米国GMは2022年10月17日(現地時間)、キャデラックブランドの最高級EVモデル「セレスティック(CELESTIQ)」の市販プロトタイプを発表した。
近未来におけるキャデラックのラグジュアリーEVの方向性を示すセレスティックは、全電動化を果たすための最新テクノロジーとともに、キャデラックブランドの120年の伝統からインスピレーションを受けた車両デザインや、1台ずつのパーソナルオーダーで、かつハンドクラフトで仕立てる生産体制を構築したことが特徴。ハンドクラフトモデルとしては、V16エンジンを搭載した1933年型「エアロダイナミック クーペ」や1957年型「エルドラド ブロアム」など、アイコニックなモデルの生産工程に根差している。
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デザイン面では、名建築家のエーロ・サーリネンによるミッドセンチュリーの建築をはじめとする象徴的なアメリカンデザインをオマージュした、瀟洒で存在感あふれるファストバックフォルムの先進セダンスタイルを具現化。また、機構面についてはアルティウム(Ultium)プラットフォームをベースとするEVアーキテクチャーを採用し、ワイヤレスバッテリー管理システムによりバッテリーモジュールを分配配置して、キャビンの広さと静粛性を最適化する。ボディパネルにはアルミ合金のほか、3Dプリンターで製作したディテールパーツを随所に採用。さらに、進化したハンズフリー運転支援技術のウルトラクルーズを組み込み、自律走行モビリティとしての新機軸を構築した。
インテリアに関しては、キャデラックの近未来へのビジョンを表現した技術やエンターテインメント性、そしてサステイナブルな素材を内包する。ステアリングホイールセンターやウィンドウスイッチ、グラブハンドル、コンソールの装飾などには最新の3Dプリント部品を配備。キャビン空間は後席にセパレートシートを配した4名乗車のレイアウトで構成し、装備面として対角55インチのLEDディスプレイを含む5つの高解像度LEDインタラクティブディスプレイのほか、センターコンソールに配した11インチのタッチ機能付きディスプレイ、後席センター部に配した8インチのタッチ機能付きディスプレイ、乗員分の4ゾーンに分けて光の量を調整できる固定スマートガラスルーフなどを配備して、先進的かつラグジュアリーな室内空間を創出した。
注目のパワートレインには、前後アクスルに配した2基の電気モーターに総電力量111kWhを確保したリチウムイオンバッテリーパックを採用。最高出力は600hp、最大トルクは640lb-ft(約868Nm)を発生し、0→60mph(約96km/h)加速は3.8秒、一充電走行距離は300マイル(483km)を実現する。また、Regen on Demandブレーキ機構を装備して、効率的に前進運動量のエネルギーを電気に変換してバッテリーパックに蓄えるほか、加減速を最適に制御するワンペダルでの走行も可能とした。さらに、前後5リンク式で構成する足回りには、電子制御のアクティブエアサスペンションやマグネティックライドコントロール4.0を採用。ほかにも、最大3.5度の位相にセッティングしたアクティブリアステアリングや、シャシー前後にスタビライザーバーを埋め込んで電子制御で作動させるアクティブロールコントロール、空力特性を高めるアクティブリアスポイラー、23インチの鍛造アルミホイールおよびミシュランパイロットスポーツEVタイヤなどを組み込んだ。
なお、GMはセレスティックのプロダクションモデルを2023年12月から生産すると予告。車両価格は30万ドル(約4500万円)~を予定する。日本への導入時期などは、現在のとこと未定だ。
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