1980~90年代にかけて「クロカン」ブームを支えた4WDが各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第22弾は「3代目パジェロ」だ。
ラダーフレームとモノコックを組み合わせた「ビルトイン ラダーフレーム モノコック」を採用
3代目パジェロがデビューしたのは1999年のこと。先代までラインアップされていたショートボディの幌モデル「Jトップ」は廃止され、2ドア5人乗りのショートボディ(V60系)と、4ドア7人乗りのロングボディ(V70系)のメタルトップボディのみで登場。
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先代モデルに比べ、曲線をさらに多用し、ワイド化を図ったボディは、快適性に加え、直進安定性も向上した。開発キーワードは「新世代の世界基準パジェロ」で、その「世界基準」の筆頭に挙げられる変化が、シャシ構造の大幅リニューアルだ。
2代目パジェロ01のV20・40系までは、クロカン車ご用達の古き良きラダーフレーム構造を採用していたが、3代目からは、モノコックにラダーフレームを備えた一体型ボディ「ラダーフレーム・ビルトイン・モノコックボディ」に変更された。これによりもの軽量化と低重心化を実現するとともに、高剛性化も果たしている。
先代モデル「パジェロエボリューション」と同様の4輪独立懸架式サスペンション搭載
一方サスペンションは、先代のダカールラリーベース車「パジェロ エボリューション」で実績を残した、フロントがダブルウイッシュボーン・コイル式、リアはマルチリンク式・コイル式を装着した。
また、独立サスペンションとなったことでストーローク量の減少を補う装備として、「アクティブスタビリティ&トラクションコントロール(ASTC)」を一部車種に採用。後に「ASTC」非装着車にも、リアにヘルカルLSD付きのデフロックがオプション設定した。
さらに、常に高速回転するプロペラシャフトを軽量かつ剛性アップすることで回転エネルギーを抑え、結果的に運動性能を向上させるカーボン製のプロペラシャフトを採用した。
新開発の3199cc 直4インタークーラーターボディーゼルエンジンを搭載
そしてエンジンは環境に配慮した2種を設定。当初はガソリンのGDI仕様3496cc・6G74型(最高出力220ps/最大トルク35.5kgm)と、新開発のディーゼルエンジン「4M41型」3199cc 直4インタークーラーターボの(最高出力175ps/最大トルク39.0kg-m)を搭載。
1年後にはガソリンエンジンの6G72型 2972cc V6(最高出力180ps/最大トルク27.0kg-m)を追加。さらに2005年には、6G74型を改め、6G75型 3827cc V6(最高出力219ps/最大トルク34.3kgm)を搭載した。
トランスミッションは4速ATと5速ATを組み合わせた。ただし、発売翌年にはINVECS-II スポーツモード5速ATや、MT仕様を設定するなど、選択肢を拡大。また、駆動方式も最新バージョンの「スーパーセレクト4WDII」を全車に採用するなど、随所に最新のシステムを揃えた。
ダカールラリーで三菱の高い技術力を証明したパジェロ
このようにあらゆる面で大幅進化した3代目パジェロだったが、一部のクロカン車マニアからの批判もあった。しかし、パジェロが長年参戦したダカールラリーで鍛え抜いた実績に偽りはなかった。大きな障害物を乗り越えるような悪路走行は苦手な面もあったが、荒野ハイスピード系の走りではズバ抜けた強さを誇っていた。
これまで栄光の道を歩み続け、世界に誇る進化を果たした3代目だったが、RVブームが一段落し、ミニバンブームが到来すると状況が一変した。ホンダ・オデッセイやトヨタ・エスティマなどに人気が集まると、最新システムを搭載したパジェロは価格や燃費から不利な状況に立たされた。また、三菱自動車のリコール問題やNOx・PM法の強化などにより、さらにパジェロへ風当たりは強くなった。
初代パジェロが登場した1983年からダカールラリーに挑戦し、このような悪条件化においてもパジェロは挑戦を続け、通算26回の出場を果たした。ダカールラリーといえば「世界一過酷なモータースポーツ」と言われ、完走するだけでも栄誉あるラリーだ。3代目が発売された2001年からは7連覇を果たし、トータルで12回の総合優勝に輝いた。
日本人ドライバーも活躍し、1997年には篠塚建次郎氏、2002年・2003年には増岡浩氏がパジェロを優勝に導いた。それらで得た技術やノウハウは市販車へフィードバックされただけでなく、三菱の高い技術力と、新たな試みに挑み続ける日本人魂を世界に知らしめることとなった。このようにパジェロが残した功績は、あまりにも偉大だったのだ。
[ アルバム : 3代目パジェロ はオリジナルサイトでご覧ください ]
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みんなのコメント
写真を見る限りやむを得ない。
こんな重そうで中途半端な感じでは売れないだろう