現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 「それはおかしい」 EV販売の過剰 "強制" に疑問 欧州の矛盾だらけ法規制が産業を壊す

ここから本文です

「それはおかしい」 EV販売の過剰 "強制" に疑問 欧州の矛盾だらけ法規制が産業を壊す

掲載 50
「それはおかしい」 EV販売の過剰 "強制" に疑問 欧州の矛盾だらけ法規制が産業を壊す

需要超える義務化はおかしい

環境規制は自動車産業にどのような影響を及ぼすのか。欧州ではいち早くゼロ・エミッション化を推し進めるが、さまざまな “弊害” を懸念する声も上がっている。

【画像】地域の産業・雇用を支える自動車製造【英国で生産されるステランティスの商用車を写真で見る】 全13枚

欧米系の大手自動車メーカーであるステランティスのカルロス・タバレスCEOは、英国で導入されているZEV(ゼロ・エミッション車両)義務化を「英国にとって恐ろしいもの」とし、国内の自動車産業を「死滅」させかねないと指摘する。

英国では、国内で乗用車を販売するメーカーに対し一定割合以上のZEV販売を義務付けている。今年設定された販売比率は22%で、2030年には80%、2035年には100%まで段階的に上昇し、事実上エンジン車の販売が停止される。

ステランティスは英国内に商用車の工場を抱えている。タバレスCEOは「EV販売の拡大を義務付けることは理にかなっていると思う」としながらも、「問題は、市場の自然需要に対するZEV義務の大きさと位置づけだ」と述べた。

タバレスCEOは「現在の英国市場におけるEVの自然需要は、義務の半分」と推定し、法律や罰金によって販売比率を高めることの危険性を指摘している。

「そういうところから物事が軌道から外れ始めるのです。現在のZEV義務化は、英国にとって恐ろしいものです」

「もし、EV販売構成比率が市場の自然需要の2倍になったり、守らなければ罰金を課すと言って追い詰められたりすれば、誰もがEVを市場に押し込むようになり、収益性が完全に破壊され、会社は破滅するでしょう」

「すべてが赤字になれば、ビジネスは破壊され、ビジネスを支える産業も破壊されることになります。それはおかしい」

「これは難しい話ではありません。業界を葬り去るような指令が出ているのです」

産業と雇用を無視してはいけない

タバレスCEOは4月24日、英国のマーク・ハーパー運輸大臣と会談し、現行のZEV義務化構造に対する「納税者に1ペンスの負担もかからない」2つの代替案を提案したという。

1つ目の提案は、乗用車と小型商用車(LCV)をZEV義務化の対象に含めるというものだ。これにより自動車メーカーに柔軟性を与え、目標達成のために人為的にEV販売を押し上げる必要がなくなるという。

2つ目の提案は、国内で販売されるかどうかに関係なく、英国で生産されたモデルをZEVの販売比率に加えることで、現地に生産拠点を置く自動車メーカーに報いるというものだ。

ステランティスの英国工場は2か所あり、主にプジョーやヴォグゾールの小~中型商用車を生産している。タバレスCEOは国内の産業と雇用に大きな影響を与えていると強調し、なぜ他の地域で生産しているメーカーと同じ条件が当てはめられるのかと疑問を呈した。

「現行のZEV義務化は、他国から(車両を)運んでくるメーカーと同じ扱いをするものです。英国で生産するメリットは何なのか? そして、どのように従業員の雇用を守るのか?」

「英国の工場で生産されたBEVは、英国内で販売されるものであれ、輸出されるものであれ、義務にカウントされるべきです」

「CO2は世界的な問題です。国境は関係ありません」

タバレスCEOは以前、好ましい生産条件を設けなければ、欧州諸国での雇用喪失や工場閉鎖を招くと警告している。国内で採算が取れなければ、結果的に産業にダメージを与えかねない。

「不採算事業で良いことは期待できません。もし、販売やマーケティングで赤字を出せば、製造業は下降線をたどるでしょう。我々は、利益を犠牲にしてまで市場シェアを高めるような会社ではありません」

また、ZEV義務化の内容の変更を急ぐべきだとして、「これは一晩で決めるべきことです。わたしの会社では、20分の会議で決定されたでしょう」と述べた。

一方、EVの普及促進のために英国政府が再導入を検討しているインセンティブ(購入奨励金)については、国民の税負担が増えることになるため賛同できないとの立場を示した。

EV普及のためには車両価格を全面的に引き下げる必要があり、車両の構造や生産ラインにコスト削減案を組み込まなければならないとしている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
「AI EV時代のトヨタ」めざすファラデー・フューチャー、新型EV『FX』最初の試作車が完成
レスポンス
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
待ってろスイスポ!!! FF1.3Lターボのピリ辛ボーイズレーサー[新型GRスターレット]は若者にも手が出しやすい250万円で登場か!?
ベストカーWeb
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
F1関係者への入国拒否が続くラスベガス。角田裕毅も足止め「危うく帰国させられるところだった。来られてラッキー」
AUTOSPORT web
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
Team HRC、S耐の2年計画を完遂。初期メンバーの武藤「楽しい環境がいつまでも続けばいいな」
AUTOSPORT web
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
“45年ぶり”マツダ「サバンナGT」復活!? まさかの「オープン仕様」&斬新“レトロ顔”がサイコー!ワイドボディも魅力の「RXカブリオレ」とは?
くるまのニュース
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
“ボロボロ”のランボルギーニ「ミウラ」に価値はある? マニア垂涎“ジャンクヤードのガラクタ”がオークションに登場! 気になる価格は?
VAGUE
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
なんとハイブリッド仕様も!! クラシックなボディに6気筒を押し込んだ[クラウン]セダンがスゴすぎる
ベストカーWeb
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
ミニバンなら日本車……とも言い切れんぞ! ちょっとマイナーだけどヨーロッパにも個性派ミニバンが存在した
WEB CARTOP
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
「すごい多重事故…」 関越道で「トラックなど3台が衝突」発生! 2車線が一時通行規制で「通過時間70分」の大渋滞 圏央道も混雑
くるまのニュース
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
SS12は“安全上の問題”でキャンセルに。SS11を終えた時点でトヨタ勝田貴元は総合3番手|WRCラリージャパンDAY3午前
motorsport.com 日本版
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
コンチネンタル、車内の生体情報を検知する革新的ディスプレイ発表へ…CES 2025
レスポンス
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
[圧倒的燃費]と環境性能! [トヨタ・ヤリス]を超えるクルマってぶっちゃけある? 
ベストカーWeb
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
給与が高いスイスに拠点を置くザウバーは例外? ハースF1小松代表、FIAが検討する予算上限”優遇措置”に反論「皆反対している。シンプルなままでいい」
motorsport.com 日本版
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
日産「新型スカイライン」発売! 歴代最強「匠“手組み”エンジン」×旧車デザインの「特別仕立て」登場も「次期型」はもう出ない…? 「集大成」完売した現状とは
くるまのニュース
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
実は大きく違う!? モータースポーツ総合エンターテイナー濱原颯道が開催した「クシタニライダー台湾人スクール」で感じた台湾人ライダーと日本人ライダーの練習環境の違いとは
バイクのニュース
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
旧車への憧れ、理由の1位は「デザイン」、人気車種は…旧車王が調査
レスポンス
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
いずれスポーツカー[バブル]は崩壊する!! その時あなたは買う勇気があるか!?
ベストカーWeb
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レゴとF1、パートナーシップを締結…2025年からクリエイティブな遊び提案へ
レスポンス

みんなのコメント

50件
  • yhj********
    そもそもCO2削減のための手段の一つにしか過ぎないはずのBEV普及が、目的になっていることがおかしい。結果として世界一CO2を排出する国を太らせているだけ。
  • bze********
    散々トヨタはおかしい!これからはEV!欧州に乗り遅れる!とか言ってたマスゴミがまた方針変更ですか?うざすぎ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村