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ロールス・ロイスがコーチビルド・ドロップテイルの第1弾「ラ・ローズ・ノワール」を発表

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ロールス・ロイスがコーチビルド・ドロップテイルの第1弾「ラ・ローズ・ノワール」を発表

ロールス・ロイス・モーター・カーズは、「ラ・ローズ・ノワール(La Rose Noire)」と命名された、同ブランドの4つの個性的なドロップテイル・コミッションの内の第1弾となるモデルを発表した。

この特別なモデルは、カリフォルニア州ペブルビーチ近郊で開催されたプライベート・イベントにおいて、依頼主にお披露目された。この製品には、最高位の鑑識眼とラグジュアリーを実証し、世界を舞台に活躍する依頼主である一族が大切にしてきた経験、重要なモーメント、芸術品が凝縮されている。実際、コーチビルドのデザイナーたちは、一家の自宅や自動車、ファッション・アイコンなどの著名なコレクションにおける、繊細かつ情報に基づいたキュレーションの手腕について、それ自体がアートのようであると評している。

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同モデルは、フランスを原産とし、依頼主の母親が愛したベルベットのような濃厚な花、ブラック・バッカラ・ローズの魅力にインスピレーションを受けている。その濃いザクロ色の花弁は、日陰では黒に近い色合いに見えるが、直射日光を浴びると暗い表面に真珠のような光沢のある赤いきらめきが現れる。

その主要なパレットは、次の2色から構成されている。最初の赤い色合いは、オーナーがこのコミッションに込めたいと願ったロマンスを表す「トゥルー・ラブ(True Love)」と名付けられた。ダークな色調は「ミステリー(Mystery)」と名付けられ、異なる角度から見ると色が変化するように見えるバラの神秘性から着想を得ている。実際に、依頼のプロセスを通じてオーナーを魅了したのは、真実の愛と探求、そして旅の神秘のエッセンスだった。

エクステリアのコーチワークは、艶やかで複雑なトゥルー・ラブ・レッドで仕上げられ、ブラック・バッカラ・ローズのように、ながめる視点によって色の変化を楽しむことができる。この豊かなバリエーションを実現するために、表面仕上げの専門チームは全く新しい工程を開発し、150回もの入念な繰り返しを経て塗装を完成させた。非公開のカラーを使ったベースコートの上に5層のクリアラッカーが重ねられ、各層には異なるトーンのレッドがブレンドされた。

デュオトーンのテーマは、同モデルのブライトワークにも適用されている。液状であるため、ハイドロシェードと名付けられたこのダーク・フィニッシュは、本プロジェクトのために特別に開発。これらのピースに施されるのは塗装ではない。クロムメッキ工程では特定のクロム電解質が導入され、クモの巣状の絹糸一本とほぼ同じ幅であるわずか1ミクロンの厚さの層として、それぞれのステンレス鋼基板の上は共皮膜で覆われている。暗色でありながら反射性のあるその仕上げ方法は、インテリア全体に施された厳選メタル・ディテールにも使われ、その一つひとつが手作業で精密に研磨された、光沢のある仕上げとなっている。

取り外し可能なハード・トップは、ドロップテイルに2つの異なる個性を与えるためにデザインされた。ルーフを開いた状態のドロップテイルは、しなやかなオープントップのロードスター。ルーフを取り付けると、圧倒的でドラマチックなクーペとなる。非常に低く設定されたラ・ローズ・ノワールの専用ルーフは、高速走行を実現する長めのレーキ角によってさらに誇張され、その自信に満ちた魅惑的な個性を支えている。その背後には、ロールス・ロイスにとって初となる、車名を記したインゴットが配置されている。この完全なビスポークのルーフには 、エレクトロクロミック・ガラスも採用され、ボタンを押すだけで瞬時に半透明に近い色合いに変化し、搭乗者を上空の世界へと誘う。

依頼主が持つディテールへの情熱は、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのパンテオン・グリル・ベーンにも表現されている。トゥルー・ラブのペイントは手作業でベーンの裏面に施され、控えめな装飾アクセントとして間接的な反射が発生した場合にのみ可視化される、上品なディテールといえる。

このさりげない華やかさは 、入り組んだフロント・エア・インテークの下部にもみられる。この非常に詳細なパーツは、デジタルで設計した後に軽量複合材を用いて3Dプリントされたもので、手作業の研磨とトゥルー・ラブのカラーでハンドペイントを施した202個のステンレス製インゴットを組み込んでいる。

さらに、エクステリアの重要な要素のひとつは、ダーク・ミステリー塗装仕上げが印象的なアルミホイール処理となる。花そのもののように、その仕上げは遠方からは黒く見えるが、じっくり見ると、陽の光に照らされたダークレッドの下地がきらめく様子が見て取れる。ミステリー・ペイントをリムの表面全体に施した後に、高精度のダイヤモンド・フライス加工によってペイント部分を取り除き、露出したベース合金素材のアクセントを研磨している。この処理は、ホイールの方向性と22インチという大胆なサイズを強調し、このドロップテイルの圧倒的な個性を示している。

クーンのような特別なインテリア

このすばらしいモデルの最も注目すべき要素は、コクーンのようなインテリアです。ロールス・ロイスがこれまでに制作した中で最も複雑なパルケトリー(寄木細工)であり、約2年にわたる開発、徹底的な実験、手作業によるクラフツマンシップの集大成となる。

この作品では、1,603ピースの黒いウッド・ベニヤの三角形によって、舞い落ちるバラの花びらが抽象的に描かれた。極めて複雑な模様は、背景に1,070もの完全に対称な要素を使い、非対称に配置された533の赤いピースでバラの花びらを表現している。このアシンメトリーな仕上がりは、自然で有機的な花びらの「散り際」を表現するためにオーナーよりリクエストされたものとなる。

ラ・ローズ・ノワールの原産地、フランスへのさりげないオマージュとして、フランスで調達されたブラック・シカモア材を使用し、一つひとつ手作業で三角形にカットし、やすりをかけ、正確に配置。淡いグレーと濃いグレーで染色されたように見えるウッド・ピースは、実際には自然な色合いで表現されている。この色調の違いは、複数の丸太の単板を使用することで生まれ、ウッド・ベニヤの自然な模様によるもの。時間の経過に伴う色褪せを防ぐため、赤いピースの作成にのみペイントを行った。さらにロールス・ロイスの職人たちは現代工芸を投影したこの類まれな創作を保護するために、1年かけて新しいラッカー製法を開発した。

リアのショール・パネルからドア、そして広範なフェイシアに至るまで、この複雑なディテールを備えたウッド・ピースは、搭乗者を包み込むように囲む。その組み立てには高度な集中力が必要とされ、完璧に完成させるために必要な集中力を維持するには、1人の職人が1度に1時間、1日あたりわずか5時間の作業が限度だった。見習い時代からロールス・ロイスに在籍している職人は、気をそらす可能性のある要因を減らすため、遮音された空間に数週間入り、完全な静寂を保った環境で作業を行なった。正に芸術作品と呼ぶにふさわしい作品の完成には、9カ月以上を要した。

ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのインテリアを詳しくみてみると、2つのシートの縁には、ダークレッドのミステリー・レザーとライトレッドのトゥルー・ラブ・レザーの装飾が施され、それぞれが微妙な銅の微光を放ち、ブラック・バッカラ・ローズの花弁のような真珠光沢の質感を思わせる。

取り外し可能な特別なタイムピース

ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルのフェイシアには、依頼主が特別に注文したオーデマ ピゲのワンオフのタイムピースが組み込まれている。43mmの「ロイヤル オーク コンセプト スプリットセコンド クロノグラフ GMT ラージデイト」は、フライバック クロノグラフとスプリットセコンドを備えた独自の自動巻きムーブメント、キャリバー4407を搭載。ラ・ローズ・ノワールのカラーリングに見事にマッチしたこの時計には、赤いカウンターと赤いインナーベゼルが組み合され、ロジウム仕上げのベゼルで強調されたブラックのオープンワーク・ダイヤルとの鮮やかなコントラストが生み出されている。

このタイムピースを組み込むことは大きな挑戦だった。オーナーのリクエストは、自動車への搭載と同時に、ストラップを付けて身に着けることができるよう、取り外し可能であることだった。そのため、ボタンに触れるだけでタイムピースをそっと表示させる動力式のクラスプが採用された。

タイムピースを取り外すと、フェイシアの開口部はエレガントなチタン製の透かしが施されたブランクヘッド・ウォッチで覆われ、オーデマ ピゲの職人が手彫りで仕上げたバラの彫刻が現れるホワイトゴールドのコインが際立つ。ビスポーク・オーディオのスピーカー・フレットには、このモチーフをベースにした繊細なバラのエングレービングが施されている。スイスを拠点とするオーデマ ピゲのアトリエで、一つひとつ手作業で丹念に作られたこれらのピースは、車両全体で唯一ここだけにバッカラ・ローズそのものが描かれている。

なお、タイムピースがフェイシアに表示されている間、ストラップとブランクヘッド・ウォッチはドアパニエのスリムでソフトなレザー製ポーチに収納することができる。

記念すべきコミッション

ロールス・ロイス・ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルの制作を祝して、オーナーはお気に入りのワイン生産者のひとつであるシャンパーニュ・ド・ロシーの特別なヴィンテージをオーダーした。同モデルのためにつくられた希少なワインは、シャトーが160年の歴史の中で生産した、ほんの一握りの貴重なヴィンテージのひとつであることを鑑みても、極めて重要な意味を持つ。

完璧な演出のために、一家は唯一無二のロールス・ロイス・シャンパン・チェストをリクエストした。車両の色調や素材に合わせてコーディネートされたこのチェストには、お揃いのバラの花弁のパルケトリーが施され、コーチビルドのロールス・ロイスと同様に細部に至るまで細心の注意が払われている。

ボタンを押すとシャンパン・チェストが開き、手吹きクリスタルのシャンパン・フルートが並ぶ、手の込んだシャンパン・セットが現われる。外側の蓋は、対称になった木目のオープン・ポアのブラック・シカモア材で作られたサービングトレイに変身し、ブラッシュ仕上げとレーザーカットのステンレス製インレイの中央には、シャトーのデザインが施されている。

サイドは、ラ・ローズ・ノワール・ドロップテイルと同じ複雑な寄木細工で装飾されている。一旦開くと、車のカラー・スキームに合わせてデザインされた2つのハンモックが現れ、特別仕様のシャンパーニュ・ド・ロシーを包み込む。ブラック・アルマイトとカーボン・ファイバーで作られた熱伝導率のよいシャンパン・クーラーも格納されている。そしてダーク・ミステリーの色合いで仕上げられ、シャンパンを最適な温度に保つようになっている。

関連情報:https://www.rolls-roycemotorcars.com/

構成/土屋嘉久

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