ピュアな内燃エンジンを積んだ後輪駆動
BMW 2シリーズクーペは、2013年に発表された1シリーズクーペの後継モデルとしてスタートしたものだ。当時のベース車である1シリーズハッチバックは、競合となるメルセデス・ベンツ Aクラスやフォルクスワーゲン ゴルフがFF(前輪駆動)であるのに対して、唯一、FR(後輪駆動)を採用していた。そこにBMWらしさを感じとっていたファンも多くいたはずだ。
しかし、BMWも効率化を図っていく中で、2020年に登場した現行型1シリーズハッチバックではFFを選んだ。ということは次期型2シリーズもFFになるというのが自然な流れだと誰もが思うだろう。
実際のところ2シリーズには様々なモデルバリエーションが用意されており、4ドアモデルの2シリーズグランクーペやミニバンタイプの2シリーズアクティブ&グランツアラーはFFである。
ところが、BMWは同じ2シリーズであっても2ドアクーペにのみ、FR(もしくはそれをベースとした4WD)を採用し続けるという英断を下した。ひとクラス上の3シリーズなどと共通のCLARプラットフォームを用いて、それを堅持したのだ。 ボディサイズは、全長4560mm、全幅1825mm、全高1405mm、ホイールベース2740mm。先代よりはひとまわり大きくはなったけれど、それでも現代の基準でみればコンパクトな部類だろう。最新のBMWが採用する大きなキドニーグリルじゃないところも好感がもてる。前後のフェンダーはブリスター形状になっており、とても引き締まって筋肉質に見える。
インテリアのデザインは、プラットフォーム同様ひとクラス上の3シリーズのものを踏襲する。インフォテインメントは最新のもので、「OK、BMW」と話しかけると起動し、音声会話でエアコンやオーディオなどの操作が可能なBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントを搭載する。その一方で、いまBMWはAmazon Alexaとの連携をはじめている。この2シリーズでもAlexaに話しかけるだけで天気予報やニュースの確認、音楽のストリーミング再生、さらにAmazonでのショッピングや、対応するホームデバイスの操作などが可能になっている。最近ではボルボがGoogle OSを車両に取り込みはじめ話題になっているが、今後は自動車とGAA(Google、Amazon、Apple)との統合はさらに加速していくだろう。
パワートレインは2種類。220i クーペは、最高出力184ps、最大トルク300N・mを発揮する2L直列4気筒ターボエンジンを搭載。8速オートマチックトランスミッションを介し、後輪を駆動する。もう一方のM240i xDriveクーペは、BMWの魅力のひとつである直6エンジンを搭載する。3L直6ターボエンジンは387ps/500N・mと、コンパクトなボディに十分すぎるほどのパワーを発揮するため、駆動方式は4WD化されている。トランスミッションはこちらも8速ATとなっている。 ボディはボンネットだけではなく、エンジンキャリアや接続部などにもアルミニウム材を用いることで剛性の強化と軽量化を実現。そもそも剛性に有利な2ドアであることもあって、走りだしてすぐにステアリングを通して剛性感の高さが伝わってくる。FRの220iクーペは、みなぎるような大パワーというわけではないが、4気筒特有の音も抑えられており、必要にして十分な加速をみせる。何より俊敏かつ軽快なハンドリングで、あらためてFRの気持ちよさを味わわせてくれる。
一方、M240i xDriveクーペは、アクセルペダルに力を込めるとターボ加給しているとは思えないほどスムーズに6気筒エンジンが吹け上がる。さすがに387ps/500N・mはパワフルだけれど、シャシーが音を上げることはなく、4WDだけあって明らかにスタビリティが高い。また、試乗車はオプションの電子制御式ダンパー・アダプティブMサスペンションを備えており、乗り心地の面でもコンフォートからスポーツまで、幅広く対応した。
この新型2シリーズクーペ220iには、コンパクトで軽くて、後輪駆動で、前後重量配分50:50と、BMWが掲げる“駆けぬける歓び”を具現化する要素がすべてつまっている。それはサーキットに行かなくても、街中を走るだけでコンパクトなFR車をドライブすることが、いかに楽しいかを再認識させてくれる。いまどきピュアな内燃エンジンを積んだFRコンパクトクーペの新型車を出すなんて、車好きに向けたBMWからのある意味では最後の、エールに違いない。 BMW 2シリーズクーペ(現行型)の中古車を探す▼検索条件BMW 2シリーズクーペ(現行型)× 全国文/藤野太一 写真/柳田由人、ビー・エム・ダブリュー
BMW 2シリーズクーペ(初代)の中古車市場は?
1シリーズ クーペの後継として2014年に登場した初代2シリーズ クーペ。コンパクトなボディに、ロングノーズでキャビンを後方に配置したFRモデルで、BMWのクーペらしいスポーティなスタイルを備えていた。ラインナップは220iに加え、ハイパフォーマンスモデルのM235i(2014~2016年)とM240i(2016年~)となる。
中古車流通量は100台以上と、クーペとしては比較的豊富。中古車平均価格は約270万円で、220iなら100万円台から、M235iなら200万円台から探すことができる。 BMW 2シリーズクーペ(初代)の中古車を探す▼検索条件BMW 2シリーズクーペ(初代)× 全国文/編集部、写真/ビー・エム・ダブリュー【試乗車 諸元・スペック表】●220i Mスポーツ型式3BA-12CM20最小回転半径5.2m駆動方式FR全長×全幅×全高4.56m×1.83m×1.41mドア数2ホイールベース2.74mミッション8AT前トレッド/後トレッド1.59m/1.57mAI-SHIFT-室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m4WS-車両重量1530kgシート列数2最大積載量-kg乗車定員4名車両総重量1750kgミッション位置フロア最低地上高0.13mマニュアルモード◯標準色アルピン・ホワイトオプション色ミネラル・ホワイトメタリック、ブルックリン・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、サンダーナイトメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリック掲載コメント-型式3BA-12CM20駆動方式FRドア数2ミッション8ATAI-SHIFT-4WS-標準色アルピン・ホワイトオプション色ミネラル・ホワイトメタリック、ブルックリン・グレーメタリック、ブラック・サファイアメタリック、サンダーナイトメタリック、ポルティマオ・ブルーメタリック、メルボルン・レッドメタリックシート列数2乗車定員4名ミッション位置フロアマニュアルモード◯最小回転半径5.2m全長×全幅×全高4.56m×1.83m×1.41mホイールベース2.74m前トレッド/後トレッド1.59m/1.57m室内(全長×全幅×全高)-m×-m×-m車両重量1530kg最大積載量-kg車両総重量1750kg最低地上高0.13m掲載用コメント-エンジン型式B48B20A環境対策エンジン-種類直列4気筒DOHC使用燃料ハイオク過給器ターボ燃料タンク容量52リットル可変気筒装置-燃費(JC08モード)15.4km/L総排気量1998cc燃費(WLTCモード)13.3km/L└市街地:10km/L└郊外:13.6km/L└高速:15.3km/L燃費基準達成-最高出力184ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm300(30.6)/4000エンジン型式B48B20A種類直列4気筒DOHC過給器ターボ可変気筒装置-総排気量1998cc最高出力184ps最大トルク/回転数n・m(kg・m)/rpm300(30.6)/4000環境対策エンジン-使用燃料ハイオク燃料タンク容量52リットル燃費(JC08モード)15.4km/L燃費(WLTCモード)13.3km/L└市街地:10km/L└郊外: 13.6km/L└高速: 15.3km/L燃費基準達成-
BMW 2シリーズクーペ(現行型)のカタログを見るカーセンサーEDGE.netはこちら
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
「お金なさすぎて家賃払えなくて…」大阪出身“売れっ子芸人”が高級SUV「Gクラス」を納車! 東京で“人生初”の車購入「盛山さんがベンツ購入って感慨深い」「夢あるなー」と反響
史上最恐の盗難ツールとして話題の[ゲームボーイ]だが……ほぼ100%盗まれない方法は果たしてあるのか!?
アンダー150万円!? スズキ「軽バン」が凄い! 完全「爆睡仕様」に驚きの声…!? どんな人が買う? 見た目はド派手グリル採用の「スペーシア」とは
ホンダが“赤い”新型「プレリュード」初公開! “22年ぶり復活”の「2ドアクーペ」が鮮烈レッドに変化!? 2024年にも登場期待の「新モデル」米に登場
国産車初の電動メタルトップは駄作? なんで窓枠が残るのよ! 世にも不思議な[ソアラエアロキャビン]は今が底値!
みんなのコメント
まあFRを残してくれただけでも良しなのかな