カレントライフ読者の皆様でもアートジャンルに「オートモービルアート」という存在する事をご存じの方はまだまだ少ないのではないでしょうか。その名の通り「自動車」そのものを表現の対象にしたアートで、自動車が文化として根付いている欧米ではメジャーなアートジャンルとして確立しているのですが、残念ながらまだまだ日本での認知は低いようです。
日本の一大自動車生産拠点の愛知県で開催
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しかし、そこは日本の一大自動車生産拠点の愛知県、名古屋市西区にあるノリタケの森ギャラリーでは地元の有志による「オートモービルアート展」が毎年開催され今年で14回を迎えています。
「自動車」をモチーフにした作品であれば、画材、表現方法問わずオートモービルアートになるため、絵画やイラストはもちろん、彫刻や組木細工に焼き物、市販プラモデルも含まれ多種多彩な作品が展示されていました。
まずは造形作家の加藤勝也さんの作品
民芸品のような素朴で簡素な造形ながらも実車のディテールが自己主張してるあたりは、強烈な個性を放っていた往時の自動車ならではのものではないでしょうか。
木製カーモデラーの落合匡暢さんの作品
こちらは木製カーモデラーの落合匡暢さんの作品。エンジン本体や補器類、フレーム、ボディなどのパーツをすべて木材からのフルスクラッチで再現しています。
フォルムだけでなく、X型バックボーンフレームとロータスツインカムヘッドのケントユニットもリアルに再現しています。
シャシー、エンジンの再現はもちろんリアカウルの開閉ギミックに前輪のステア機能まで再現してるそうです。
斎藤勉さんのアルファロメオカングーロ
カーモデラーの方であればご存じの方もおられるかもしれません。斎藤勉さんのアルファロメオカングーロです。
1/24スケールのフルスクラッチですが、マテリアルまで実物と同じアルミニウムを使用、シリンダーブロックはアルミ鋳造、ホイールはマグネシウム鋳造です。
1/24スケールのメタルモデルでステアリングギアボックスまで再現、実際に操舵することも可能です。
こちらは、タミヤの1/12ケイターハムスーパー7ですが、主要な部品は斎藤さん自作の金属製パーツに置き換えられ、どこにタミヤの既成部品が使われているのか見あたらないくらいでした。
棚瀬和重さんのカーモデル作品
フジミの130系クラウンハードトップをベースに営業車グレードのクラウンセダンに改造、モデルカーズ誌224号のクラウン特集の作例として誌面を飾った作品です。
130系クラウンのクロームバンパーといえば名古屋ではコンフォートに代替する前のタクシーや教習車、パトカーでもおなじみで、かくいう筆者も免許はこのクロームバンパーの丸目四灯の教習車でとりました。
こちらもモデルカーズ誌の作例として誌面を飾った作品、改造というよりはセミスクラッチと言ったほうがいいくらいの大がかりな改造です。
陶芸家の小島豪(つよし)さんの作品
こちらは陶芸家の小島豪(つよし)さんの作品。
稲垣利治さんの切り絵
今なお根強い人気を誇るNA型ユーノスロードスターの切り絵。稲垣さんはカーデザイナー出身の切り絵アーティストとあって一度見たら忘れられない特徴的な絵柄です。
絵本作家の松岡正記さんの作品
こちらは絵本作家の松岡正記さんの作品。地元の市内に絵本作家の方がおられるというのはこの時初めて知りました。
もちろん自動車などの乗り物をテーマにした絵本を手がけておられます。
絵本の執筆の傍らジオラマ制作も嗜んでおらられるそうです。題材にENEOSのSSという日常の風景を選ぶあたりに、児童向けの絵本作家らしさを感じます。
今回唯一の女性作家こゆりさんの作品
今回唯一の女性作家こゆりさん。女性らしい色使いのビーズアートやドットアートを出展されていました。
実は熱心なメルセデスフリークでもあるとのこと。
題材となるクルマはSNSで見かけた写真のクルマのオーナーに頼んで作品化させてもらっているとのこと。
自動車文化の発展とともに日本にも根付いてくる
まだまだ認知度の低い「オートモービルアート」ですが、個展を開催するなど、精力的に活動している作家の方も多く、今後の日本の自動車文化の成熟ともに自動車を題材にしたアート作品の認知度が上がって行くことを願ってやみません。
[ライター・カメラ/鈴木 修一郎]
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