キャンピングカー向け240回払
2022年2月よりキャンピングカー向けの「JRVA特別オートローン」が開始された。
【画像】ベースは400万円台【日本上陸のフィアット・デュカトを詳しく見る】 全35枚
これはJRVA(日本RV協会)の会員店で提供される「オートローン」で、最長240回払いを可能とするもの。
240回といえば、20年もの長期クレジット。
通常、クルマのクレジット(オートローン)といえば、最大84回払いあたりが一般的な線。
それが3倍近くも長い「オートローン」を導入したというから驚きだ。
一体、どういうことなのかと、サービスを導入した一般社団法人 日本RV協会の担当者に話をきいた。
ターゲットは「若い世代」
そもそも、なぜ240回もの長期のクレジットを用意したのだろうか?
「240回のオートローン導入の目的は、新しい層のお客さまを求めてのことです。幅広い人にキャンピングカーに乗っていただきたいと考えています」と日本RV協会の担当者は説明する。
ちなみに日本RV協会が2021年に発行した「キャンピングカー白書2021」を見ると、キャンピングカーの利用者は60代(38.5%)と50代(34.6%)が多く、この2世代だけで73.1%を占める。続いて多いのは40代(14.9%)、そして70代以上(9.9%)。
一方、30代は1.9%、20代以下になると0.2%しかいない。
キャンピングカーのユーザーは、若い世代が圧倒的に少数派なのだ。
つまり、「新しい層のお客さま」とは、若い世代に他ならない。そして、長期のクレジットは若い世代ほど使いやすいサービスだ。
「クルマの価格が上昇したのも理由の1つです。実感としては、30年前と比べると、今のクルマの価格は2倍くらいになったように感じます」と日本RV協会の担当者はいう。
実際のキャンピングカーの売れ筋価格帯は「キャンピングカー白書2021」を見ると、400~500万円台(27.4%)が最も多く、600~700万円台(23.7%)が続く。
そして800~900万円台(16.6%)、200~300万円台(16.4%)、1000~1500万円台(11.6%)、100万円以下(2.4%)、1600万円以上(1.9%)だ。
ざっくりいえば、300万円台以下が約20%、400~700万円台が約50%、800万円以上が約30%という構成となる。
つまり、8割が400万円以上ということだ。
信販会社が240回を認めたワケ
とはいえ、最大240回もの「オートローン」を実施するには信販会社の協力が不可欠だ。
「実のところ、わたし達のお客さまの組むクレジットでは、ほとんど事故がありません。交通事故ではなく、『払えなくなる』という事故です」と日本RV協会の担当者。つまり、日本RV協会の会員の販売店でのクレジット利用者は、信販会社にとって、非常に良い客というわけだ。
「キャンピングカーの価値が高いと信販会社さんにも認められていると思います。長年乗っても、価値が落ちないということですね。クルマの性能が上がっていて、10年どころか20年くらい持つようにもなっています」
「そのため、新車で1000万円するキャンピングカーが10年落ちでも、500万円で売られることもあります。中古車市場も高いんですね」
実際に、今、キャンピングカーの販売は右肩上がりだ。
2021年の国内キャンピングカーの新車/中古車の販売売上合計額は、前年比109%の635.4億円に上る。
これは過去最高の更新であり、2011年比でいえば、約3倍にもなる。
そもそものクルマの長寿命化と、キャンピングカーの新車/中古車の高い人気を背景に、しかも顧客は優良。
こうした好条件が重なったことで、これまでにない240回、20年もの長期払いが実現したのだろう。
ちなみに金利は「店ごとに異なりますが、おおむね1.9-3.9%ほどになります」とのこと。
イベントでは半数以上が利用
では、そんな240回払クレジットは、どのようなユーザーに使われているのだろうか。
「2月に開催された『ジャパンキャンピングカーショー2022』でいえば、240回クレジットの利用者は、若い方が多かったように思えます。ローン利用者のうち、6割弱が240回を利用しています」と日本RV協会の担当者。
狙いどおりに、若い世代に支持を得られている様子だ。
また、2月の『ジャパンキャンピングカーショー2022』においては、FCAジャパンよりフィアット・プロフェッショナルの「デュカト」の日本正式導入が発表されている。
これはキャンピングカーのベース車両としての導入だ。
つまり、FCAのディーラーから、キャンピングカーの架装法人への販売がメインとなる。
価格は架装前の素のクルマで469万円。
これまで「デュカト」をベースにしたキャンピングカーが日本でも販売されていたが、そのほとんどが海外で作られた車両の輸入販売であった。
国内での架装の扉が開かれたことで、「デュカト」をベースにしたキャンピングカーの人気が高まることは間違いない。
また、「デュカト」の全長はショートで5.4m、ロングで約6mにもなる。
つまり「デュカト」ベースのキャンピングカーは大型で、価格もそれなりに高い。
ある意味、240回もの長期クレジットの利用が多く見込める車両ではないだろうか。
240回クレジットに、「デュカト」の日本導入。キャンピングカーの人気は、さらに高まりそうだ。
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