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メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 中編

掲載 更新 11
メルセデス・ベンツCクラス vs BMW 3シリーズ vs ジャガーXF 上級サルーン乗り比べ 中編

英国ではDセグメントに並ぶ価格帯のXF

ジャガーXFは2020年初頭にフェイスリフトを受け、商品力が大幅に高められた。見た目に手が加えられただけでなく、インテリアはプレミアム感を増している。

【画像】Dセグの新型メルセデス・ベンツCクラス BMW 3シリーズとEセグのジャガーXF 全69枚

上質な素材が与えられ、ピヴィ・プロと呼ばれるインフォテイメント用の大型タッチモニターも獲得。メーターパネルもモニター式になった。

車内空間は流石に大きく広げることは難しく、メルセデス・ベンツEクラスと並ぶことはできないだろう。しかし最新の5代目Cクラスと比べれば、広く感じられると思う。

前編で触れたとおり、英国では価格も見直された。モデルの仕様を揃えれば、XFはメルセデス・ベンツCクラスやBMW 3シリーズと並ぶ場所にある。

後輪駆動のXF Rダイナミクス SEなら、英国では3万7000ポンド(約562万円)ほどで手に入る。一方でBMW 320d Mスポーツは4万ポンド(約608万円)を少し超え、C 220d AMGラインは4万2000ポンド(約638万円)を上回る。

数字としては、Eセグメントに属するジャガーXFが一番安い。今回の試乗車は四輪駆動ながらD200で、その差はさらに広がる。

残価設定プランで比較すると、英国ではBMWが1番手頃になる。3年後の予想残価が高く、結果的に毎月の支払額を小さく抑えることができるようだ。Cクラスも条件は似ている。とはいえ、大きな違いとまではいえないだろう。

最新の大型モニターに多くの操作系を集約

ドアを開いて車内を比べてみよう。このクラスのエグゼクティブ・サルーンに求めるインテリアが、前後に大人が座れる空間を備えた、充実した装備と豪奢な仕立てだとするなら、3台ともに要件は充分にクリアしている。

一見、最新のメルセデス・ベンツが全体的に最もリードしているように思える。だが、すべてがそうとも限らないようだ。

インフォテインメント・システムは最新式で、テスラ風の縦に長い11.9インチ・タッチモニターがダッシュボード中央に据えられる。音声認識機能もアップデートされ、自然な対話が可能。コネクティビティも充実し、無線でソフトウエアの更新もできる。

一方で、エアコンなどに個別のインターフェイスはなく、殆どの車載機能の操作はタッチモニターを介すことになるが、最も直感的にデザインされたシステムとはいえない。簡単な目的でも、タップやスワイプを複数回はする必要がある。

タッチモニターが大きく寝かされているため、助手席側から差し込む陽光を反射し、ドライバーが眩しく感じることもあった。筆者は、BMWとジャガーのシステムの方が良いと感じた。

車内の実用性は互角。ジャガーがリアシートは一番広く、荷室容量も10%ほど大きい。そのかわりボディも大きく、全長は4962mmとCクラスより150mmほど長い。

素材や仕上げなどに一貫性がある2台

パッケージングで最も優れていると感じるのは、BMW 3シリーズ。190cm近い身長の大人がリアシートに座っても、3シリーズならXFと同じくらい快適に過ごせる。

メルセデス・ベンツCクラスはモデルチェンジで広くなったというものの、後席では髪の毛がルーフライナーに当たり、膝がフロントシートの裏面へ触れてしまう。前席側も、足もと空間が物足りない。

座面高は3シリーズより高く、シートの包まれ感も少ない。クッションは柔らかいのだが、快適性では及ばないようだ。素材や仕立ても、期待ほどすべてが高いとまではいえないだろう。

ステアリングコラムには、高級感の足りない光沢の強いプラスティックが用いられている。目線より下側の部品でも、成形品質やフィッティングが完璧とまではいえない。

そのかわり、ダッシュボードやドアパネルにはアンビエントライトがあしらわれ、クロームメッキも沢山。近年のブランドらしい雰囲気はある。優れた製造品質も感じ取れる。

それと比べると、3シリーズのインテリアにはデザイン的な派手さはないものの、全体的な素材や仕上げの高さなどに一貫性がある。ジャガーXFの印象も同等。2台の強みといって良い。

トルクが太いCクラスのディーゼル

パワートレインは、3台ともに4気筒ディーゼルターボ・エンジン。2022年初頭のエグゼクティブ・サルーンの動力源としては、あまり適切ではないかもしれない。だが、4代目W205型では、晩年まで英国で最も売れていたCクラスが220dだった。 

最新のCクラスへは、ガソリンとディーゼルの両方でプラグイン・ハイブリッドが投入予定。どちらも最長96kmという、EVモードでの航続距離を備えるという。こちらの比較はまた別の機会としよう。

メルセデス・ベンツの4気筒ディーゼルは明らかにトルクが太いが、320dやXF D200より、高負荷時に荒々しい回転フィールやサウンドが伝わってくることがある。高速巡航時の洗練性は、XF D200が一番良いようだ。

ディーゼルエンジンの質感や洗練性、車内との隔離性などを総合的に判断すると、トップはジャガー。次がメルセデス・ベンツで、BMWも拮抗している。Cクラスのユーザーは、1番を望むことだろう。そうあるべきだと思う。

エグゼクティブ・サルーンでは、動力性能より運転のしやすさが優先されるかもしれないが、Cクラスはここで好印象。4気筒ディーゼルはスポーティーとまでは感じないものの、日常的に扱いやすい、スイートスポットと呼べる能力を備えている。

ただし、その能力も近似している。3台ともに高速道路の速度域までたくましくスピードを上げ、粘り強く、燃費も17.0km/Lくらいは充分に狙える。車重が1794kgと1番重いジャガーが、燃費や余力では1番不利ではあるけれど。

この続きは後編にて。

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みんなのコメント

11件
  • 非購入層はコメントするべきでない。自分の年収の低さを呪え。
  • 世界的なインフレ
    日本は無能な財務省のせいでデフレ
    輸入品は高嶺の花になる事は当然な流れ
    単純に給与が上がらない事が問題ではない通貨の平均流通量が世界的にみても少な過ぎる
    欧米では普通の車だけど日本人には高級車
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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