1995年に発売した初代CR-Vは、青春の匂いがするクルマでした。
まだ「クロスオーバーSUV」という言葉を日本では誰も使っていなかった時代、「都市型クロカン」と呼ばれていた頃のCR-Vが大好きでした。
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どことなく愛嬌のあるスタイルと、使い勝手のいい室内のレイアウトで大ヒットした初代CR-V。それが2001年に2代目となり、2006年に3代目へ移行、2011年に4代目へチェンジするに至り、徐々にボディサイズが大きくなるにつれて人気も落ち、2016年には日本市場から撤退してしまいました。
そんなCR-Vが2018年8月30日、日本市場に復帰。
新型のボディサイズは全長4605×全幅1855×全高1690mm(4WD)。ライバルとなるハリアーやエクストレイルより少しだけ小さく、CX-5よりやや大きいサイズです。
新型CR-Vの実力はいかほどか。かつての青春の匂いは残っているのか。
その真価を実感するためには、街中から高速道路まで、じっくり乗れる環境で試すしかない。
そこでどうせならと、2018年9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震の復興支援(主に食べて応援)もかねて、新型CR-Vを北海道にて試乗してきました!!
(※なお本稿はクルマの写真とクルマの話よりもグルメ情報のほうが存在感がある気がしますが、当サイトはあくまで自動車情報専門サイトです)
文:ベストカーWeb編集部 写真:中里慎一郎
■東京から約2時間で茨城の大洗フェリーターミナルへ
愛車で北海道の大地を走りたいなら、カーフェリーがいい。
当サイトではそう確信しております。というのも、高速道路で本州を北上する旅もいいが、カーフェリーなら茨城県大洗町(都内からだと約2時間)から船でぐいーんと一気に苫小牧へ。陸路で北海道へ向かうのと比べると、高速道路代やガソリン代を考えれば断然お得だし、なによりドライバーや同乗者の疲労度が段違い。北海道に着いてからの運転を楽しみたいなら、断然フェリーだ。
そこで取材班は今回、大洗フェリーターミナルから商船三井フェリーさんが運営する「さんふらわあ ふらの」に乗船することにした。
カーフェリーは事前に名前、年齢、クルマの全長などを登録しておけるため、フェリーターミナルに到着すると、車検証での確認作業のみで乗船券が発券される。
乗船券はカード型で、部屋のカードキーも兼ねている。
フェリー前にはクルマを並べて待機するスペースがあり、まずはクルマを置いて入場開始する午後17時半を待つ。記念撮影をぱちり。うん、かっこいい。
船旅は19時45分大洗発~翌日13時30分苫小牧着。
乗用車の前にトラックの積み込みがあり、次には乗用車が乗り込む。係員が無線で確認しながらクルマをタイプ別に誘導。大型のキャンピングカー、ワンボックス、SUV、コンパクトカー&セダン&ワゴンにクルマを振り分けて積み込まれる。
係員の誘導でそろそろと船に乗り込み、車庫にクルマを停車。厳密な枠線などはなく、クルマを止めたところで固定作業が行われる。
駐車した「デッキ2」から客室のある最上層の「デッキ7」までエレベーターで上がって、これで乗船完了。同乗者はタラップより入場となる。
今回の部屋は「プレミアム」。高いほうから2番めのプランで、運転手・同乗者合計2名/乗用車5m未満1台、料金は合計70,220円でした。2人+1台でこの価格。
■カーフェリーで北海道へお金を使いに行こう!
クルマを乗せてしまえば、あとは優雅な船旅だ。
ベッド2つの個室で、バルコニーつきとなかなか豪華。最上階なので、明るくなってからの眺めはすばらしい。外のバルコニーに出て風に当たることも出来る。
食事は乗船直後の夕食、翌日の朝食と下船前の軽食の3食をレストランで食べることができる。
夕食はメインを選び、サイドメニューやごはん、パン、サラダ、デザートなどをビュッフェ形式で好きに選ぶことができる。ドリンクバー付きで1500円はお得。どれもおいしく、食べ過ぎに注意である。
朝食はバイキングで1050円、軽食はカレーかジャージャー麺が選べて500円だ。
船の揺れが気になるかとも思ったが、(担当者は船酔いしやすいタイプなので実は戦々恐々だったが)これがまったく、本当にまったく気にならず就寝。
翌日の下船は同乗者と一緒にクルマに乗り込み、係員の誘導で降りる。係員が丁寧に出やすいクルマから動かしていたのが印象的だった。
クルマを乗せたら美味しい食事をいただいて、素敵な部屋で寝て起きて大海原を望む景観を楽しんだら北海道に到着。うーん、カーフェリーの旅、最高では。
※「さんふらわあ ふらの」によるカーフェリーの旅、詳細が知りたい方はこちらをご参照ください。
■「お客さんが減っているのが一番困る」
苫小牧フェリーターミナルからクルマで約10分のところに「海の駅ぷらっとみなと市場」がある。海産物のおみやげの購入や食事が楽しめる観光スポットで、この施設の向かいに「マルトマ食堂」というホッキ貝カレーがおいしいことで有名な店があるのだが、朝6時~午後2時までの営業のため今回は間に合わなかった。無念。
代わりに海の駅の「わがまま丼苫小牧食堂」で小海鮮丼と小ホッキ貝カレーのセットを食べたが、新鮮なホッキ貝の濃厚なカレーは絶品であった。
海の駅の店員さんに先日の北海道胆振東部地震について聞くと、やはり厚真町の被害がひどかったという話であった。さらには観光客が減っていることを嘆いていた。
皆さん、北海道旅行、行きましょう!
苫小牧フェリーターミナルから厚真町まではクルマで約1時間。厚真町の町役場を目指したが、近づくにつれて舗装が全面的に剥がされている場所や通行禁止になっている橋と遭遇。
町役場から山側へ向かうといくつも通行止めがあり、地滑りを起こしてむき出しになった山肌、いくつもの倒木、土砂によって傾いた家屋もあった。
北海道胆振東部地震の被害といえば北海道全土の停電が印象的で、その停電が回復した時点で本州では復興にまつわる関心が減ってしまった側面があるが、実態を見るとまだまだ「地震以前と同じ」というレベルには届いておらず、なにより観光客が減っているという状況が問題だ。
現地で観光を楽しむことでお金を落として、微力ながら復興支援の一助にしたい。
苫小牧フェリーターミナルから札幌市街中心部までCR-Vで一時間強。
明日はじっくりこのクルマの真価を試したい。
■北海道でも感じるサイズアップ
新型CR-Vの駆動ユニットは2タイプ。1.5Lターボと2Lハイブリッド(ハイブリッド仕様は11月発売)。これにそれぞれFFと4WDが組み合わされる。今回試乗したのは1.5Lターボの「EX・Masterpiece」という上級グレード。
この仕様には3列シートの7人乗り仕様も用意されているが、今回の試乗車は5人乗り仕様だった。
札幌市街、いわゆる交通量の多い都市部で試乗した最初の印象は、「CR-V、大きくなったなぁ…」というところ。感覚で言うとランクルを動かしているような気分。
そりゃそうだ。20年前の初代CR-Vは全長4385×全幅1750×全高1675mmだった。それが新型は全長4605×全幅1855×全高1690mm。車格にして1.5倍くらいに感じる。
道幅の広い秋の札幌でも、その車幅の大きさは充分に感じることができる。
そのいっぽうで全体的な「使い勝手のよさ」は現代的ミドルクラスSUVの真骨頂といえる。後席を倒すと1756L(VDA)という広大な荷室スペースが出現し、上級モデルに用意される「ハンズフリーアクセスパワーテールゲート」(両手がふさがっているときに、ボディ下部に脚を差し入れると自動でテールゲートが開く装備)は、こういったドライブに最適。4人ぶんの旅行装備もらくらく搭載できるし、荷物の出し入れも手軽。
市内中心部の「時計台」で撮影し、そこからクルマで15分、札幌場外市場で朝食へ。本企画担当者が普段から「もしある日、余命3カ月と宣告されたら、ここにこれを食べに行く」と言っている「北のグルメ亭」の特製海鮮丼(2000円)を食す。
うまし。
(※札幌市中央卸売・場外市場 北のグルメ亭情報はこちら)
続いて札幌市街が一望できる大倉山と宮の森のジャンプ競技場へ。向かう山道は軽いワインディングとなっていて、ここでハンドリングをチェック。
吸排気デュアルVTCを備えた直噴1.5LのVTECターボエンジン(L15B型)は、先代(2.4L、NA)から大幅にダウンサイジングされたこともありパワー不足が心配であったが、乗ってみるとまったくの杞憂であった。
低回転からしっかりとトルクが出ることで、山道でも軽やかな身のこなしを実現させており、運転しているとなかなかに楽しい。ロールもスムーズで、ここらへんの足回りのセッティングはさすがホンダといった仕上がり。
本音を言えば急勾配の上り坂では「もうちょいパワーがほしいかな」と思う場面もあったが、そちらはハイブリッド仕様に期待したい。
いい感じの撮影スポットでSNS映えする写真を撮って、羊ケ丘展望台から高速巡航をチェックするため道央道で新千歳空港へ。
真っ直ぐに伸びる高速道路を巡航してみて、新型CR-Vが一番得意なシチュエーションはこれか、と実感した。乗り心地と静粛性がすばらしい。
いかついフロントマスクなのであまりイメージがないが、新型CR-Vは空力特性を追求されている。アクティブノイズコントロールも採用しており、値段を考えると競合することになる高級SUVとも、この点では充分渡り合える。
この巡航時の乗り心地は足回りのセッティングも揃えられており、特に後席に乗った時の快適性はクラストップレベルといえる。
またホンダ自慢の先進安全技術、「ホンダセンシング」が全車標準装備なのもCR-Vの大きなポイント。歩行者検知機能の付くミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた最新式で、「サポカーS〈ワイド〉」に認定されている。
■計画台数の4倍と販売好調!
今回試乗した新型CR-Vのグレード(1.5Lターボ、EX・Masterpiece)は381万7800円。同クラスのハリアーやエクストレイル、フォレスター、CX-5と比べると、やや割高感は否めない。
しかし今回実感した室内快適性、ハンドリングと高速巡航での静粛性や安定感、それに先進安全装備が標準で装着されることを考えると、買い得感はかなり高いと実感した。特に(今回の試乗コースのような)街中だけでなくワインディングや高速巡航も併用するような人にはぴったりだろう。
ちなみに新型CR-Vの月販計画台数は1200台で(往年の大ヒットを考えると)やや弱気な設定であったが、発売後1カ月での累計受注台数は5000台を突破。計画の4倍となった。
販売比率はハイブリッドが43%、1.5Lターボが57%。ガソリン仕様は5人乗りが68%で7人乗りは32%だとのこと。
今の時点では「待っていたファン」が殺到しているだろうから、売れ行きが好調なのは当然だろう。真価が試されるのはこの年末商戦から。やや強気といえる価格設定は、しっかり中身を伝えられればそれほど高いとはいえないとわかる。
上述のように、ハリアーやエクストレイルといったSUV界の両エースに加え、フォレスターやCX-5といった第二勢力も強いこのカテゴリー、新型CR-Vが存在感を発揮できるかどうかは、販売戦略にかかっている。「乗ればいい」というのはわかった。ではどうやって乗ってもらえるか。そうした戦略に注目したい。
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