アルファ・ロメオ166の価格は上昇傾向
text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)
【画像】アルファの4ドアサルーン 166と156、159、ジュリアを見比べる 全72枚
translation:KENJI Nakajima(中嶋健治)
歴代のアルファ・ロメオでも、デザインの評価が振るわなかった166。だが価格以上に楽しめ、後々値上がりする可能性もある。
2009年に英国で減価償却が早いクルマをリストアップしたときも、アルファ・ロメオ166が含まれていた。実際、当時の中古車価格は、平均で新車時の14.4%程度という安さだった。
フランスやドイツ・ブランドに並ぶ人気を、最後まで獲得できなかったアルファ・ロメオ166。販売台数は後半に激しく落ち込み、2007年に生産が終了。2009年といえば、それから2年しか経過していなかったのだが。
しかし、その頃の価格が最下限。アルファ・ロメオの部品サプライヤーを営み、166のファンでもあるレイチェル・ホワイトヘッドによれば、ある程度の状態を保つ166の取り引き価格は、今の英国で2500ポンド(35万円)を上回るという。
「近年、英国ではアルファ・ロメオ166の価格は上昇傾向にあります。欲しいと考えているなら、今が買いどきでしょう」。と話す。
そう聞いて、心が動く読者はどの程度いるだろう。この記事を執筆時、燃費の良くないイタリアン4ドアサルーンに、9995ポンド(139万円)という強気の値段を付けている売り手もいた。
丁寧に扱われてきた個体も少なくない
そのクルマは、英国で探したなかで一番高価なアルファ・ロメオ166。是非モノの3.0L V6エンジンを搭載し、玉虫色に変化する魅惑的なボディに艶のあるレザーインテリアを備え、状態はかなり良いようだ。
過去6年間は屋根付きガレージに停められ、走行距離はわずかに6万1100km。整備記録も一式揃い、高い値段だけの内容ではあった。
しかし少し探せば、はるかに安い166がすぐに見つかる。聞き惚れる響きの6気筒エンジンを諦める必要もない。運が良ければ、3.0Lの166を3000ポンド(42万円)くらいから見つけることができる。
166には、2.5LのV6エンジンも存在している。英国では、評価の高い2.0Lの4気筒ツインスパークや、2.4Lの5気筒ディーゼルを選ぶこともできた。ただし、ディーゼルが英国に入ってきたのは2003年まで。現在はほとんど残っていないようだ。
英国で流通している右ハンドル車の多くは、2003年のフェイスリフト前。スタイリングには大きく手が入り、シャシーは改良を受け、エンジンのラインナップも見直しされている。その2年後、英国への正規輸入は販売不振でストップしてしまった。
フェイスリフト後の166も見つけられなくはないが、かなり珍しい。BMW 5シリーズに対するアルファ・ロメオからの回頭、という位置づけながら、その仕上がりは充分とはいえなかった。
現在の中古車で、修復前提という166は少ない。多くは、アルファ・ロメオのクラシックとして、可能性を理解するオーナーが大切に乗っている。コストを惜しまず、丁寧に扱われてきたクルマも少なくない。
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
タイミングベルトが近年交換してあるなら、セールスポイントの1つになる。複雑なツインスパーク・エンジンでは特に。
アルファ・ロメオはV6エンジンで11万5000km毎の交換を推奨しているが、実際は8万km前後で交換した方が安全。その際は、ウオーターポンプも一緒に交換しておきたい。タイミング・バリエーターは摩耗しやすく、新品に交換するのも得策。
クーラントホースは、新しく張りがあるか確かめたい。オーバーヒートはエンジンに大きなダメージを与えてしまう。
ボディ
ボディは亜鉛メッキされており、多くのクラシック・アルファほど錆の心配は不要。しかし、リア・サスペンション・ストラット上部やホイールハウスの内側、バンパー両端付近やフロントフェンダー周辺などの状態は確認したい。
ボディの修復技術が充分でないと、いずれ問題になりがち。過去の修復履歴なども確認したい。シャシー下面の腐食を防ぐため、飛び石キズを直し、アンダーシールを再塗布した方が良いだろう。
電気系統
エンジンルーム内のドレンが詰まると、ヒーターマトリックスからの水分がスポルトニックのECUを濡らし、故障を招くことがある。状態確認と同時に、助手席の足元付近にあるECUを保護する対策をとっておくと良い。
集中ドアロックの故障は一般的。通常は接触不良やピンの固着、モーターの不具合などが原因。自身で直せなくもない。ヒーターのファンモーターも弱点の1つ。エンジンルーム側からの修理となり、交換には手間がかかる。
インテリア
プラスティック製の内装パーツは、経年劣化で表面がベタついてくる。交換が最善ながら、クリーニングとビニールペイントの再塗装で対策は可能。
エアコン故障のエラーメッセージがメーターパネルに表示されたら、ヒーターマトリックスやファンモーターの不具合の可能性が高い。
専門家の意見を聞いてみる
レイチェル・ホワイトヘッド イタリパーツ社代表
「これまで、50台近くの166を所有し、取引してきました。スクラップ行きを防ぎ、状態を整え、適切に所有してくれる新しいオーナーへ引き渡すことをミッションとして考えています」
「英国へ輸入されたアルファ・ロメオ166は、3000台以下。現存しているのは400台くらいでしょう。可能な限り見つけて、救い出す努力をしています」
「わたしの好みは、3.0L V6のスポルトニック搭載モデル。英国市場としては、3.0L V6スーパーが一番人気は高いようですね」
英国ではいくら払うべき?
500ポンド(7万円)~999ポンド(14万円)
再塗装や重点的な整備が必要な状態の、長期間放置されていた166。
1000ポンド(14万円)~2999ポンド(42万円)
走行距離の長い、フェイスリフト前の166が英国では見つかる。タイミングベルト交換は必須だろう。
3000ポンド(42万円)~4999ポンド(70万円)
ほどほどに手入れの行き届いたV6エンジン版が英国では出てくる。中にはフェイスリフト後の166も。
5000ポンド(70万円)以上
状態が良く、装備内容も優れる166。低走行距離がほとんどで、整備履歴も残っていることが多い。
知っておくべきこと
2.0Lツインスパーク・エンジンで、明らかなパワー不足や過度の燃費、不規則な回転などは、致命的な不具合を抱えている可能性が高い。あるいは、単にエアフローメーターの不具合が原因のこともある。
エアフローメーターなら交換は簡単で、部品も英国では80ポンド(1万1000円)程度で手に入る。試乗で回転が乱れるようなら、購入前に一度確認しておいた方が良いだろう。
英国で掘り出し物を発見
アルファ・ロメオ166 2.5 V6 登録:2002年 走行:14万km 価格:4780ポンド(67万円)
アルファ・ロメオ166としては安くないものの、値上がり傾向にある166は、このように状態の良いクルマが中心。走行距離も英国基準ではそれほど長くはない。
前オーナーはアルファ・ロメオのコレクターで、2.5L V6エンジンにスポルトニック搭載と、スペックも良い。キアロ・シルバーのボディやテレダイヤル・デザインのホイールも人気だ。
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