2016年7月にフルモデルチェンジしたメルセデス・ベンツEクラスに、2017年8月プラグインハイブリッドモデルが追加されている。発売から半年が経過しているが試乗の機会があり、EQパワーの現状をお伝えしよう。<レポート:高橋明/Akira Takahashi>
時代はEV化へ加速している。電動モーターを搭載し、従来のガソリンエンジンに組み合わされたハイブリッド、プラグインモデルが増えているが、欧州プレミアム勢は外部充電ができるプラグインハイブリッドモデルを拡充するトレンドだ。
アルファード/ヴェルファイア試乗レポート 新エンジンと装備充実のマイナーチェンジ
メルセデス・ベンツは今「EQ」というワードを使って電動化に関するコミュニケーションをしている。メルセデスが言うところのEQには4つのカテゴリーがあって、EQパワー=プラグインハイブリッド、EQブースト=ISGを使ったモデル、EQパワープラス=メルセデスF1ハイブリッドシステム、そしてEQ=電気自動車というカテゴライズだ。
ちなみに、EQパワープラスはF1からの技術が市販車にフィードバックされたモデルを意味し、またEQブーストは現在Sクラスに搭載さているインテグレーテッド・スタータージェネレーターで、マイルドハイブリッドを意味している。だが、現状ではSクラスにだけ搭載されている。
■ポジショニング
今回試乗できたモデルは「E350e AVANGARDE SPORTS」でE250AVANGARDE SPORTSに電動モーターを加えたタイプ。したがって価格も23万円高の798万円(税込み)とお買い得感のある価格が設定されている。そのためもあってか、供給不足気味というほどの人気車種になっているモデルだ。
さて、今回の試乗車E350eはEQパワーということになる。このEQパワーには現在Cクラスセダン/ワゴン、GLC/GLCクーペ、そしてEクラスセダンの5車種に展開をしているが、今後はもっと拡大されていくのは言うまでもないだろう。
E350eアバンギャルドスポーツはE250アバンギャルドスポーツをベースにモーターを搭載したセダンと説明した。ボディサイズは全長4950mm、全幅1850mm、全高1475mm、ホイールベース2940mmと通常のEクラスセダンと同サイズだ。ただし、バッテリーを搭載している分、車両重量は約200kgほど重くなっている。
搭載するエンジンは2.0Lガソリンで出力は211ps/350Nmに、65kw/450Nmの出力を持つ電動モーターが組み合わされている。システム合計で286ps/550Nmの大トルクを発揮するパワーユニットになっている。ちなみに、JC08モード燃費は15.74km/Lで等価EVレンジは20.1kmというスペックだ。そしてエコカー減税対象モデルで、自動車重量税、取得税が免税される。
搭載するリチウムイオンバッテリーは後方、後席、トランク付近に搭載し、電池容量は6.28kWhだ。電池容量は大きければ大きいほどEV走行距離が長くなるが、価格と重量が増えるという二律背反の要素。ちなみにプリウスPHVの電池容量は8.8kWhでモーター出力は23kW。アウトランダーPHEVは12kWhで60kwのモーターを搭載。ボルボXC90では9.2kWhの容量で22kw、28kwの2つのモーターを搭載というスペックになる。もちろんピュア電気自動車のリーフの電池容量は比較にはならない容量で40kWhを搭載し110kwの高出力モーターを搭載しているのだ。
プラグインハイブリッドとしては平均的な電池容量を搭載するE350eアバンギャルドスポーツだが、EV走行距離は20.1km。市街地から高速走行までをカバーできる。EV走行時の最高速度は130km/hというから、国内であれば高速道路もEV走行が可能なのである。
■200Vの普通充電
また、メルセデスのEQパワーは外部充電が200Vの普通充電のみ対応で、急速充電のCHAdeMO規格には対応していない。このあたりもEVとPHEVとの位置づけの違いなどが垣間見える。
というのは、欧州のプラグインハイブリッド車は高級車に設定され、量販モデルは内燃機関の高効率化で対応しているのが現状だ。これはバッテリー価格が高いため、高級車用アイテムと捉えているからだろう。そして搭載するモーターや電池容量からガソリン車のターボチャージャーの代替のような位置づけなのではないだろうか。したがってモーター走行の距離を稼ぐことや急速充電させることは不要であり、あくまでもエンジンのアシストアイテムという考えではないかと思う。
■試乗レポート
実際に試乗してみると、走行モードは「HYBRID」と「E-MODE」「E-SAVE」「CHARGE」の4つあり、ハイブリッドで走り始める。出だしは充電状態が満タンなのでEVで走り出す。市街地ではずっとEV走行だ。そしてインテリジェントアクセルペダルという装備があり、これはEV走行できる最大のアクセル開度を知らせるもので、アクセルペダルを踏み込んでいくと抵抗のある場所に触れる。そこをさらに踏み抜くとエンジンが始動し、エンジンとモーターでの加速に変わるというポイントを知らせる機能だ。
E-MODEは言うまでもなくEV走行モードで充電不足になると自動でエンジンが始動し、エンジンによる充電と走行が開始される。E-SAVEは反対にモーター走行を極力しないモードで、深夜の住宅街はEV走行したいといった時のために、市街地ではバッテリー残量を温存するために利用するといった使い方だ。また、CHARGEモードは強制的に充電するモードで、走行状況にもよるがフル充電までには、約1時間の走行で満タンになるという。
試乗では主にハイブリッドモードを試したが、EV走行時の静粛性からエンジン始動したときのギャップが気になる。この2.0Lガソリンエンジンの音はザラツキを感じるもので、最近ではディーゼルなのかガソリンなのか区別が難しいという進化もあり、このエンジン音を聞いたファーストインプレッションはディーゼル?と思った次第。
しかし、ある程度音には馴れるもので、エンジン走行をしていれば静粛性も高く、Eクラスらしいサルーンだと感じているが、EV走行になるとさらに静粛性が高まるので、かえってエンジン音が目立つという結果になっていると思う。
ハイブリッドモードでのパワー感は申し分がなく550Nmという大トルクは頼もしい。モーターアシストの好影響で市街地でのレスポンスではトルクフルで満足感が高い。また、重量増の影響なのか、どっしりとした正統派サルーンという印象で、Eクラスに相応しい高級感のある乗り心地だと思う。だが、アバンギャルドスポーツなので、タイヤサイズも含めスポーティな方向の乗り味であることは付け加えておきたい。
■価格
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