かつて、メルセデス・ベンツといえば大きな高級車、というイメージが強かったが、現在ではAクラスやBクラスをはじめ、小型車のバリエーションも増えた。そんなメルセデス・ベンツの小型車の歴史を何回かに分けて振り返ってみたい。
当時としては先進的なモデルも試作された
ダイムラー・ベンツは、小型FF車のDKWをつくるアウトウニオンを1958年に傘下に収め、それを機会に先進的なFF小型車を開発する。それはまたしてもお蔵入りになるのだが、その技術は別の意外なところで花開くことになる。
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アウトウニオンは1930年代に複数のメーカーが合併して設立されたが、戦後は大衆車のDKWだけが存続し、2ストロークエンジンのFF車をつくっていた。
メルセデスは、戦後も小型車をラインアップに持ちたいと思い続けており、そこでFF小型車を開発した。それがW118/W119で、DKWのFF技術を応用したともいわれる。
これは1.5L水平対向エンジンを積むFF車で、当時としてはかなり先進的だった。その開発を統括したのが、当時、先行開発部門のトップだったルードヴィヒ・クラウスで、エース級のエンジニアである。
メルセデスは1963年に、DKWブランドの新型車F102を投入。新しさを感じさせるボディだったが、ただそのエンジンは旧式な2ストロークだった。2ストロークエンジンしかないDKWの状況は危機的だった。そこでDKWを救うためにクラウスが送り込まれた。
クラウスはW118/W119用に直列4気筒エンジンも開発していた。ディーゼルエンジンの技術を応用した圧縮比の高いエンジンで、これがDKW F102に積まれることになった。
ところがDKW F102が市販化されるころ、1965年にアウトウニオンはフォルクスワーゲンに売却される。そしてメルセデス肝いりの4ストロークエンジンを積んだ新型DKWは、アウディという名で世に現れた。名前を変えたのは2ストロークの悪いイメージを払拭するためで、これが今あるアウディの始まりだ。
同時にクラウスも数人の部下とともに、アウトウニオン(つまりアウディ)に残った。クラウスはアウディでは技術部長として、新型車の開発を指揮。新生アウディ車の礎は、クラウスが築いた。アウディの技術は空冷リアエンジンのビートルから代替わりに苦しんでいたフォルクスワーゲンも助けた。主力車種となるゴルフのエンジンも、じつはクラウスの持ち込んだ水冷4気筒エンジンだった。
クラウスが1973年に引退して、あとを継いだのは2019年8月に逝去した、後にフォルクスワーゲン・グループ全体を率いることになるフェルディナント・ピエヒである。ピエヒは、それ以前にはポルシェ社の技術部長を務めていたのだが、クラウスの水冷エンジンFF車技術は、ポルシェ社でピエヒが推進していたミッドシップエンジン車をさしおいて、ビートルの後継として採用されたという因縁もある。
今ではあまり知られていないが、新生アウディは発足当時、その広告でメルセデスの技術が採用されていますと、堂々とアピールしていた。
当のメルセデス自身は、またしても小型車の実現を見送ることになったが、巨視的に見れば、メルセデスの技術がドイツ車のその後の繁栄に貢献したともいえる。余談ながらW118/W119は、BMWになる可能性もあったという。当時BMWも経営危機で、メルセデスが助けることが検討されていたのだった。(文:武田 隆/写真:メルセデス・ベンツ)
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