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グレードマウントはもはや時代じゃない!? クルマの「実質モノグレード化」が進んでいるワケ

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グレードマウントはもはや時代じゃない!? クルマの「実質モノグレード化」が進んでいるワケ

 この記事をまとめると

■昔は多くのグレードを用意するクルマが多かった

これじゃマウントの取りようもない! 最近日本車から「グレード名」のエンブレムが消えたワケ

■しかしいまではモノグレード化が進んでいる

■複数グレードを用意していても装備差は少ないモデルが多い

 いまのクルマは「モノグレード化」が進んでいる

 過去、日本車の多くには、装備差で上下関係のはっきりした“グレード”が存在していた。しかし、最近の新車をみるとモノグレード(単一グレード)構成であったり、グレード“みたい”なものはあるが、装備差というよりはキャラクターの違いで構成されるケースが目立っている。それでもまだ装備差のついたグレードを構成するモデルもあるが……。

 日産ノートでは上からX、S、Fという3グレード構成となっているが、いま日産の新車ならば是非装着したい“プロパイロット”は最上級グレードのXでしか選ぶことができず(オプション選択可能)、SやFではオプションでさえも選択することができないので、事実上Xしか選択肢はないともいわれている。

 またトヨタ・アクアでは上からZ、G、X、Bの4グレード構成となるが、BとXはヘッドレスト一体型シートを採用するなど、レンタカーなどのフリート販売仕様色が強い。Gでは標準装備はまずまずのレベルとなっており、さらに豊富なオプションを用意し装備を増やすことができるが、販売現場では「Gでオプションつけるなら、標準装備の多いXが買い得ですよ」と言われ、事実最上級グレードがよく売れているとも聞いている。ノアやヴォクシーでも装備を見ていくと、やはり装備などの関係から上級のS-Zが選ばれやすくなっている。

 また、そのほかのグレードを持つ車種でも、残価設定ローンの普及により最上級グレードを選ぶ人が増えているようであるが、例外なのはアルファード。売れ筋は特別仕様車S“TYPE GOLD III”もしくは、SCパッケージとなっており、最上級のエグゼクティブラウンジはシリーズ内でも目立って値落ちが早いとされている。中古車では飛行機のファーストクラスのようなセカンドシートまで装備を必要としていない人も多いようだ。

 グレードというものが形骸化し、選ばれる仕様が上級グレードで“決め打ち”になることが顕著ともいえる現在だが、いまから40年ほど前には装備差を顕著にした厳しい上下関係を持つ多彩なグレードが存在していた。

 たとえば1979年にデビューした、4代目トヨタ・カローラセダンを見てみよう。最廉価からスタンダード、カスタムDX、DX、GL、SEとなり、この上にさらにGTグレードがラインアップされていた。

 スタンダードはエアコン(当時は全車オプション)をはじめ、AMラジオもトランクマットもなく、フロアはカーペットではなくビニールなど簡素そのものとなっていた。そこから段々装備が増えていくのだが、GLになるとシート生地はそれまでのビニールレザーからファブリックとなると同時にヘッドレストが分割式となり、三針式時計、間欠ワイパー(一部)などが装備されGLが“お買い得グレード”となった。それより上級のSEになるとタコメーターや透過式メーター照明、ウッドステアリング、本木シフトレバーなどが装備され見た目ではGLに大差をつけていた。

 過去のクルマを振り返ると選択肢が豊富だったことがわかる

 4代目カローラセダン(前期)のデビュー時は、2ドア&4ドアセダン、そして1300cc、1500cc、1600ccエンジンがラインアップされていた。1600ccはツインカムでGT専用ユニットとなり、SEは4ドアのみで、エンジンも1500ccのみであったが、GLは1300cc、1500ccエンジンをラインアップし、4ドアのほか2ドア(1300のみ)も選ぶことができた。DXも1300と1500cc、そして4ドアと2ドア(1300のみ)が選択できたので、ラインアップを見る限りは、DXとGLが販売中核グレードとなっているのが自ずとわかり、DXはやや装備内容が不足気味だったのでGLがよく選ばれることとなっていた。

 4代目カローラと同時期にラインアップされていた4代目マークIIでは、たとえばセダンで見ると、2000cc直6エンジンを搭載するのは、豪華仕様のグランデ以外に、LGツーリング、LG、LEと合計4タイプだった。グランデから順番に装備内容が簡素化されていくのだが、LEになるとマークIIといえども窓の開閉は手動式となり、ほかでは5速MTとOD(オーバードライブ)付き4速ATのみなのに、なぜか4速MTも選ぶことができた。グランデだけでもいいような気もするが、「多気筒大排気量車は自分のクルマの使い方では必要だが、過剰装備な豪華仕様車はいらないという人もいる」とアメリカで聞いたのを思い出した。いまと比べると80年代あたりまでは多彩なバリエーションを持つモデルがほとんどであり、同じグレードでもエンジンにいくつか種類があり、お気に入りを選ぶことができたのである。

 4代目カローラセダンでは、当時は上級車の証ともいわれた丸目4灯式ヘッドライトを採用していた。これはスタンダードでも採用されていたのだが、1960年代まで遡ると基本的に丸目4灯式ヘッドライトでもスタンダードだけ丸目2灯式となっていたモデルもあった。

 過去には厳密な“階級社会”のようなグレード構成(しかも多い)があった。しかしあったとしてもシンプルで際立った装備差のない現在のグレード構成は、世相を反映したかのように、差別のない、まさに“グレード構成の民主化”が進んだ結果とも言えるのかもしれない。そのせいもあるのか、トランクなどにグレードを表すバッジやシールを装着するモデルもほとんどなくなった。少年時代にかじりつくようにクルマのカタログを見てグレード研究をしていた筆者にとっては、少々寂しい時代になったものだと感じている。

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みんなのコメント

26件
  • 基本的なこと間違って書いてるよ。

    誤「Gでオプションつけるなら、標準装備の多いXが買い得ですよ」と言われ、事実最上級グレードがよく売れているとも聞いている。

    正「Gでオプションつけるなら、標準装備の多いZが買い得ですよ」と言われ、事実最上級グレードがよく売れているとも聞いている。
  • 昔は低グレードはフロントマスクやテールランプが違うモデルもあったけど
    結局コストがかかってたんじゃないかと思う。
    上級グレード買わせるメーカーの作戦だと思う
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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