックス・リンス(予選:21番手、スプリント:リタイア)
「マシンが遅いと感じていた。メカニカルトラブルが出ていたんだ。何が起きているのか理解しようとしたけれど、その間にもどんどんパワーが落ちていってしまったから、エンジンをセーブするためにピットに戻ったんだ。体調は問題ないよ」
「スタートはとてもうまくいったのだけれど、ラップごとに難しい状況になっていった。スプリントに臨むにあたり、セッティングを変更していたんだ。リヤが上がってしまうのを避けるためだったけれど、あまり良くなかった。さらにハードワークを続けていくよ」
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