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【6気筒ケイマン比較試乗】ポルシェ718ケイマンGTS 4.0x718ケイマンGT4 どちらが理想か 前編

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【6気筒ケイマン比較試乗】ポルシェ718ケイマンGTS 4.0x718ケイマンGT4 どちらが理想か 前編

ヴァイサッハ開発センターが手掛けたモデル

text:Andrew Frankel(アンドリュー・フランケル)

【画像】718ケイマンGT4と718ケイマンGTSを比較 ボクスターも 全102枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


ポルシェが生み出すクルマは、常にちゃんとポルシェしている。多くのクルマ好きが理解する真実だと思う。

911だけでなく、大きなSUVや4ドアサルーン、純EVまで手掛けるようになったポルシェだが、その多くに高い評価が与えられてきた。すべてのモデル、というわけではないけれど。

2シーターのスポーツカー、ケイマンとボクスターも紛うことなきポルシェだ。AUTOCARの読者なら、SUVよりシンパシーを感じるクルマのはず。

そんなスポーツカーには、ポルシェ自身が設計したモデルのほかに、モータースポーツ部門のヴァイサッハ開発センターが手を加えたモデルが存在する。GT2とGT3、RSの分身といえるGT4、そしてスパイダーたちだ。

もちろん、標準のポルシェ911や718ケイマン、ボクスターは素晴らしい。それはいつものこと。だが、究極のドライビング体験を味わうなら、モータースポーツ部門のクルマに敵わないことも、いつものことだった。

ターボチャージャーで加給された、2.5Lの水平対向4気筒を718ケイマンGTSのエンジンルームから取り出し、ケイマンGT4の4.0L水平対向6気筒を搭載しようと、2020年にポルシェは判断した。英国での価格差は、約1万1000ポンド(148万円)と決められた。

もしかすると新しいGTSは、GT4より良いかもしれない。思わず、そんな想像をしてしまう。ヴァイサッハの開発センターでも、小さくない動揺が起きているだろう。

GT3譲りのサスペンション周り

モータースポーツ部門が生みだすポルシェが、素晴らしい理由。それは、常に別のポルシェを目指しているから。アストン マーティンやBMW、メルセデスAMGとは、考え方が違う。

フラット6の718ケイマンGTS 4.0は、モータースポーツ部門のGT4より優れているのだろうか。今回の比較試乗のテーマは、筆者の想像が本当なのか勘違いなのか、実際に確かめること。

718ケイマンGT4は、フロントバンパーなど見た目から標準のケイマンとは違う。GT4という期待値の高い名前には、それだけで追加費用の価値もあるだろう。

GT4には、GT3譲りのフロント・サスペンションにコントロールアーム、専用のダンパーが与えられている。ふんだんに投入された空力的なボディキットは、スタイリングを引き締めているだけでなく、ダウンフォースも高めている。

今回試乗した眩しいイエローのGT4には、オプションのレーシーなバケットシートにロールケージ、カーボンセラミック・ブレーキも付いていた。それだけに価格は高く、英国では9万4506ポンド(1275万円)になってしまう。

一方でライトグリーンのGTSには、オプションがほとんど付いていない。ドライビング体験も、ほぼ素に近いだろう。英国での価格は7万4343ポンド(1003万円)で、GT4より2万ポンド(270万円)も安い。

小さくない価格差をイメージしつつ、初めに運転したのは718ケイマンGT4。走り出してみると、モータースポーツに近い存在であると、強く感じ取れる。

雨でもGTSならもう一押しプッシュできる

しかし、ほかのケイマンとは違うGT4というイメージ通りの体感を強めるには、より一生懸命に運転する必要があるようだ。大幅に向上したGTSと比較してみると、特にそう感じられた。

GTSの4.0Lフラット6は、GT4のものと同様に、従来のフラット4が持っていた課題をすべて解決している。自然吸気版で感じられたトルク不足も、ターボ版で感じられたサウンドの物足りなさや、アクセルレスポンスの鋭さも。

ロング化されたギア比にも、意味を感じさせられる。もちろんGT4のサウンドは良い。でも、GTSに並ぶような音響ではもの足りないことも確か。もっと特別な、GT4らしさを得るべきだと思う。

GT4は、一般道では充分なロードホールディング性を発揮できていないようだった。試乗したルートは、AUTOCARではよく運転する区間。適度にチャレンジングで路面が荒れた部分も混ざり、不意なカントが付いていたり、途中で曲率が変化するカーブも多い。

この道で必要となるのが、しなやかな従順さ。GTSであっても、ダンパーのセッティングを最も柔らかい状態にする必要があったほど。

GT4が履くのは、幅の広いミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2タイヤで、グリップ力も高い。エアロキットの影響もあってか、ステアリングの操舵感も重いが、ドライ路面でも必要以上のグリップに思える。

そう感じながら、718ケイマンGTSへ乗り換える。ウェット・コンディションなら、GT4で控えめに走りたいと思う場面でも、GTSならもう一押しプッシュできるだろう。

この続きは後編にて。

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