ポルトガルGPでポール・トゥ・ウィンを飾る
モータースポーツ界のレジェンド・オブ・レジェンドとも讃えられるアイルトン・セナ。日本におけるF1ブームの立役者のひとりで、アラン・プロストやナイジェル・マンセル、ネルソン・ピケなど錚々たるライバルたちとの死闘は今なお語り草になっている。F1の歴史を紐解けば記録と記憶の双方において圧倒的な実績を残し、世界中のモータースポーツファンから愛された天才レーサーだ。
アイルトン・セナがロータスF1で初勝利してから35年。その偉業を振り返る
“音速の貴公子”と呼ばれた天才F1パイロット
アイルトン・セナはその生涯でF1ワールドチャンピオンを3回、優勝41回、ポールポジション65回など、様々なレコードを達成している。こうしたF1における栄光のキャリアは、ロータスに移籍した1985年の活躍からスタートしたと言っても過言ではない。移籍初年度の1985年、4月21日に開催された第2戦ポルトガルGPにてアイルトン・セナはロータス97Tのステアリングを握り、予選をトップで駆け抜け自身初のポールポジションを獲得。大雨となった決勝レースでは終始トップを譲らずポール・トゥ・ウィンでF1初勝利を飾った。
その後も1987年シーズンまでロータスF1チームで戦い、ロータスに6度の優勝カップをもたらしている。モータースポーツ界だけでなくスポーツ界のアイコンとして愛され、母国ブラジルではその事故死にあたって国葬が営まれるほどの英雄として讃えられている。
栄光のキャリアはロータス97Tでの優勝から始まる
アイルトン・セナが初優勝を飾った際に乗車したロータス97Tは、シャシーにF1では初のバージボードを採用。フロントホイールとサイドポッドの間に設けられたバージボードはタイヤ周りの整流を促す効果があり、現在のモータースポーツにも連綿と受け継がれるエポックメイキングだった。アイルトン・セナと共に勝利を得たロータス97Tは、現在クラシック チーム ロータスによって保管・管理されている。
クラシック チーム ロータスのマネージングディレクターを務めるクライブ・チャップマン(ロータスの創始者であるコーリン・チャップマンの子息)は「チーム ロータスにとってアイルトンがロータスに加入したのはとても意味があった。当時は父が亡くなった後でチームはパニックになっていたが、アイルトンのテクニカルアビリティとドライビングスキル、そして何よりも高いモチベーションはチーム全体を奮い立たせ、F1に挑戦し、成功を収めることができた」と語る。
今もなお世界中で愛されるアイルトン・セナ
ロータスカーズの日本正規販売輸入総代理店を務めるエルシーアイの高橋一穂代表も、そんなアイルトン・セナに魅了されたひとりだ。高橋代表は自らロータスを駆ってスーパーGTに参戦するなどモータースポーツを愛し、レースで被るヘルメットはアイルトン・セナのデザインをベースにするなど彼の大ファンを自認する。1985年の4月21日にアイルトン・セナがF1初優勝を飾ってから丸35年のこの日、改めてアイルトン・セナの思い出を語った。
「セナはもちろん、努力も人一倍していたに違いありませんが、持って生まれた素質と才能がとにかく素晴らしかった。それは特に雨の中のレースで際立っていました。一番印象的だったのは鈴鹿のレースで雨が降ってきたとき、宿敵プロストに対し圧倒的に速かった場面です。雨のコンディションはなかなか練習するタイミングが無い上に、雨の降り方も一定ではなく路面も一定していないため、瞬間瞬間の状況の変化に対応する能力がすべてであり、この感覚、能力は今でもセナに勝るドライバーはいないと思います。もしあの事故さえ無ければと、今でも残念で仕方ありません」
1994年5月1日にサンマリノGPで不慮の死を遂げてからまもなく26年。没後も世界中で愛され続けるアイルトン・セナの伝説は、これからも後世へと語り継がれていくことだろう。
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みんなのコメント
一生このまま、ずっとめくる事ができないと思う。