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電動時代へ幸先の良い仕上り マツダCX-60 PHEVへ欧州試乗 運転を楽しめる新SUV

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電動時代へ幸先の良い仕上り マツダCX-60 PHEVへ欧州試乗 運転を楽しめる新SUV

RAV4やアウトランダーと直接対峙

運転席に座り、ベストなシートポジションを探す。パワーシートならボタンを傾ける程度の作業とはいえ、別の人が乗った後だと、しっくり来る姿勢へ整うまで少々手間だったりする。

【画像】マツダ初PHEV 新型CX-60 欧州で競合するハイブリッドSUVと比較 全124枚

そんな不便を、マツダCX-60は解消した。顔認証技術を搭載し、運転席に座った人を判別。前回のシートポジションへ自動的に合わせくれる。ドライバーは、買い物リストやレストランのメニューを考えていれば大丈夫だ。

しかも、マツダの技術者が研究した最適な運転姿勢を、CX-60が提案してもくれる。筆者へは完璧にフィットしたわけではなかったが、人によっては目からウロコな運転姿勢に落ち着けるかもしれない。

クルマ全体として考えれば、ちょっとした仕掛けに過ぎない。だが、友人と話題にしたくなる機能でもある。

ミドルクラスのSUVに相当する新しいCX-60は、マツダ初のプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。少なくない投資と期待が込められている。トヨタRAV4 PHEVや三菱アウトランダーPHEVといったモデルと、直接対峙することになる。

CX-60は、スカイアクティブ・マルチソリューション・スケーラブル・アーキテクチャと呼ばれる、まったく新しいプラットフォームを採用。北米市場には、追ってワイドボディのCX-70も投入される。さらに、大家族も喜ぶ3列7シーターのCX-80も控えている。

マツダ量産車として最強の327psと50.9kg-m

マツダが量産した公道用モデルとしては、最もパワフルであるという点も興味深い。フロントに縦置きされる2.5L直列4気筒エンジンと、136psの駆動用モーターの力が融合し、最高出力327ps、最大トルク50.9kg-mを発揮する。

駆動用モーターは、エンジンとマルチプレート・クラッチを採用した8速ATとの間に搭載される。このATはスリップ率が少なく、トルクコンバーター・タイプと比較して、エネルギーロスが22%も少ないとのこと。

駆動用バッテリーの容量は17.8kWhあり、プラットフォーム中央、フロア下に敷き詰められるスケートボード・レイアウトが取られる。PHEVだからケーブルをつないで充電が可能で、7kWの速度なら2時間20分で満充電になる。

駆動用バッテリーとモーターだけで走れる距離は、最長62km。RAV4 PHEVの74kmより短いが、充分な長さではある。

インテリアの設えば、近年のマツダらしい。大きなモニターがダッシュボード上に備わるが、今どきとしては珍しくタッチモニターではない。手の届きやすい位置へ、エアコン用の従来的なスイッチが並んでいる。

センターコンソールには、ロータリー・ダイヤルとボタンで組み合わされたインフォテインメント・システムの入力デバイスが配され、驚くほど使いやすい。フォルクスワーゲンなど、タッチモニターに依存するシステムへ疑問を抱くほど。

質感に優れ安楽に運転できるPHEV

マツダCX-5と比較して、CX-60のホイールベースは172mm長い。リアシート側がその分広く、膝前の空間にはゆとりがある。

リアシートを起こした状態での荷室容量は、570L。リアシートの背もたれは子どもでも簡単に倒すことができ、実用性にも不満はない。

CX-60を発信させてみると、エンジンサウンドに明確な改善が感じられた。2.5Lガソリンエンジンを搭載する、CX-5へ近い音響なのだろうと想像していたが、だいぶ異なる。

駆動用モーターのアシストのおかげで、内燃エンジンの回転数を高める必要性が小さい。また、鋭い加速などを求めてエンジンが高回転域へ到達しても、ボリュームは控えめなまま。エンジンルームの隔離性が優れるのだろう。

8速ATの洗練性も上々。俊足を備えたファミリーSUVは、珍しい存在とまではいえない状況ではあるが、CX-60の意欲的な速度の乗せ方にも関心させられた。とても安楽に、多くの条件での移動をこなすことができそうだ。

もちろん、駆動用モーターだけで進むEVモードは至ってスムーズ。95km/h程度まで加速する力を備えている。カタログ燃費は66.6km/Lと現実的なものではなが、今回の数時間の試乗では30km/L近い優秀な数字が表示されていた。

運転を楽しめるマツダらしい仕上がり

乗り心地も、全般的に上質。サスペンションの構成は、フロントがダブルウィッシュボーン式で、リアがマルチリンク式。構成としても優れており、減衰力などの設定も良好といえる。

ファミリーSUVとしては、硬めの質感ではある。しかし、不快に感じるほどではない。路面が乱れても、振動に悩まされることはないだろう。

その見返りとして、好印象な姿勢制御を実現している。やや手応えは薄いものの、ステアリングホイールの操舵感は正確。運転を楽しめるといってもいい。BMW X3を超えることはないにしろ、多くのライバルより勝ることは間違いない。

内燃エンジンにこだわってきたマツダとして、電動化という未来への大きなステップといえる、CX-60。それでいて、これまで評価を高めてきたマツダらしさは失われていない。幸先の良い1歩といえるだろう。

マツダCX-60 AWD ホムラ・オート(欧州仕様)のスペック

英国価格:4万6700ポンド(約779万円)
全長:4745mm
全幅:1890mm
全高:1680mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:5.8秒
燃費:66.6km/L
CO2排出量:33g/km
車両重量:ー
パワートレイン:直列4気筒2488cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:17.8kWh
最高出力:327ps(システム総合)
最大トルク:50.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速マルチプレートクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

23件
  • FRベースのSUVで8ATのPHEVなんて
    ハイスペック過ぎて国産では比較対象がないね。
    輸入車はHVなんてCAFE対策にすぎないから
    これまた金額含めて比較にならないと
    今のマツダは唯一無二過ぎて無双状態でしょう。

    イメージを引きずる日本では困難だが
    欧州では今まで以上に伸びるだろうね。
    車種数少ないのに凄いよ。
  • 某ドイツ人Youtuberの試乗だと完成度はイマイチと言ってたな。
    販売までまだ少しあるが、どこまで詰められかな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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