長距離の運転がメインでない軽トラックには必要性が高くない
最近では国内だけでなく、アメリカからも注目を集めている日本の軽トラック。現在ではダイハツ・ハイゼットトラック、スズキ・キャリイトラック、ホンダ・アクティトラックの3車種が存在しており、トヨタやスバルにはハイゼットが、日産、マツダ、三菱にはキャリイがOEM供給されている。
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3車種とも限られたサイズのなかで特色を出そうと試行錯誤されており、働くクルマとしての完成度は感動を覚えてしまうレベルであるが、じつは3車種ともに共通している点がある。それはターボエンジンを搭載したモデルが存在しないということだ。
と言っても昔からなかったわけではなく、キャリイトラックは先代にターボが、スバルオリジナル時代のサンバートラックにはスーパーチャージャーが存在しており、現行型でもバンタイプのハイゼットやエブリイにはターボモデルが引き続き設定されている。
では、なぜ軽トラックのみターボモデルが消滅してしまったのだろうか?
そもそも軽トラックは軽バンとは異なり、荷物をたくさん積んで長距離を走ることを想定していない。ユーザーの多くが農作業など近場の移動に使っており、そもそも過給機の必要性が高くないというのが理由のひとつだ。
また、ターボ付きとなると当然車両価格が上がってしまうが、自宅と畑の往復をするだけのために買う軽トラックが高くなってしまっては困ってしまうだろう。事実、軽バンには存在しない「エアコン・パワステレス仕様」が軽トラックにのみ用意されているのも、極限まで購入時の出費を安くしたいユーザーがいることを物語っている。
そしてターボエンジン、とくに小排気量の軽自動車のようなものはじつはオイル管理がシビアなのだ。とくに軽トラックのように短距離、短時間移動が多いとよりエンジンオイルへの負担は大きくなる。
しかし、軽トラックのユーザーは意外とメンテナンスに気を遣わずに乗り続けてしまう人が多く、結果的に重大なトラブルを招くというケースも少なからず発生していたようだ。
こういった理由から、現行型の軽トラックにはターボエンジンを搭載したモデルが消滅してしまったワケだが、コアな軽トラックユーザーのためにターボエンジンへの換装やボルトオンターボ化をしているショップなども存在している。気になった人は検索してみると新たな扉が開かれるかもしれない。
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