ポルトガルで行われたi5の国際試乗会では、「i7 M70 xDrive」もジャーナリストに委ねられていた。この「i7」のトップグレードに乗った小川フミオ氏のレポートをお届けする。
i7はBEVに新しい世界を拓いた
BMW、「7シリーズ」のEVモデルの頂点「i7 M70 xDrive」を日本で発売
BMWは最高峰セダン「7シリーズ」にBEV(バッテリー電気自動車)の「i7」を設定し、2022年7月から日本でも販売している。ICE(内燃機関)のバージョンもすごいけれど、i7のナチュラルな操縦感覚はBEVに新しい世界を拓いた印象すらある。
さらに、2023年には、従来の「i7 eDrive50」と「i7 xDrive60」に加えて、よりスポーティな「i7 M70 xDrive」を追加。ビー・エム・ダブリュー株式会社の手によって、日本でも5月29日から発売された。
「BMW 7シリーズ初の M ハイ・パフォーマンス・モデル電気自動車」と日本法人がプレスリリースで紹介するi7 M70 xDrive(以下M70)は、現在、i7のラインナップで最高性能を誇る。
性能をみても、「50」が650キロの走行距離と335kWの最高出力(それでもすごい)、「60」が走行距離は同じだが400kWであるのに対して、M70の走行距離は570kmとやや短くなるものの、マックスパワーは485kWにまで上がる。
「もっとも速く、もっともパワフルな、BMWのBEV」と、BMWではプレスリリースに記している。
Mの名を冠しているM70は、後輪用モーターの電圧を2倍に上げ、電力密度も過去最高の値にまで引き上げたという。これを、5世代目になるBMWのeDriveシステムに組み合わせたのが特長。
BMW電動化戦略の尖兵
Mパフォーマンスパッケージでは、「Mスポーツブースト」と「Mローンチコントロール」も採用。105.7kWhのバッテリー性能とともに、瞬間的な加速性能も実現。
全長5,390mm、車重2,760kgの車体を、静止から時速100キロまでわずか3.7秒で加速させるという性能ぶりだ。もはやかぎりなくスポーツカーに近い。
「Mスポーツブースト」はステアリングホイールの左側のレバーを使う。アクセルを踏み込んでいて(本来は開度も定まっているはず)、それを使うと、トルクが上乗せされる。
従来の最大トルクは1,015Nmだが、Mスポーツブーストを使うあいだは1,100Nmのトルクが得られる。サーキットで走るとき(その勇気があれば)追い抜きで効果を発揮するだろう。
このさきM7というモデルが発表されるかどうか定かでないが、少なくともBMWとチューニングを手がけるMとでは、BEVにおいてこの先どういうモデルを作れば市場に受け入れられるか、ある種の実験をしているのかもしれない。
なにしろ、これまでの50とか60でも充分すぎるほど速い。となると、走行距離を伸ばしたり充電時間を短くすることなどは別として、より強烈な加速性と、ドライビングアシストによる操縦性のさらなる改良が残された分野なのだろうか。
M70の場合、走行距離を伸ばすために「マックスレンジ」なる機能も搭載している。作動させると、パワーを15から20パーセント抑制する。当然トップスピードも落ちる。そのぶん、長い距離を走れるのだ。
充電のための車両の受け入れは、急速充電器を使うばあい、最大195kW。家庭用のAC充電器だと22kWと、本国の資料には記されている。
i7は、このように、BMWの電動化戦略の尖兵として、かなり気合いを入れて開発されたモデルなのだ。
Vol.2に続く
BMW i7 M70 xDrive
全長:5,390mm 全幅:1,950mm 全高:1,545mm ホイールベース:3,215mm 車両重量:2,760kg 乗車定員:5名 交流電力量消費率:212Wh/km(WLTCモード) 一充電走行距離:570km(WLTCモード) フロントモーター最高出力:190kW(258ps)/8,000rpm フロントモーター最大トルク:365Nm(37.2kgm)/0-5,000rpm リヤモーター最高出力:360kW(489ps)/13,000rpm リヤモーター最大トルク:650Nm(66.3kgm)/0-5,000rpm システムトータル最高出力:485kW(659ps) システムトータル最大トルク:1,015Nm(103.5kgm) バッテリー総電力量:105.7kWh モーター数:前1基、後1基 駆動方式:AWD(全輪駆動) フロントサスペンション:ダブルウィッシュボーン式エアスプリング リアサスペンション:マルチリンク式エアスプリング フロントブレーキ:ベンチレーテッドディスク リアブレーキ:ベンチレーテッドディスク タイヤサイズ:前255/40R21、後285/35R21 最小回転半径:5.8m 荷室容量:500L 車両本体価格:2,198万円
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